※本ページ内の情報は2026年4月時点のものです。

日本最大級の婚活パーティー情報サイトの運営を行う株式会社オミカレ。同社は現在、安定した収益基盤を確立した状態から、さらなる飛躍を目指す「第二次創業期」を迎えている。2025年11月に代表取締役に就任した久留宮雅仁氏は、リクルートで15年以上のキャリアを積み、緻密な組織マネジメントと事業目線を培ってきた人物だ。同氏は既存の閉じた婚活市場を拡張し、異業種を巻き込んだ新たなエコシステムの構築、そして「成婚」というラストワンマイルまで見据えた価値創造を目指している。純粋な情熱と自律性を重んじる同氏に、これまでのキャリアの歩みと、次世代に向けた組織変革の展望をうかがった。

自己成長から事業貢献へ リクルートで得たリーダーの原点

ーー社会人としてのスタートはどのように切られたのでしょうか。

久留宮雅仁:
実は学生の頃から「将来は起業したい」と漠然と考えていました。そのため、社会人としての第一歩は「自分が最も成長できる環境」を選ぼうと決めていたんです。選択肢には内外資の大手商社や広告代理店にコンサル、中小ベンチャー企業までありましたが、ロールモデルとなる存在を徹底的に模倣して学べる大企業と、自立して若い時分からいろんな経験が積めるベンチャー。そんな風に考えてバランスが一番良いと思ったのがリクルートでした。

また、いずれ独立するなら、多様な人材をまとめ上げるマネジメントスキルは身に着けておきたいと感じていました。当時のリクルートは、まさに良い意味で「動物園」のように個性豊かな人々が集まる場所。あえてカオスな環境に身を置くことで、マネジメントの多様性を肌で学ぶには最高の場所でした。

ーーリクルート時代に学んだことで、現在の経営にも活きているものはありますか。

久留宮雅仁:
一言で言えば「戦略と組織の設計」です。例えば、事業が目指すゴールがあって、そこに向けた戦略があり、組織ごとの役割がある。そして、メンバー一人ひとりのミッションへと繋がっていくという「縦のライン」をどう作るか。一方で、リクルートでは組織間の連携-ヨコのライン-を生み出すコミュニケーションの仕組み・インフラが設計されていました。そして、戦略の立案から、それを実行・管理する仕組みまでを「縦と横」で一体化させる「会議体」。この組合せ、フレームワークは組織が大きくなるほど生産性に直結します。オミカレでの組織戦略策定にあたって、これらの学びは大きく活かされているところだと思います。

ーーご自身のキャリアにおいて転機となった出来事はありましたか。

久留宮雅仁:
20代後半、結婚情報誌「ゼクシィ」の新商品推進プロジェクトで、関西エリアのリーダーを任された時ですね。それまで、私の仕事の価値観や目的は、「自分がどう成長するか」「どうスキルを磨くか」という「自身の成長」にありました。しかしこの経験を通じて、「事業が成し遂げたいビジョンに対して、自分はどう貢献できるか」という視点に変わり、仕事の価値観が「コト」に変化していくことになりました。自分の成長は、あくまで事業を通じて社会に影響を与えることや実現したいことを成し遂げるための手段の一つにすぎない。この「コトに向かう意識」が、現在の私のリーダーシップの原点であり、私の仕事をする意味になっています。

代表就任と「第二次創業期」としての使命

ーーその後、どのような経緯で貴社の代表に就任されたのでしょうか。

久留宮雅仁:
リクルートを離れた後はコンサルティング事業の子会社立上げに関わっていたのですが、次なる挑戦を考えていたタイミングで、たまたまヘッドハンターから声をかけてもらったのがきっかけです。弊社は、前社長の体制時にコロナ禍の荒波を乗り越え、すでに安定した収益基盤を固めていました。そこで私が担うべき役割は、その土台の上でさらなる成長角度を描くこと、いわば「第二次創業期」を牽引することだと理解して、就任を決めました。

