※本ページ内の情報は2026年5月時点のものです。

大学卒業後、未知のビジネスモデルに惹かれ、株式会社タカヨシ(現・株式会社タカヨシホールディングス)に入社した黒田智也氏。入社からわずか数ヶ月で店長を任され、遠隔地における1号店立ち上げも多数経験。現在は株式会社タカヨシホールディングスの代表取締役社長として、独自の販売網「わくわく広場」を展開している。自社を「リアル版Amazon」と定義し、生産者と消費者を直接結びつける仕組みはどのような価値を生んでいるのか。「失敗は若者の特権」と語る同氏の仕事への信念とこれからの展望に迫る。

やれるところまでやりたい上昇志向と変化の追求

ーー入社当時のエピソードをお聞かせいただけますか。

黒田智也:
大学卒業後、株式会社タカヨシ(現・株式会社タカヨシホールディングス)に入社しました。就職活動中の合同説明会で弊社の話を聞き、当時はまだ珍しかった「直売」というビジネスモデルに魅力を感じたことが入社の決め手です。私自身は日常的に料理をするタイプではありませんでしたが、地元の農産物などが並ぶ場所を提供する独自のビジネススタイルに面白さを覚えました。入社後は店舗のパート従業員から基礎を学び、わずか3〜4ヶ月で新店舗の立ち上げとなる店長業務を任されました。

ーーそこからどのように仕事の幅を広げていかれたのでしょうか。

黒田智也:
当時は手取り足取り教えてもらえる環境ではなく、各所に問い合わせながら、店舗運営に必要な実務の隅々までを必死に習得しました。その後も、千葉県を拠点としていた弊社が、静岡や九州などの遠隔地へ1号店を出店する際にも、その立ち上げに深く携わってきました。

私は昔から同じことの繰り返しを好まない性分です。常に「目一杯やれるところまでやりたい」という上昇志向と意欲を持ち、自分の仕事の幅を決めつけず、未知の領域にも飛び込んできました。変化を追求するその姿勢が、現在のキャリアを築く礎となっています。

「失敗は若者の特権」徹底したポジティブ思考が個人の領域を広げる

ーー数々の挑戦を経て、仕事に対してどのような信念を抱くようになりましたか。

黒田智也:
徹底してポジティブに考える思考法です。「仕事において挫折しない人間はいない」という前提に立ち、失敗を悔やむのではなく、次にどう活かすかを考えています。挑戦すれば壁にぶつかり、叱責されるのは当然のこと。それを乗り越える方法を模索し続ける姿勢こそが、成長には欠かせません。

ーー若い世代に向けたアドバイスをいただけますか。

黒田智也:
「失敗は若者の特権」です。失敗を恐れて小さくまとまるよりも、思い切って挑戦して壁にぶつかる方が、結果的に個人の領域を大きく広げます。頭で考えるだけでなく、まずは行動に移す。前向きに挑戦し、もし失敗したとしてもその原因を分析し、学び続ける人が最も成長すると確信しています。

「わくわく広場」が提供する圧倒的な鮮度とここでしか買えない価値

ーー主力事業である「わくわく広場」について教えてください。

黒田智也:
私たちは自社を「リアル版Amazon」のようなプラットフォームと定義しています。生産者に場所を貸し、売上に応じた手数料を得る形式で、地域の農家や飲食店の商品を販売する仕組みを整えました。

ーースーパーマーケットとはどのような違いがあるのでしょうか。

黒田智也:
最も大きな違いは圧倒的な鮮度です。朝採れの野菜をその日のうちに提供することへ徹底的にこだわっています。インターネット通販では実現が難しい、実店舗ならではの鮮度にこだわっています。

また、ここでしか買えない価値の提供も重視しています。通年で同じ野菜を揃えるのではなく、季節感のある商品や地域の飲食店がつくるお弁当、形は不揃いでも味が良く鮮度のある野菜など、他とは違う商品が並んでいます。お客様には、ご自身の好みに合わせてスーパーマーケットと弊社を使い分けていただければと考えています。

生産者や新規就農者が少ないコストとリスクで挑戦できる場へ

ーー商品を納品する生産者にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

黒田智也:
最大の利点は、生産者自身が価格や数量を自由に決定できることです。時間の指定もないため、個々の都合に合わせて無理なく出品していただけます。1個からでも可能であり、兼業農家の方々にも広く活用されています。

ーー貴社のプラットフォームを活用する最大の意義は何だとお考えですか。

黒田智也:
通常、自らの店舗を構えるには多額の資金を要します。しかし私たちの店舗を利用すれば、たとえ商品が売れ残るロスが出たとしても、少額の負担で済みます。少ないコストとリスクで新しい市場にチャレンジできる場として、大きな価値を提供できていると自負しているのです。今後も店舗網と認知度を拡大し、新たな挑戦を志す生産者を一人でも多く後押ししていきたいと考えています。

編集後記

「失敗は若者の特権」と力強く語る黒田氏の言葉には、自ら現場の最前線で壁を乗り越えてきた確かな説得力が宿る。スーパーマーケットとは明確に異なる「鮮度」と「ここでしか買えない価値」を武器に、生産者と消費者の双方に利益をもたらす独自のプラットフォーム戦略は、地域経済を活性化する大きな可能性を秘めている。現状に甘んじることなく、常に変化と挑戦を追求し続ける同社が、これからどのような進化を遂げていくのか期待が高まる。

黒田智也/1980年千葉県出身、駒澤大学卒業。株式会社タカヨシ(現・株式会社タカヨシホールディングス)入社。2022年4月に同社代表取締役社長に就任。