※本ページ内の情報は2025年5月時点のものです。

株式会社Ultimate Lifeは、オリジナル商品の製造や、フィットネスジムの運営、ゲームなどの買い取り・販売を多角的に手がける会社だ。プロテインやトレーニング用品を企画・販売する「GronG(グロング)」などのブランドを展開している。

メーカーにとどまらず、フィットネスジム事業、リユース事業と、意欲的に事業の幅を広げる同社の代表取締役である田中悠貴氏に、起業するために学生時代に積み重ねた経験や、事業を立ち上げた経緯、今後の目標などについて、話をうかがった。

起業家を志しアルバイトと勉強に励んだ学生時代

ーーまずは起業しようと思ったきっかけをお聞かせください。

田中悠貴:
私は、小学生の頃から野球に打ち込んでいました。怪我をすることも多く、日頃から接骨院やトレーナーの先生にお世話になっていたため、高校2年生のときには「自分もスポーツや健康の分野で起業したい」と考えていました。

ーー専門学生時代にさまざまな経験を積んだそうですね。

田中悠貴:
開業資金を貯めつつ現場で技術を身につけるため、月に300時間以上、長期休みの間は400時間以上働きました。また、インターンでスポーツチームのトレーナーの仕事にも携わりました。試合に同行するため朝6時に集合場所に向かい、試合後は選手のケアで夜11時〜12時まで働く生活でしたが、「早く起業したい」という思いに突き動かされ、つらさよりも楽しさが勝っていましたね。

起業に必要な知識を得るため、睡眠時間を削ってビジネス書も読み漁りました。当時お世話になった方々との交流は今も続いていて、人との縁にも恵まれたと思います。

自社ブランドを立ち上げた経緯

ーー学校を卒業してからの経歴について教えてください。

田中悠貴:
アルバイトをしていた接骨院で、業務委託として院長を任されましたが、収入源は多い方が良いと考え、ネット販売も始めることにしたのです。

試しに自宅のゲームや漫画をネットで出品したところ、あっという間に売れたのです。そこでオンラインの中古品ビジネスに可能性を感じ、整骨院の仕事の合間にオンラインで中古品の買い取りおよび販売事業を始めました。順調に売上が伸びたことから、整体院の仕事を辞めてリユース事業で起業しようと決意しました。

ーーそこからメーカーとして事業を始めたきっかけを教えてください。

田中悠貴:
まず利益率アップのため、当時安価だった中国製品の輸入販売を始めました。しかし、製品の質の悪さが目に付き、改めて日本の技術力の高さに気付いたのです。この経験から、お客様により良い商品をお届けしたいと言う気持ちが強まり、オリジナル商品の企画・開発をスタートしました。現地の工場とも密にコミュニケーションを取るようにして、生産工程をイチから構築しました。

快進撃を続けるためのポイントや新商品開発で重視していること

ーー好業績が続く理由をどのように考えていますか。

田中悠貴:
事業のプロセスの中でブラックボックスをなくすように心がけていることが大きいと思います。現在、内製化を進めていますが、それは各工程で何をしているのか、なぜ必要なのかを自分たちが把握するためでもあります。

新商品開発においては、お客様の期待に応える商品を提供しています。そのため自分たちの主観ではなく、数値やデータ、お客様の声を反映した商品づくりを行っています。

また既存の事業を分解して再構築するスピードが速く、新陳代謝が活発なことも強みといえるでしょう。弊社の経営陣においては、「収益を上げるよりも楽しい仕事がしたい」という考えが一致し、組織力を発揮できていると思いますね。

月に20人以上との面談を実施しコミュニケーションを強化

ーー従業員教育はどのように行っていますか。

田中悠貴:
月に20人以上と1on1を行い、一人ひとりのキャリアや価値観について話し合う機会を設けています。周りに感化されて成長する人、自分の力で伸びる人などがいますが、どのタイプにもできる限りのサポートをしたいと思っています。

また、モチベーションをコントロールできるスキルを身につけられるように支援しています。どのようなときにやる気が下がるのか自己理解を深めて対策を立てることで、モチベーションを維持できるようにしています。

これから弊社に入社するのは、さまざまな選択肢があるなかで弊社で働くことを選んでくれた方々ということでしょう。ただせっかく入ったからには、「Ultimate Lifeの仕事に全力で取り組む」という思いで来てほしいですね。その思いに応えられるように、私も全力でフォローします。

ーー最後に今後の目標をお聞かせください。

田中悠貴:
お客様の購買行動に合わせ、さまざまな販売チャネルで商品を提供していきたいと考えています。特にプロテインなどを取り扱う「GronG」はEC販売がメインでしたが、ドラッグストアなど実店舗の販売にも力を入れてまいります。

また弊社ではプロテインブランド「DELICIOUS FIT(デリシャスフィット)」も展開しています。オフラインの販路拡大とマルチブランド戦略により、商品の買いやすさを高めつつ、より幅広い健康ニーズの充足を目指します。そしてUltimate Lifeを基点として、従業員やお客様の人生を豊かにするお手伝いができればと思っています。私自身も会社とともにこれからの人生を楽しく駆け抜けていきたいですね。

編集後記

会社を立ち上げるために、寝る間を惜しんで働き、勉強を続けるなど、田中社長のバイタリティの高さに感服する。仕事を楽しむことが原動力となり、会社の成長につながっているのだと感じた。お客様の声に真摯に向き合い、人々が求める商品やサービスを提供する株式会社Ultimate Lifeはこれからも止まることなく成長し続けていく。

田中悠貴/和歌山県出身。2010年に森ノ宮医療学園専門学校を卒業後、柔道整復師として接骨院で勤務。施術の傍ら、中古品のオンライン販売をおこなう。接骨院の院長を務めたのち、中古品販売の好調を受け、2013年に株式会社Ultimate Lifeを設立。代表取締役に就任。