※本ページ内の情報は2024年12月時点のものです。

愛知県小牧市の一級建築士事務所、株式会社ホームランディック。「建築に携わっている自分たちが心から住みたい家をつくること」をコンセプトに、完全自由設計でお客さまの視点に立った家づくりを実践している。代表取締役社長として、そして一級建築士として、同社をリードする伊岐見恭子氏に、家づくりへの思いや今後の展望をうかがった。

「社長の娘」から「社長」に。社員の視線に変化が

ーー貴社に入社するまでの経緯を教えてください。

伊岐見恭子:
私は小学生の頃から家業を継ぎたいという思いがありました。東京で財務コンサルを経験後、愛媛の住宅会社に就職しました。お客さまに満足していただける家づくりや、それを実現するための組織づくりについて学ばせていただいた後、2011年に家業であるホームランディックに入社しました。

ーー転職先が家業ですが、苦労したことはありましたか?

伊岐見恭子:
やはり「社長の娘だから…」という周囲の視線を感じたこともありましたね。私が入社した頃は、ちょうどリーマンショックの影響で、契約が全くとれない時期でした。1年間契約がゼロだったことで、社内から「一体何をしているんだ?」と風当たりがきびしい状況が続いたこともありました。

ーー困難を乗り越えるために取り組んだことを教えてください。

伊岐見恭子:
事務所を改装し、広告物やホームページも全てリニューアルして、一貫性を持たせるようにしたことです。ひたすら「自分たちが心から住みたい」と思える性能とデザインを両立したおうちづくりを続けました。YouTubeも始めたことから、おかげさまでチャンネル登録者数も増え、少しずつ成果が現れ始めました。社員の視線も徐々に変わり、応援してくれるようになりました。

住む人の目線を大切に満足度が高い家づくりに徹底してこだわる

ーー貴社はどのようなタイプの住宅を提供されているのでしょうか?

伊岐見恭子:
主に自由設計の住宅です。とくに「1階完結型」の間取りにおいては、弊社が流行をリードしてきたという自負があります。従来の2階建て住宅では1階で洗濯したものを2階のクローゼットにしまうことが一般的でした。弊社ではクローゼットを1階に配置することで、階段を登って洗濯した服を運ぶ手間を省ける間取り(動線)にしました。このように、住む人、とくに女性目線で間取りを設計できるのが、弊社の強みだと思います。

ーー業務において心がけていることと、やりがいについて教えてください。

伊岐見恭子:
会社が存続するためには、世の中に必要とされる存在でなければいけません。ですから、弊社では利益を追求することよりも、お客さまに十分満足していただき、喜んでいただくことを判断基準とし、それを社員にも伝えています。

お金をいただいて、さらに感謝までしていただける仕事は、世の中にそう多くないと思います。住宅は人生で最も高い買い物の一つですが、お引渡しのときに涙を流して喜んでいただける瞬間や、感謝の言葉をいただけることが、私の喜びです。また、引渡しのときにお客様から頂くことのある手紙が何より嬉しくて私の宝物になってます。

ーー人事評価もお客さまの満足度にひもづいているのでしょうか?

伊岐見恭子:
はい。もちろん、成績も大切ですが、弊社では「いかにお客さまに満足していただけたか」という点を評価基準に入れています。お客さまにはアンケートへの回答にご協力いただき、その結果を点数化して評価に反映しているのです。

「何これ?」とワクワクできる家づくりを楽しめる方と仕事をしたい

ーー貴社の今後の展望をお聞かせください。

伊岐見恭子:
薄利多売ではなく、付加価値が高い住宅をご提供していきたいですね。今度、新しく会社を立ち上げるにあたり、BtoBビジネスや、工務店さん向けの支援、家具販売なども視野に入れています。

施工はしっかりできているものの、集客に課題を抱える住宅会社さんが多いことから、そういった住宅会社さんとタイアップし、全国で素敵な家づくりを広げていけたらと考えています。

ーー人材も積極的に採用する方針ですか?

伊岐見恭子:
ありがたいことに多店舗展開をさせていただくことになりました。2025年に名古屋店が本格OPENするので、営業、設計、コーディネート、現場監督、マーケティング担当、全職種募集しています。

ーー職場の特徴について教えてください。

伊岐見恭子:
自由に設計したい、自分の理想をとり入れてお客さまに満足していただきたいという方に向いている職場だと思います。

あとは、社内勉強会や外部研修、他社さんと合同で行う勉強会など、いろいろな学びの場があります。設計やコーディネート、構造など、学べる知識も幅広いので、成長意欲が旺盛な方にふさわしい職場だといえますね。

ーー伊岐見社長から今の社員の方、求職者の方に伝えたいことをお聞かせください。

伊岐見恭子:
弊社には本当に家づくりが大好きなメンバーが集まっていると感じています。家づくりは決して1人ではできず、みんなの協力があってこそ成り立つものです。私自身、YouTube動画を撮影したり、自分の好きな家を設計したりしと自由にやらせていただいていますが、社員も一緒に楽しんでくれています。私から社員に「来てくれてありがとう!」と伝えたいです。

これからも、ワクワクするお家や、「何これ?」と驚いてもらえるような家づくりを一緒にやっていきたいと思っています。家づくりを一緒に楽しんでいただける方は、ぜひ弊社に来ていただきたいですね。

編集後記

顧客満足度に対するあくなき追求心、お客さま目線の設計に対するこだわり、そして何よりも家づくりを楽しむという気持ちが伊岐見社長から強く感じられた。同社のYouTubeチャンネルは登録者数13万人を超えているが、伊岐見社長のポジティブなお人柄がファンの心をつかんでいるのだと実感させられた。

同社がこれからどのような作品やコンテンツをつくり出していくのか、そして建築業界にどのようなイノベーションをもたらすのか、目が離せない。

伊岐見 恭子/1983年、愛知県生まれ。建築の修業をした後、2011年に家業である株式会社ホームランディックに入社。デザイン住宅部門を立ち上げる。2020年、事業継承し、代表取締役社長に就任。