
コンサルティング業界の転職に特化し、業界随一の支援実績を持つプロフェッショナル集団、株式会社MyVision。2022年12月の事業開始から3年あまりで、従業員数300名を超える規模へと急成長を遂げている。代表取締役社長の山口翔平氏が目指すのは、コンサルティング業界への転職支援にとどまらない、ハイクラス向け総合エージェントとしての地位確立と、2028年の上場だ。なぜこれほどのスピードで組織を拡大し、質の高いサービスを提供し続けられるのか。山口氏がたどり着いた、人材業界の新たな勝ち筋に迫る。
顧客に寄り添う姿勢を培ったJTBでの原体験
ーーまずは、キャリアのスタートについてお聞かせください。
山口翔平:
大学卒業後、株式会社JTBに入社しました。旅行が好きだったこともありますが、「一生働くなら一番楽しいことを仕事にしたい」という思いが決め手でした。法人営業部門に配属され、修学旅行や社員旅行のほか、自治体主催のイベント支援など、多種多様な案件に携わらせていただきました。
ーー当時の経験で、今に活きていることはありますか。
山口翔平:
添乗員としてお客様と現地で時間を共にし、深い信頼関係を築けた経験です。「山口さんが言うなら次はこの国に行こう」と言っていただけるほど、お客様の期待に寄り添い、直接喜んでいただける。この時実感した「人と向き合う喜び」が、今の私のビジネスにおける顧客対応や信頼構築の揺るぎない根幹になっています。
我が子の誕生で痛感した人材業界の課題
ーーそこからどのようなキャリアを経て、起業に至ったのでしょうか。
山口翔平:
JTBの後はオリックス生命保険株式会社で、代理店向けの法人営業を2年ほど経験しました。その後、人材紹介会社に転職したのですが、当時は自分自身もキャリアに悩み、いわゆるジョブホッパーのような状態でした。
転機となったのは、子どもが生まれたことです。それをきっかけに「20年後の日本をより良くしたい」という思いが芽生えたとき、真っ先に改善すべきだと感じたのが、自身が身を置いていた人材業界の在り方でした。業界を見渡してみると、求職者のことを深く考えずに適当な案件を勧めるエージェントが少なくありませんでした。
私自身もそうでしたが、キャリアに悩んでいる人は本当に多いのが現状です。しかし、安易な転職を繰り返せば、本人の生産性が落ちるだけでなく、自己肯定感まで失われてしまいます。働く人が減っていく日本において、生産性の低下を放置することは国力の減退に直結するという強い危機感を覚えたことが、起業を意識した原点です。
ーー組織として、どのようなアプローチで業界の課題を解決しようと考えたのですか。
山口翔平:
個人のスキルに依存するのではなく、正しいノウハウを「組織として仕組み化する」ことです。私は前職時代、ありがたいことに成果を残すことができましたが、決して特別な魔法を使っていたわけではありません。当たり前のことを徹底していただけです。
優秀な先輩方から学んだ「本質的なキャリア支援」のノウハウを、私一人の中だけで終わらせるのではなく、組織として仕組み化する。そうすることで、質の高いサービスがより多くの人に広がり、結果として業界全体のレベルを底上げできると考え、組織化・拡大を前提とした起業を決意しました。
「システム×マーケ×人」が実現する圧倒的な支援品質
ーー急成長を支える、貴社の具体的な強みについて教えてください。
山口翔平:
弊社の強みは、「システム」「マーケティング」「人」の3つが高い次元でかけ合わさっている点にあります。特にシステムに関しては、CTO(最高技術責任者)を中心にすべて自社で内製化しています。徹底したシステム化によって事務作業などのオペレーション時間を大幅に削減した結果、一人の求職者様に対して、他社のエージェントの倍以上の時間を割ける体制を構築できました。
ーー効率化によって生まれた時間は、具体的にどのような価値に変わるのでしょうか。
山口翔平:
優秀なメンバーが、求職者様のキャリアとじっくり向き合うための時間に充てられます。弊社には、戦略コンサルティングファームや大手商社、証券会社などの出身者が多数在籍していますが、彼らのような優秀な人材がその能力を最大限に発揮するためには、システムで無駄を省き、対話に集中できる環境が不可欠です。
デジタルマーケティングで集客した方々に対し、システムで効率を上げ、最後は「人」が質の高いサービスを提供する。この構造があるからこそ、一過性の転職支援ではない、本質的なキャリアサポートが実現できているのだと自負しています。
3年で1000名体制へ 目指すは日本一のエージェント

ーー今後の展望をお聞かせください。
山口翔平:
まずは3年後に従業員数1000名体制を目指しています。現在は、コンサルティング業界だけでなく、ITエンジニア、管理部門、営業職、建設・製造業など、あらゆる業界へと支援領域を急速に広げているフェーズです。
これまでは「コンサルに強いエージェント」というイメージを持たれることが多かったのですが、今後は全業界の企業様との取引を拡大し、「ハイクラス層に向けた総合エージェント」としてのブランドを確立させていきたいと考えています。
ーー事業としての最終的な目標を教えてください。
山口翔平:
大きなマイルストーンとして、2028年の上場を計画しています。現在はそこに向けて順調に進んでいますが、上場はあくまで通過点に過ぎません。私たちの真の目標は、日本一のエージェントになることです。
求職者様一人ひとりの軸に合った最適なキャリアを提案し続けることで、働く人が幸せになり、企業の生産性が向上する。そんな好循環を日本中に広げていきたいと考えています。
編集後記
人材紹介の仕組みを徹底的に解明し、個人の経験則に頼らない「組織としての勝ち方」を確立させた山口氏。その根底にはJTB時代に培ったホスピタリティと、徹底した合理化を推進するシステム思考がある。相反するようにも見えるこの二つが高い次元で融合している点こそが、同社の強みといえるだろう。20年後の日本を見据え、加速度的に成長を続ける同社の飛躍が楽しみだ。

山口翔平/早稲田大学を卒業後、株式会社JTBにて法人営業に従事。その後オリックス生命保険株式会社における代理店営業を経て、コンサル・M&A特化の人材紹介会社へ入社。人材紹介業界に変革を起こし、より多くの求職者様に質の高いサービスを提供したいという思いから、2022年に株式会社MyVisionを設立。