ーー就任後、組織に対してはどのようなアプローチを行っていますか。

久留宮雅仁:
ここまでの3ヶ月間については、個々人がバラバラに動く「個人商店」のような状態からの脱却をはかり、事業運営基盤の再構築に取り組みました。

まずは、組織として戦略的にスピード感をもって成果を出すために、役割分担を明確にして「誰が」「どの」目標に責任を持つのかをはっきりさせる必要がありました。

また、現場の小さな困りごとや大切な情報が埋もれないよう、報告ルートや会議のあり方をルール化しました。これにより、トラブルが起きそうなときも先回りして対策を打てる、健全な組織に変わりつつあります。

さらに、チェックすべき数字(KPI)を見直し、いつでも状況が可視化できるダッシュボードを整えました。感覚ではなく、数字という共通言語で会話できる仕組みづくりによって、より精度の高い判断を下すことのできる経営体制を目指しています。

「閉じたマーケット」を開放し、トキメキを全国へ

ーー今後の婚活マーケットについて、どのようなビジョンを描いていますか。

久留宮雅仁:
今の婚活市場は、婚活サービスの提供側とそれを利用するカスタマーだけで完結する「閉じたマーケット」状態といえます。これを、もっとオープンで広いものに拡張していきたいですね。例えば、お相手探しに向けた自分磨きやコミュニケーション術、あるいは資産形成の知識の習得など、異業種が参入できるチャンスをどんどん増やしていきたい。「カスタマーサイドの需要があるから供給する」だけでなく、「クライアントからの魅力的な提案・供給が、新たな需要を掘り起こす」という循環もあると考えているんです。

マーケットを成長させるためには、供給側のバリエーションが不可欠です。居酒屋やレストランで、お仕事帰りにふらっと参加できるパーティなど、多様な選択肢を増やすことで、参加者が「ワクワクできる場」を増やしていきたい。私たちが目指しているのは、単に出会いの場を提供することではありません。データやそれに基づいた企画・設計によって「トキメキ」を戦略的に創出して届けること。それにより、マーケット全体をさらに盛り上げていきたいと考えています。

ーーサービスとしての今後の展望はいかがでしょうか。

久留宮雅仁:
私たちは現在、出会いの「きっかけ」の段階を提供するプラットフォームですが、真剣な出会いを探すカスタマーの最終ゴールはあくまで「成婚」です。単なる出会い提供だけでなく、成婚というゴールへの最後のひと押しまで責任を持てるサービスへ進化させていきたいですね。

また、近年は全国の自治体との婚活支援に関する連携も広がっています。今後は官民の垣根を超えて地域の社会課題解決に深く携わると同時に、地元企業と共にビジネスを成長させていくような、伴走型の支援も強化していきたいと考えています。

ーー最後に、これから一緒に働く仲間に向けたメッセージをお願いします。

久留宮雅仁:
私たちは、「婚活マーケットを成長させたい」というピュアな思いを持って、サービスを提供しています。このこだわりに共感し、共に未知の領域へ挑戦してくれる仲間をお待ちしています。また、ただ「仲の良い」だけの組織ではなく、一人ひとりが自らのミッションに責任を持ち、自律的に動く「プロフェッショナルの集合体」でありたい、そう考えています。個性を武器に、私たちと一緒に新しいオミカレをつくっていきましょう。

編集後記

同社の「第二次創業期」を牽引する久留宮氏。リクルート時代に培った緻密な組織マネジメントの視点と、婚活マーケット全体を俯瞰する広い視野が印象的だった。既存の枠組みにとらわれず、異業種をも巻き込みながら市場を拡張していくダイナミズム。そして何より、顧客の「成婚」にどこまでも寄り添おうとするピュアな情熱と、地方創生という社会課題に向き合う姿勢が、同社のさらなる飛躍を予感させる。自律した個の力が結集し、婚活という社会課題に新たな解を提示していく同社の未来に期待したい。

久留宮雅仁/新卒で株式会社リクルートに入社。「ゼクシィ」の広告営業をはじめ、マーケティング、新商品開発に従事。マネージャー、部長とキャリアを積み、事業戦略策定・組織作り・人材育成に携わる。2024年1月、株式会社ライトカフェのグループ子会社、株式会社bySTRADの立ち上げに参画、取締役副社長に就任。企業ビジョンの策定や各種制度設計を担う。2025年11月1日、株式会社オミカレの代表取締役社長に就任。