
「人に誠実であり、物事に本気で向き合い続ける」。技術が進化する現代において、あえて「人間力」を最大の武器に掲げ、成長を続けるCCコミュニケーションズ株式会社。設立数年で数十億円規模の売上高へと拡大した背景には、代表取締役の山宮丈氏が経験した挫折と、社員への熱い思いが存在する。特別な野望もなく飛び込んだ人材業界で、同氏はいかにして会社を立ち上げ、社員が「熱狂」できる組織をつくり上げたのか。その軌跡と未来の展望に迫る。
スーツへの憧れから始まった起業への道
ーーまずは、起業するまでのご経歴について教えていただけますか。
山宮丈:
原点は、大学1年生のころに遡ります。当時、アルバイト先で出会った知人に声をかけられ、人材派遣会社で働くことになりました。しかし、その職場は非常に厳しい環境にあり、入社わずか3ヶ月で退職を考えるほどに思い詰めていたのです。そこで周囲に相談したところ「それが理由で辞めるのはかっこ悪くないか」と思いがけない言葉をかけられました。この一言が、長年スポーツで培ってきた私の負けず嫌いな性格を強く刺激したのです。
そこからは「ここで逃げる真似だけはしたくない」と決意を新たにし、その後も数年間にわたり業務に邁進しました。決して平坦な道のりではありませんでしたが、困難と向き合ったこのときの経験こそが現在の企業経営にも活きる「忍耐力」や「最後までやり抜く力」を育んでくれました。
ーーその後、起業をされたのは何がきっかけだったのでしょうか。
山宮丈:
アパレル業界への転職面接に落ちたことが、結果的に起業の直接的な契機となりました。もともとスーツへの憧れがあったため、まずはスーツを扱う企業へ転職し、ゆくゆくは独立することも視野に入れていたのです。
ところが、その企業の面接で不採用となってしまいました。大きなショックを受けましたが、それを機に「それならば、すでに経験のある人材業界で独立しよう」と腹をくくることができました。そして退職の翌月には、前職の仲間5人と共に現在の会社を立ち上げたのです。起業にあたって、初めから壮大な野望があったわけではありません。ただ、人材派遣の仕事は働く人の給与が低くなりがちな側面もあるため、「一緒に働く仲間に、少しでも多くの利益を還元できる環境をつくりたい」という思いが、立ち上げ時の大きな原動力でした。
コロナ禍の危機が転機 人間力を武器にした事業展開

ーー現在展開している事業内容や強みについて教えていただけますか。
山宮丈:
主力事業は自社で採用した人材を活用する人材派遣と、セールスプロモーションに特化したアウトソーシングです。具体的には、携帯電話キャリアの販売促進PRをはじめ、商業施設や家電量販店におけるイベントの企画および運営などを手がけています。
大手広告代理店などはイベントの企画力に優れているものの、実際に現場を動かす「人」が不足しがちです。そこで、人材を多く抱える弊社に相談が寄せられます。単にスタッフを手配するだけにとどまらず、イベントの企画と人材をセットで提案できる点が、他社にはない大きな強みですね。
また、直近ではコールセンターへの人材派遣や、特定技能を持つ海外人材の紹介事業も開始しました。現在は、インドネシアの学校で学んだ人材を日本の飲食店などへ紹介する取り組みを進めています。外国人材を受け入れた企業は国へ定期的な報告書を提出する義務がありますが、弊社は「登録支援機関」の認定を受けており、そうしたサポート業務も含めてワンストップで代行することが可能です。
ーー事業のターニングポイントとなった出来事は何でしたか。
山宮丈:
大きな転機は2つありました。1つ目は、創業から1年半ほどで初期メンバーの多くが離脱したことです。自身の組織管理に課題があったと猛省しました。この経験から、自社雇用を控え、外部の協力会社から人材を確保する方針へ大きく転換したのです。
2つ目は、新型コロナウイルスの流行です。主軸だった店舗向けの販路が失われる危機に陥ったのですが、家電量販店向けの仕事は残り、自社雇用を抑えた身軽さが功を奏しました。さらに、コールセンター向けの需要などを良い時期に受注できたのです。結果として、会社の売上高が10億円規模まで成長するきっかけとなりました。
