※本ページ内の情報は2026年10月時点のものです。

中国でコンピューターを学び、来日後は電気通信大学を経て、エンジニアとして最前線を走ってきた高学軍氏。その技術的知見を武器に、2016年にナイスモバイル株式会社を創業した。現在はWeb会議関連設備などの輸入販売を手掛ける。徹底した品質管理とアフターサポート体制で、大手代理店から絶大な信頼を獲得。急成長を遂げながらも人材の高い定着率を誇る同社が大切にする組織文化や、今後の展望について詳しくうかがった。

技術職から起業へ 品質と手厚いサポートで築いた信頼

ーーこれまでのご経歴と、起業に至った経緯を教えてください。

高学軍:
中国の大学でコンピューターを専攻し、卒業後は電話交換機をつくる会社で働いていました。来日後は電気通信大学で学び、基盤設計などのエンジニアとして経験を積みました。その折にスマートフォン関連の事業に携わり、ハードウェアの構造や通信の仕組みに深く精通したことが大きな転機です。この知識を活かして自分で新しいサービスを提供したいと考え、2016年に独立して会社を立ち上げました。

ーー現在の主力事業と、代理店から選ばれ続けている強みを教えてください。

高学軍:
「会議は資産」をキーワードに、会議DX/AXにまつわる製品の企画・輸入・販売、取り扱い商品の保守・メンテナンス・サポートを行っています。海外から製品を輸入販売する会社は多いですが、単に右から左へ流すことはしません。私自身が製造業の出身であるため、自社で1台約50分かけて徹底的に検査し、日本語化をはじめとしたローカライズやカスタマイズを行ってから出荷しています。販売後のアフターサポートも迅速に対応しているため、代理店様から「手離れが良く販売しやすい」と高く評価されています。

感性を磨く環境づくりと自律的な成長支援

ーー組織を運営する上で、大切にしている価値観はどのようなものでしょうか。

高学軍:
成功している企業は「美しく仕事をしている」という共通点があると考え、社員の感性を高める環境づくりを重視しています。たとえば、設備をきれいに保つよう徹底したり、仕事への姿勢も真っ直ぐ美しくいられるよう、企業理念にも「美」のキーワードを取り入れています。世界の一流のものに触れ、何が良いデザインなのかを日常的に感じとることも、結果的に私たちの提供するサービスの質を向上させることにつながると信じています。

ーー社員がいきいきと働き続けるための教育制度について教えてください。

高学軍:
社員には常に自分自身をレベルアップさせてほしいと伝えており、役職や役割に応じて自由に選択できる外部研修の受講を年4回義務づけています。それに加えて、資格取得のための受験料やテキスト代などを50%補助する自己啓発支援制度も用意しました。過去に私自身が受けて役立った社内研修の経験をもとに、社員がさまざまな知識を吸収して成長できる環境を惜しみなく提供しています。

Web会議のスタンダードへ 100億円企業を目指す挑戦

ーー高い定着率を維持されている理由と、今後の組織づくりの展望を教えてください。

高学軍:
社員への還元を大切にしていることが大きいと思います。取り組みの一つは、利益が出ればボーナスでしっかり還元し、社員旅行は海外でリフレッシュしてもらうなど、働きがいを感じられる環境の提供ですね。社内アンケートを通じた意見の取り入れにも力を入れています。今後はさらなる組織拡大を見据え、一人ひとりが社内での将来のキャリアを描けるよう、組織体制の見直しにも取り組んでいます。

ーー最後に、今後の目標と求める人物像について教えてください。

高学軍:
2030年に売上高100億円を達成することが大きな目標です。世の中の企業から「Web会議の設備ならナイスモバイル」と一番に思い浮かべていただける存在になりたいですね。今後はより規模の大きな企業様への提案が増えていくため、お客様のIT管理者と対等に話せるような技術的知識を持った方を求めています。入社時点で完璧な知識がなくても、柔軟に学び、周囲と協調しながら成長する意欲のある方をお待ちしています。

編集後記

確かな技術力と妥協を許さない品質管理で、輸入販売の常識を覆してきた高学軍社長。インタビューで最も印象に残ったのは、社員の感性を育むオフィス環境や、手厚い教育・還元制度など、人を大切にする経営姿勢だ。最先端のIT機器を扱う企業でありながら、成長の根底には「人」を重視する温かい企業文化が息づいている。新たなスタンダードを創り出す同社のさらなる飛躍に期待が高まる。

高学軍/1971年、中国遼寧省生まれ。1993年に中国・遼寧大学を卒業後、遼寧省郵電科学研究所に勤務。1997年に来日し、電気通信大学に進学。1999年にソニーデジタルプロダクツ株式会社へ入社、基板修理・設計業務に従事。2014年、同事業のVAIO株式会社への譲渡に伴い転籍。2016年6月、ナイスモバイル株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。