
防水・大規模改修工事を主軸に、近年はリノベーション再販事業にも乗り出す株式会社ユニバーサル建装。「ちゃんとやる」という誠実さを武器に顧客からの信頼を獲得し、SNSでは「日本一変わってる外壁工事屋さん」として独自のブランディングを展開している。常に変化を恐れず、10年後の売上高150億円という壮大な目標を掲げる同社。今回、代表取締役の村上祐介氏にこれまでの軌跡と未来への展望について、話をうかがった。
父の背中を見て職人の道へ 独立までの軌跡
ーー社会人としてのキャリアはどのようにスタートされたのでしょうか。
村上祐介:
もともと父親が塗装工事の会社を経営しており、中学生の頃にはアルバイトで現場を手伝いました。高校生になると周りが車の話を始め、改造費を稼ぎたいという思いもあったため、卒業後は自然な流れで父の会社に入りました。当時は明確な目標があったわけではなく、漠然と職人としての道を歩み始めました。
ーー独立に至った経緯について、お聞かせください。
村上祐介:
仕事を始めてから3年ほど経った頃には技術が身につき、頼られることが増えました。自分の実力を試すために転職するという選択肢もあったと思います。しかし、当時はすぐに会社を辞めることは「根性のないやつ」と見なされるような風潮が、特に地元の狭いコミュニティの中には強くありました。
結果として「辞めたいけど、次に行くあてもない」という状況だったため、半ば流されるような形で28歳で独立しました。独立を後押ししたのは、技術への自信です。周りの職人よりも自分の方が丁寧に、高品質な仕事ができるという自負がありました。
28歳で独立し、当初は法人化の知識もなく、しばらく個人事業主として活動していました。その後、35歳で法人化しました。しかし、発泡ウレタン事業を始めるまで、正直、「なんとなく」という感覚のままだったというのが実情です。
ーー独立後、特に印象に残っているエピソードはありますか。
村上祐介:
発泡ウレタン(建物の壁などに吹き付ける断熱材)の吹き付け事業が本当に大変でした。最初の1年間は、機械の調子が悪く、スプレーが正常に出ない日々が続いたのです。同業者に電話で聞いても原因が分からず、夜通し作業して朝を迎えることも珍しくありませんでした。
しかし、機械の分解・組立を繰り返したおかげで、誰よりも機械の構造に詳しくなりました。今ではトラブルが起きてもすぐに原因を特定し、対処できます。その苦労が、結果的に大きな強みになりました。
ーー事業経験の中で、今も大切にされている教えについて教えてください。
村上祐介:
父からは「仕事は断るな」とよく言われていました。当時は他社との明確な差別化ができていなかったこともあり、一度断れば仕事が他社に流れてしまうという危機感があったのだと思います。ただ、今になって思うのは、来た仕事を断らずにやり遂げようとすることで、自分たちのキャパシティは広がっていくということです。この教えは、現在の経営にも通じる大切な考え方として残っています。
作業への徹底的なこだわりと信頼の獲得

ーー改めて、貴社の事業内容についてお聞かせいただけますか。
村上祐介:
メインは防水工事や大規模改修工事で、売上高の約7割を占めています。それに加え、最近では中古マンションを安価で仕入れ、自社でリノベーションして再販する事業も始めました。こちらはまだ始まったばかりですが、事業として成立する手応えを感じており、今後伸ばしていきたい分野の一つです。
ーー多くの同業他社がある中で、貴社が選ばれる理由は何だとお考えですか。
村上祐介:
「ちゃんとやる」。これに尽きると考えています。当たり前のことですが、この業界では顧客目線に立てていないケースが少なくありません。私たちは、一つひとつの作業にこだわり、誠実に向き合うことを徹底しています。クレームに対しても逃げずに最後まで対応する、そうした姿勢が信頼につながっているのです。
SNSで「日本一変わってる外壁工事屋さん」と名乗っているのも、常に良いと思ったものを柔軟に取り入れ、変化を恐れずに新しいものを取り入れていくという姿勢を表しています。
変化を恐れず未来を描く 10年後を見据えた壮大な目標と挑戦
ーー今後の事業展開について、具体的な目標やビジョンを教えてください。
村上祐介:
10年後に売上高150億円、従業員数200名体制を築くことを目標に掲げています。現在の社員は4名ですから、非常に大きな挑戦です。しかし、業界の先人たちが達成しているのですから、不可能なことではないはずです。せっかく時間をかけて仕事をするなら、その頂を目指してみたいと考えています。
その目標を達成するために、まずはブランディングの強化が急務です。SNSやメディア露出を増やすことで、会社の実際の規模以上に魅力を伝え、採用や集客につなげていきたいと考えています。
また、事業を拡大していくためには、人の力が最も重要だと考えています。そのため、採用面では優秀な人材に興味を持ってもらうことが不可欠です。将来的には、優秀な人材が多い東京にも拠点を構えたいと考えています。
ーー今後の組織拡大に向けて、どのような方々と一緒に働きたいとお考えですか。
村上祐介:
経験は問いません。それよりも、志を高く持ち、一緒に成長していける仲間を求めています。私自身、塗装のプロではあっても、経営のすべてを担えるわけではありません。営業や採用、組織づくりなど、それぞれの分野のプロフェッショナルと協力しながら会社を大きくしていきたいです。仲間を集めて大きな目標に向かっていく。そんなエキサイティングな旅を共に楽しめる方と、ぜひ一緒に働きたいです。
編集後記
「仕事は断らない」という信念を貫く村上氏は、発泡ウレタン事業の苦難の経験を乗り越え、誰も真似できない機械構造のプロという強みを築き上げた。その技術者魂が、顧客目線を徹底する「ちゃんとやる」という姿勢となり、同業他社との確かな差別化を生んでいる。現在の企業規模から見れば壮大とも言える10年で売上高150億円という目標は、村上氏にとって達成すべき頂を目指す冒険だ。経験を問わず、志を高く持つ仲間を求める同社は、まさに変革期の新たなスタート地点にある。このエキサイティングな成長の旅路が、今後どのように展開していくのか、その動向に注目が集まる。

村上祐介/大阪府生まれ。建築塗装・防水工事の現場経験を経て、株式会社ユニバーサル建装を設立。住宅から大規模修繕まで幅広く手掛け、品質と仕組み化で成長を推進。採用・人材育成にも注力し、業界のイメージ刷新を目指している。