株式会社ユーグレナ 500社連続で断られても諦めない。不屈の精神の原点と創業者が目指す「ユーグレナ」の新たな未来像 株式会社ユーグレナ 代表取締役社長 出雲 充  (2021年10月取材)

インタビュー内容

【ナレーター】
先の見えない500件の営業を、なぜ2年間も継続してできたのか。不屈の精神の原点となった、学生時代のある人物との出会いに迫った。

【出雲】
ムハマド・ユヌス先生。ユヌス先生は貧しい農家の方を自立させるため、お金を融資する銀行(グラミン銀行)を設立し、その後、世界44カ国、約900万人を貧困から救いました。

その最初の一歩目は、42人の方々に約2700円を融資するところから始まりました。約900万人を救ったユヌス先生は、一番大事なのは「最初の一歩」なんだと。最初から900万人も救うことは絶対できないと言っていました。

42人の方々に約2700円を融資し、暮らしを良くするという最初の一歩が、ユヌス先生にとっても一番難しく、大変だった。辛かった経験が必ず役に立つから、最初に大変だからといって何も成し遂げずに諦めるのはダメだというのは、ユヌス先生に教えていただいた一番大事なことなんですよ。

ユヌス先生とお会いしてなかったら、ユヌス先生がいらっしゃらなかったら、500社も頑張り続けるなんてことは私にはできませんでしたね。

【ナレーター】
現在、ユーグレナを原料とする食品や化粧品、バイオ燃料の製造・販売のほか、栄養問題を抱えるバングラデシュへユーグレナ入りクッキーを届ける『ユーグレナGENKIプログラム』の立ち上げなど、社会課題の解決に向け前進するユーグレナ社。

経営において出雲が大事にしている要素のひとつがポジティブ思考を持つことだと言う。

【出雲】
今の話で言いますとリモートワークが増え、励まし合うことが難しくなっているのではないかと思っている人もいるのではないでしょうか。

ただ私は、リモートワークが増えて初めてお会いできた人も大勢いると思っています。そのため、スピーディーに仲良くなって励まし合うということができるようになったと思っています。

どちらにフォーカスするかなんですよ。オンラインひとつとっても、なかなか会えなかった海外の仲間と協力して支え合うということが、リモートワークをきっかけに今までで一番できるようになったと思います。

【ナレーター】
求める人材像について、前提条件をなるべく持たないようにしていると語る出雲。その真意に迫った。

【出雲】
向いてない、合ってない、役に立たないなどと決め付けをしてしまうと、お互いにその程度の関係しかつくれないと思うんですね。

「あなたの経験値を当社で使ってみれば、こんな面白いことができるのではないか」というようなことを、人材に対して投げかけ続けることはしていきたいと思っています。

-大切にしている言葉-
【出雲】
「昨日の不可能を今日 可能にする」。これが、私が一番大切にしている言葉です。

昨日の不可能、解決できないと思われている問題を、全て僕らの世代で解決しようと。

今日解決できない問題についても、我々の世代で解決するんだという気持ちを込めて「昨日の不可能を今日 可能にする」という言葉を、自分は一番大切にしております。

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経営者プロフィール

氏名 出雲 充
役職 代表取締役社長
生年月日 1980年1月17日
出身地 広島県
座右の銘 昨日の不可能を今日可能にする
愛読書 3つのゼロの世界(著 ムハマド・ユヌス)
尊敬する人物 グラミン銀行創設者・ノーベル平和賞受賞者 ムハマド・ユヌス博士
略歴
駒場東邦中・高等学校、東京大学農学部卒業後、2002 年東京三菱銀行入行。2005 年株式会社ユーグレナを創業、代表取締役社長就任。世界初の微細藻類(びさいそうるい)ユーグレナ(和名:ミドリムシ)食用屋外大量培養に成功。世界経済フォーラム(ダボス会議)ヤンググローバルリーダー、第一回日本ベンチャー大賞 「内閣総理大臣賞」受賞。

会社概要

社名 株式会社ユーグレナ
本社所在地 東京都港区芝5-29-11 G-BASE 田町2階
設立 2005
業種分類 食料品・飲料製造業
代表者名 出雲 充
WEBサイト http://www.euglena.jp/
事業概要 1.ユーグレナ等の微細藻類等の研究開発、生産 2.ユーグレナ等の微細藻類等の食品、化粧品の製造、販売 3.ユーグレナ等の微細藻類等のバイオ燃料技術開発、環境関連技術開発 4.バイオテクノロジー関連ビジネスの事業開発、投資等
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