※本ページ内の情報は2026年7月時点のものです。

「店主の祈りをお届けする」思いで、ポスティング事業を展開する株式会社アドワールド。ただチラシを配るのではなく、「いかに反響を出すか」という広告主目線での運用を最大の強みとしている。高校卒業後に単身で大阪へ渡り、バーテンダーからキャリアをスタートさせたのが代表取締役の佐々木実氏だ。彼が語る、業界における信頼構築の重要性と、12年の蓄積から導き出された「黄金の法則」、そして多角化を見据えた今後の展望に迫った。

独り立ちしたかった バーテンダーから学んだ対人スキル

ーーまずはこれまでのご経歴をお聞かせください。

佐々木実:
高校卒業後、自立への強い思いから単身で大阪へ渡りました。その後19歳からの約5年間は、心斎橋でバーテンダーとして勤務しました。一人暮らしだったため「飲食店ならご飯が食べられる」と考えたことと、深夜帯の方が時給が高かったためです。どうせ働くなら一番目立つ場所が良いと考え、当時最も華やかだった心斎橋を選びました。

折しもバブル最終期であり、富裕層のお客様も多く来店されており、多様な大人の方々と接する中で自然と対人スキルを磨くことができました。また、この接客業での経験は、のちに営業職に就いた際にも大いに活きています。25歳までには昼間の職に就くと決めていたため、その後は広告代理店に入社し、営業の基礎を学びました。

広告主の気持ちがわかる 反響にこだわるポスティングの価値

ーー広告代理店での経験は、現在のポスティング事業にどう活きていますか。

佐々木実:
最大の強みである「広告主目線ですべての物事を考える体制」に直結しています。弊社はもともと、グループ親会社の集客力を高める目的で設立されました。そのため、いただいた予算でどう配布するかではなく、「いかに反響を出して喜んでいただくか」を第一に考えています。

業界全体としては、配布の確実性に対する不透明性が課題の一つでもありました。だからこそ、私たちは信頼できる外部企業と連携し、業界全体の信頼度を高めていきたいと考えているのです。

ーー紙のポスティングが持つ最大の価値とは何でしょうか。

佐々木実:
ダイレクトな反響が数値と実感という形で明確に表れる点です。デジタル広告は、視聴回数の増加が購買とどう結びついたのかという費用対効果が見えにくい場合があります。しかし紙のポスティングは、電話の件数や来店人数などの結果がダイレクトに表れます。アナログな手法だからこそ効果測定がしやすく、広告主様に直接喜んでいただける確率が高いのです。

12年のデータが導く「黄金の法則」と上場企業への支援拡大

ーーアナログな手法の反響をどのようにして数値化しているのですか。

佐々木実:
12年間かけて構築した「黄金の法則」というデータ管理の仕組みを活用しています。グループ親会社が全国で配布するマグネットの端に番号を記載し、配布年月や担当した配布会社を毎月すべて紐付けてデータ化しているのです。

全国展開を進める中では、地域によって反響にばらつきが生じることもあります。確実な反響を得られる発注先を精査するため、協力企業ごとのデータを長年蓄積し続けました。現地へ足を運んで信頼関係を築きつつ、適切なパートナーを見極める仕組みを確立しています。

ーー構築された「黄金の法則」を、今後はどのような企業に届けたいですか。

佐々木実:
月間1000万枚規模の配布を行い、ポスティングに多くの予算を充てている上場企業様などに、ぜひご活用いただきたいですね。まずは私たちの事業の仕組みを知っていただき、一度お話をさせていただければ幸いです。成果を出すための機会を頂戴できれば、必ずその価値を実感していただけると確信しています。

多角化の推進と「追いつき追い越せ」で描く未来

ーーポスティング事業で培った集客力を武器に、次はどのような展開を見据えていますか。

佐々木実:
ポスティングのノウハウを活かし、新たにスマートフォンの修理店舗をオープンしました。自社の集客力を活かし、実店舗の運営に挑戦しようと考えたのです。今後は店舗数を3店舗、10店舗と段階的に増やし、事業の新たな柱へと成長させる方針です。また、ポスティングとWEB広告をクロスセルした『スマホにポスティング』などの『〇〇にポスティング』シリーズの販売も強化していく予定です。

ーー事業の多角化を進めた先にある、貴社の最終的な目標を教えてください。

佐々木実:
グループ親会社の売上高に近づき、それを追い越すほどの成長を遂げることです。長年、グループ親会社には多額の広告予算を投下してもらいました。今後はその御恩を利益として還元し、恩返しをしていくフェーズに入ります。そして何より、価格競争に陥るのではなく、広告主様から直接「アドワールドに任せたい、反響を上げて欲しい」とご指名いただける企業になることが最大の目標です。

編集後記

「広告主目線」という確固たる信念を持ち、業界の課題に向き合う佐々木社長。若き日の接客経験で培われた対人スキルは、現在の強固なネットワーク構築にも直結している。特筆すべきは、12年という時間をかけて蓄積された「黄金の法則」である。アナログな手法をデータで徹底管理し、確実な反響を導き出す同社の戦略は理にかなっている。グループ会社への恩返しの思いを胸に、事業の多角化へ挑み続ける同社の今後に注目したい。

佐々木実/1969年、大阪生まれ岐阜育ち。岐阜県立大垣工業高等学校卒業後、心斎橋のバーテンダーとして社会の厳しさを学ぶ。2005年にグループ会社の株式会社イースマイルに入社し、企画マーケティング部執行役員を経て、2014年より株式会社アドワールド代表取締役に就任。対人能力と鋭い洞察力を武器に、ポスティングの品質向上と科学的なアプローチを追求している。使命は「アドワールドの名を永久に残すこと」。現場たたき上げの情熱で業界を牽引する。