「いいヤツ」という明確な基準と全員で「熱狂」する社内文化
ーー企業コンセプトである「いいヤツ」には、どのような意味が込められているのですか。
山宮丈:
現場に派遣されるスタッフの「人間力」こそが、弊社最大の武器であるという思いです。AIをはじめとする技術がどれほど進化しても、ビジネスにおいて最終的な差を生むのは「人」であると確信しています。とはいえ、採用段階から完璧な人材など存在しないため、誰もが「いいヤツ」へと成長できる仕組みづくりに注力してきました。
私たちが定義する「いいヤツ」とは、まず「人に誠実であること」。そして、「物事に本気で向き合い続け、素直に学び、前向きに変化できること」です。これを単なるスローガンで終わらせず、個人の評価制度にもしっかりと落とし込みました。定量的な結果が重要なのはもちろんですが、それと同等に「どれだけ努力したか」という過程の定性面も重んじています。正しいプロセスを踏むことが、最終的な成果につながるという考え方ですね。
実際に、私と社員で臨んだ商談で厳しいご意見をいただいた際、真摯に受け止めつつ前向きな姿勢を貫いたところ、帰り際にお客様から「いいヤツだね」と評価していただいたことがありました。私たちの掲げるコンセプトが現場の行動として伝わり、そのような言葉を直接かけていただけた瞬間は、何よりの喜びでした。
ーー社内の雰囲気や文化について教えてください。
山宮丈:
全員で目標に向かって熱く取り組む、青春のような文化があります。弊社では「熱狂」という言葉を大切にしています。また、会社の理念を浸透させるため、独自のキャラクターを制作していたり、毎朝有志を集めてビジネスの思考を深める共有会を開いたりして、人間として信用できるリーダーの育成に注力しています。会社が変わっても、給与の差は数万円程度かもしれません。だからこそ、仕事へのやりがいや、熱狂できる環境づくりが重要だと思っています。
5年で売上高100億円へ やりたいことがない人でも輝ける場所をつくる
ーー今後の展望をお聞かせください。
山宮丈:
5年以内に売上高100億円を達成することが明確な目標です。そのために、東京だけでなく関西などの主要都市へ拠点を展開し、全国規模で人材を採用できる仕組みをつくります。また、新卒採用においても、年間100名以上の採用ができる組織へと成長させたいですね。まずはこの100億円という目標に全力を注ぎ、その先のことは目標を達成してから考えればよいと思っています。
ーー最後に、求職者の方へメッセージをお願いします。
山宮丈:
未経験でも、まったく問題ありません。CCコミュニケーションズという社名には、Challenge(挑戦)・Cover(支え合う)・Communication(言葉を通じてつながる)という3つの想いが込められています。私たちは、挑戦する人を応援する会社です。失敗を恐れずに一歩踏み出してください。もしうまくいかないことがあっても、仲間が全力で支え、カバーします。だからこそ、未経験の方でも安心して挑戦できる環境があります。
やりたいことがまだ見つかっていなくても大丈夫。ここで挑戦し、仲間と成長する中で、自分らしく輝ける場所がきっと見つかります。「いいヤツになりたい」「自分を変えたい」「何かに本気で挑戦してみたい」。そんな想いがある方は、ぜひ一度、私たちの話を聞きに来てください。
編集後記
人間力というシンプルで本質的なコンセプトを掲げ、社員の育成に本気で向き合う山宮社長の姿勢が印象的だった。AI技術が台頭するこれからの時代において、最後に選ばれるのは誠実さや前向きな変化を恐れない「人」の力なのかもしれない。未経験からでも挑戦できる環境と熱狂できる企業文化は、自身のキャリアに悩む若手人材にとって魅力的な選択肢となるはずだ。5年以内の売上高100億円達成に向け、同社が今後どのような飛躍を見せてくれるのか、その歩みに注目していきたい。

山宮丈/1996年、東京都生まれ。北海道大谷室蘭高等学校卒業。2017年、大手人材派遣会社に入社。2019年2月、JCS株式会社を設立。2023年2月、株式会社subLime designとの合併を経て、CCコミュニケーションズ株式会社代表取締役に就任。