※本ページ内の情報は2024年10月時点のものです。

創業以来、介護・障がい者支援・保育の3つを柱として事業を提供し続けている株式会社リビングプラットフォーム。今回のインタビューでは、同社を率いる金子社長に、これまでの人生や、会社の現状、そして未来への展望について話をうかがった。

「後世に残るインフラ整備に携わりたい」という強い思い

ーー学生時代やキャリアの始まりについて教えてください。

金子洋文:
学生時代から将来を見据えた選択をすることが重要だと考えていました。たとえば、かつては石炭業界が花形だった時代がありましたが、現在はそうではありません。IT業界や介護・医療・福祉など、将来的に需要があると感じ、起業しやすい新興市場として注目していました。そんな中で、ITに強く、世界のノウハウが詰め込まれている外資系コンサル会社に入社し、その分野での経験を積みました。

ーー起業しようと思ったきっかけは何でしたか?

金子洋文:
大学生の頃から起業したいと考えておりました。外資系コンサル会社を辞めた後、大手商社の社内ベンチャーに転職し、そこでヘルスケアに特化したコンサルティングや投資、融資などの業務に従事するなど、多くの経験を積むことができました。10年間にわたりネットワークやさまざまな知見を得たことで、「このヘルスケア事業で後世に残るようなインフラ整備に携わりたい」と思うようになりました。そこで、2011年にリビングプラットフォームを設立したというわけです。

ーーヘルスケア業界への思いについて聞かせてください。

金子洋文:
介護保険制度が始まった2000年当時から、ヘルスケア業界には大きな可能性を感じていました。規制が取り払われ、新たなビジネスチャンスが生まれるその瞬間を捉えたかったのです。また、日本が世界をリードできるような事業に携わりたいといった強い思いもありました。大国と言われる国々のなかでいち早く少子高齢化を迎える日本において、新たな価値を創造し、その結果を海外にもインフラとして提供し、「このシステムは日本から来たんだよ」と言われるような仕事に携わりたいという思いがありました。

労働参加率を高める事業展開を目指す

ーー貴社の主な事業内容について教えてください。

金子洋文:
私たちは、介護・障がい者支援・保育の3事業を柱としています。介護分野では、介護付き有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など、日常的にサポートが必要な高齢者が安心して暮らせるような施設を運営しています。また、障がい者支援事業では、障がい者が社会に参加しやすい環境を提供し、保育に関しては親御さんが働きやすい環境を整えた保育施設が提供できる仕組みを考えるようにしています。

ーー他社との違いや強みはどのようなところでしょうか。

金子洋文:
他社と比較して、手頃な価格で高品質なサービスを提供している点が大きな強みです。保育業においても認可保育園といえども質の高い教育を提供することに注力しています。

ダイバーシティを見据え海外展開の道筋を築く

ーー海外展開についてはどのように考えていますか。

金子洋文:
将来的に海外進出を考えているので、外国人採用を検討しています。もちろん日本人でもポテンシャルがあり、会社のビジョンに共感してくれる方であれば歓迎です。

弊社は、ダイバーシティ(多様性)をしっかりと意識しています。国籍や人種、性別、年齢、キャリア、学歴などは一切気にしません。優秀であり、かつ倫理観がある方であれば十分です。

海外からコーポレートスタッフを採用するにあたっては、日本語学科がある海外の大学をターゲットにしています。ターゲットのリストは外務省や経産省にもないようで、現在、自分たちで作成中です。日本語学科がある海外の大学は卒業後の就職先として日本が考えうるため、優秀人材を直接採用できます。たとえば、ミャンマーやベトナムでトップクラスの大学などと直接連携し、人材を確保するという流れを期待しています。

ーー今後のビジョンをお聞かせください。

金子洋文:
今後は国内外での事業展開をさらに進め、とくに介護分野でのリーダーシップを強化していきます。また、日本の少子高齢化問題に対処するためのロールモデルを海外にも展開し、日本の地位向上に貢献したいと考えています。

編集後記

地域に根ざし、未来を見据えた事業を展開するリビングプラットフォーム。金子社長の強い信念と情熱が、今後も会社を成長させ、多くの人々に幸せをもたらすことだろう。とくに、障がい者支援や高齢者ケアの分野での先進的な取り組みが、社会全体に与える影響は計り知れない。同社のさらなる飛躍が期待される。

金子洋文/1977年、東京生まれ。2000年慶應義塾大学総合政策学部卒業(マクロ計量経済学専攻、竹中平蔵教授に師事)後、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア株式会社)に入社。2001年に三菱商事株式会社のヘルスケア戦略子会社で医療・介護の経営支援を行うライフタイムパートナーズ株式会社に入社。多くの経営支援と投融資を手掛ける。2011年に株式会社リビングプラットフォームを設立。2020年に東証マザーズ(現グロース市場)に上場。