※本ページ内の情報は2026年5月時点のものです。

paiza株式会社は、IT人材向け国内最大級の学習・研修・就活・転職プラットフォーム「paiza(パイザ)」を運営する会社だ。2025年11月、同社の新代表取締役社長/CEOに就任したのが舘康人氏。リクルート時代には中国・アジアでの事業立ち上げを牽引し、経営トップとして新規事業創出から事業再生まで幅広い経験を持つ。起業も視野にあった中、なぜ舘氏はpaizaを選んだのか。非エンジニア社長だからこそ見える視点と、「異能をのばせ。」というコンセプトに込められた組織づくりの真髄、そしてIT人材ファーストを掲げる同社の未来図に迫る。

リクルートでの原体験とアジアで挑んだ「0→1」の事業創出

ーーまずは、社長のキャリアの原点についてお聞かせいただけますか。

舘康人:
就職活動の際、企業と人がマッチングして新たな価値が生まれる瞬間に強く惹かれ、ファーストキャリアとして株式会社リクルートを選びました。入社してからは、営業としてエネルギッシュに活動しながらも、自分たちの手で企画をつくり上げ、世の中にコンテンツを届ける面白さを知りました。自分が関わったサービスによって誰かが転職し、その人の人生が変わり、採用した会社の未来も変わっていく。チームワークでビジネスを動かし、世の中に大きな価値を生み出すという原体験は、私の中で非常に大きな財産になっています。

ーーその後、特にご自身の転機になった出来事はありますか。

舘康人:
大きな転機になったのは、中国やアジア各国への事業展開を任されたことです。国内を飛び出し、海外でゼロから事業をつくる「0→1」のフェーズから、既存事業の立て直しまで、さまざまな修羅場を経験させてもらいました。当時のリクルートは有利子負債の返済フェーズから成長投資フェーズに切り替わるタイミングで、やる気のある人間に大きな裁量が任されるような環境だったのです。中国が世界の工場から世界のマーケットへと変化し始める2000年代のダイナミズムの中で、事業をスケールさせる難しさと面白さを骨の髄まで味わいました。その中で強く感じたのは、国や環境が違っても、事業成長の根幹には常に「人の力と組織の熱量」があるということです。

非エンジニアだからこそ描ける「学習とキャリアの完全融合」

ーーなぜ貴社へ入社するに至ったのですか。

舘康人:
「paiza」が持つプラットフォームとしての圧倒的な可能性に何より惹きつけられたためです。私は自身が非エンジニアであり、いわば異業種からの参画です。しかし、非エンジニア社長の視点だからこそ、客観的にIT業界の課題や、学習する側・採用する側の双方が抱えるペインを見極め、フラットに事業を描くことができると考えています。

ーー貴社の強みや可能性について教えてください。

舘康人:
最大の強みは、「学習とキャリアの完全融合」を実現できる点とIT人材のキャリアに長く伴走することができる点です。一般的なプログラミングの教材は勉強して終わりになりがちですが、弊社が提供するのは、スキルアップがそのまま就職やキャリアアップの可能性に直結する仕組みです。今後はさらにAI技術の進化なども見据えながら、より効率的で実践的な学習コンテンツを拡充していきます。また、これまで以上に企業のDXを根底から支える仕組みへとプラットフォームを進化させ、学習から採用、定着までを一気通貫で支援する新たな価値提供を始めています。

「凸(でこ)」を圧倒的に伸ばしIT人材ファーストな世界へ

ーー貴社が掲げている「異能をのばせ。」というコンセプトへの思いをお聞かせください。

舘康人:
マネジメントにおいて、私はよく「凸凹(でこぼこ)」の話をします。人には誰しも得意なことと苦手なことがありますよね。多くの組織は苦手な部分である「凹(ぼこ)」に着眼させ、改善させることに注力しがちですが、私は「凹(ぼこ)」は致命傷にならない程度にフォローし、その人の「凸(でこ)」を見つけて圧倒的に伸ばしてあげることこそが異能を開花させるアプローチであり、リーダーの役割だと考えています。

paizaの「異能をのばせ」という言葉には、まさにその思いが込められています。一人一人の尖った強みを見出し、それを最大限に発揮できる環境をつくること。これが私の信じるマネジメントです。

ーー最後に3〜5年後を見据えた近い将来の展望をお話いただけますか。

舘康人:
目指すのは、徹底した「IT人材ファースト」の実現です。私が持つリクルート流の事業開発や組織スケールのノウハウと、paizaが持つIT人材への深いリスペクトを融合させ、人と企業が絶え間なく成長し合える唯一無二のプラットフォームを構築していきます。IT人材の可能性を最大化し、彼らが人生を大きく変化させ、ワクワクしながら社会を変えていける。そんな未来を、仲間たちと共につくり上げていきます。

編集後記

リクルート時代に培った「価値を世に問う」泥臭さと、海外市場でのスケール感。舘氏の言葉の端々からは、事業成長のリアルを知り尽くした経営者としての凄みがにじみ出ていた。非エンジニアという客観的視点を持ちながらも、誰よりも「IT人材ファースト」を掲げるその姿勢は非常に力強い。「凹(ぼこ)を無理に伸ばすのではなく、凸(でこ)を圧倒的に伸ばす」というマネジメント論は、あらゆる組織のリーダーにとって金言だろう。「学習とキャリアの完全融合」を通じ、リクルート流の組織スケールとpaizaのエンジニアリスペクトが融合した先で、同社がどのような未来を切り拓くのか。さらなる飛躍から目が離せない。

舘康人/1978年、東京都出身。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、2002年株式会社リクルート(現・株式会社リクルートホールディングス)に入社。中国上海での人材紹介事業立ち上げを皮切りに、アジア8カ国の展開を牽引。株式会社リクルートホールディングス経営企画室長、株式会社リクルートメディカルキャリアの代表取締役社長などを経て、2025年11月、paiza株式会社の代表取締役社長/CEOに就任。