
AI検索(AIO)対策を掲げる企業が急増する中、その多くが従来のSEO対策の延長線上に留まっている。こうした現状に対し、全く異なるアプローチを提唱するのはリブランディング株式会社だ。同社が実践するのは、SEOやMEO、そして風評被害対策までを統合した包括的なマーケティング戦略である。AIに選ばれるためには、単なるライティングの継続ではなく、システム開発までをも含めた「唯一無二のポジション」の確立が不可欠であると、代表取締役の菊地氏は提言している。自社に技術部隊を擁して独自のシステムを構築し、徹底して顧客の利益にこだわる菊地氏。AI検索の分野でNo.1を目指す同氏の戦略と、その根底にある揺るぎない思いに迫った。
独自の知見を活かし 自然な流れで起業の道へ
ーー起業のきっかけについて、お聞かせください。
菊地将:
もともと掲示板サイトやクチコミサイトの仕組みに対する知見があり、ネガティブな情報の対策やSEOを得意としていました。そのため、大学卒業後に企業へ就職するという道は選ばず、自分が持っているスキルをそのまま活かす形で、自然な流れで起業に至りました。特に「絶対にこうなりたい」というような強い動機があったわけではありません。ただ、当時から掲示板・クチコミの世界は不透明で、事実と異なる情報が企業や個人を傷つける構造には問題意識がありました。得意なことを事業化したという感覚に近いですが、その原体験が今の本質的なアプローチにつながっています。
ーー独立後、現在の事業に至るまでにはどのような経緯があったのでしょうか。
菊地将:
2024年の社名変更を機に、「AIO(AI検索対策)」を軸に、企業の"選ばれる構造"そのものを再設計する領域に一本化することを決めました。
その背景には、世の中のマーケティング手法に対する違和感がありました。多くの会社が場当たり的な対策で終わってしまい、クライアントの利益につながっていない。そこで、私たちが培ってきたデジタルリスク対策や開発力を結集し、企業そのものの価値を再定義して発信していくスタイルに行き着きました。
ーー貴社が考える、これからのネット時代に必要な対策は何でしょうか。
菊地将:
多くのSEO会社が「AIO対策もできます」と謳っていますが、一般的な手法は結局、SEO記事のライティングをはじめとする既存のSEO対策の延長線上でしかありません。しかし、AI検索の仕組みを深く理解すれば、それだけでは不十分なことがわかります。
AI検索、あるいはSGE(Search Generative Experience)と呼ばれるものは、ウェブサイトの情報だけでなく、Googleビジネスプロフィールや「クチコミ」の内容を色濃く反映します。たとえば、ある企業について検索したとき、公式サイトには載っていないようなネガティブな評判や、事実とは異なる噂が回答に含められてしまうことがあります。ネット上のクチコミをAIが拾い上げてしまうからです。つまりAIに引用・推薦されるには、自社で発信する媒体(オウンドメディア)と、第三者からの評価(クチコミ・比較記事)の両方をコントロールする必要があるのです。
ーーでは具体的にどのような対策が必要になるのでしょうか。
菊地将:
AIO対策にはSEOだけでなく、MEO、「クチコミ対策(風評被害対策)」、そして企業自ら情報を発信するオウンドメディア──これらをすべて統合して行う必要があります。
弊社はもともと風評被害対策を発祥としており、SEO・MEO・SNSなどあらゆる媒体での"削除"を手がけてきました。これが単一領域しか扱ってこなかった既存のSEO業者・MEO業者にはない土台です。既存のSEO業者の多くは「良い記事を書いてネガティブな情報を押し下げましょう」と提案しますが、AIが複数の媒体から情報を統合して回答する以上、それでは根本的な解決になりません。
弊社は、Googleのガイドラインに沿った正しいMEO対策を行い、さらにネガティブなクチコミの削除申請や、良質なクチコミを増やす施策までワンストップで提供しています。ここまで対応できる会社は、業界でもほとんどないと自負しています。
システム開発力が生む「業界唯一」のポジション

ーー貴社が他社と決定的に異なる強みはどこにあるのでしょうか。
菊地将:
AI検索で選ばれるためには、有名な会社か優れた会社、あるいは独自性のある会社である必要があります。たとえば「おすすめのスニーカー」と聞けば、AIはナイキやアディダスを挙げますよね。ビジネスにおいても、AIに参照されるためには唯一無二のポジションを確立しなければなりません。
私たちの出発点は「風評被害対策」です。SEO・MEO・SNSあらゆる媒体での削除要望に応え続けてきた結果、AIが引用するすべての媒体を横断して設計できる視点が身につきました。これは単一領域しか扱ってこなかった会社にはないものです。
さらにもう一つ、自社でシステムやアプリを開発できることも大きな強みです。その実績の一つが「デジタルリスクCLOUD」──デジタルリスク対策業界の中で唯一のSaaS(Software as a Service)プロダクトです。
ーー「唯一のツール」を持っていることが、AI対策になるのですか。
菊地将:
業界唯一のツールを提供している会社として、さまざまな比較サイトやメディアに掲載されやすくなるからです。他社にはない独自のリソースがあることで、自然とウェブ上での言及数が増え、AIからの信頼度も高まります。
ただ記事を書いて小手先で順位を上げるのではなく、開発力を活かしてサービスをつくり、リブランディングを行う。そうやって企業としての格を上げることが、結果として最強のAIO対策になるのです。
開発力×突飛な発想でAIを活用した独自のプロダクト展開
ーー直近では具体的にどのようなプロダクトを展開されていますか。
菊地将:
2026年2月に「クチコミ増えるくん」というツールをリリースしました。これはAI検索で評価される"第三者からの声"を、自然な形で積み上げていくための武器です。お客様にアンケートに答えてもらうだけで、AIが自動的にクチコミ文章を作成してくれます。「クチコミを書きたいけど文章を考えるのが面倒」というユーザーの負担を減らし、企業が自然な形で良質な評価を集められるよう支援します。
さらに今後は、ネガティブなクチコミへの対策を支援するツールや、ビジネスプロフィールの改ざんを防ぐ管理ツールなども展開予定です。こうした武器を自社でつくれることが、私たちの強みです。
ーー御社は集客支援だけでなく、採用コンサルティングも手がけていらっしゃいますね。
菊地将:
集客と採用は、実はまったく同じ構造なんです。求職者も「〇〇 評判」「〇〇 年収」で検索し、クチコミサイトを見て応募するかどうかを決める。見られている情報が集客側とほぼ同じなんですね。
だから私たちは、集客のために築いてきた"選ばれる構造"の設計をそのまま採用領域にも適用しています。採用サイトやオウンドメディアでの自社発信と、OpenWork等の第三者媒体の両方を整える。これによって応募の歩留まりが改善していきます。
ーー今後の事業拡大に向けて、どのような人材を求めていますか。
菊地将:
私たちが求めているのは、お客様のためにアイデアを出せる人です。アイデアを生み出すためには、普段からアンテナを張り巡らせ、さまざまなジャンルの知識をインプットしておく必要があります。日々の情報収集を怠らず、柔軟な発想でクライアントのビジネスに向き合える人と働きたいですね。
ーーアイデアを具現化するため、組織としてどのようなサポート体制を整えているのでしょうか。
菊地将:
アイデアをどう実現するか、開発はどうするかといった現実的な詰めは必要です。しかし、最初から枠に収まっていては面白い仕事はできません。実現可能性の壁は、会社のリソースでいくらでも突破できます。
弊社では、ノウハウを持ったメンバーが他のメンバーに知識を共有する、任意参加の勉強会を定期的に開催しています。そこでは営業メンバーがホームページ制作を学んだり、マーケティングを研究したりと、スキルアップできる環境も整えています。自分のアイデアを形にし、顧客のビジネスそのものを変革したいという意欲的な方には、最高の環境だと思います。
編集後記
既存のマーケティング手法に違和感を抱き、常に本質を問い続ける菊地氏。小手先のテクニックではなく、システム開発やクチコミ対策までをも統合し、企業の「格」そのものを上げるアプローチは極めて本質的である。枠に収まらない発想を形にする開発力と、社内勉強会を自ら主宰しメンバーの成長を促す熱意。徹底して実体のある価値を追求する同社の挑戦は、AI時代の新たなスタンダードをつくり出すに違いない。

菊地将/1992年神奈川県生まれ、成蹊大学卒。大学卒業直前の2016年1月にリブランディング株式会社を創業。企業の集客課題・採用課題に対してカスタムオーダーの解決策を提供。。最新のAIO(LLMO)対策による独自の集客体制構築に注力している。クチコミ対策SaaSの「デジタルリスクCLOUD」や「クチコミ増えるくん」を提供し、企業や店舗のレピュテーション向上にも寄与している。