【ナレーター】
先の見えない500件の営業を、なぜ2年間も継続してできたのか。不屈の精神の原点となった、学生時代のある人物との出会いに迫った。
【出雲】
ムハマド・ユヌス先生。ユヌス先生は貧しい農家の方を自立させるため、お金を融資する銀行(グラミン銀行)を設立し、その後、世界44カ国、約900万人を貧困から救いました。
その最初の一歩目は、42人の方々に約2700円を融資するところから始まりました。約900万人を救ったユヌス先生は、一番大事なのは「最初の一歩」なんだと。最初から900万人も救うことは絶対できないと言っていました。
42人の方々に約2700円を融資し、暮らしを良くするという最初の一歩が、ユヌス先生にとっても一番難しく、大変だった。辛かった経験が必ず役に立つから、最初に大変だからといって何も成し遂げずに諦めるのはダメだというのは、ユヌス先生に教えていただいた一番大事なことなんですよ。
ユヌス先生とお会いしてなかったら、ユヌス先生がいらっしゃらなかったら、500社も頑張り続けるなんてことは私にはできませんでしたね。
【ナレーター】
現在、ユーグレナを原料とする食品や化粧品、バイオ燃料の製造・販売のほか、栄養問題を抱えるバングラデシュへユーグレナ入りクッキーを届ける『ユーグレナGENKIプログラム』の立ち上げなど、社会課題の解決に向け前進するユーグレナ社。
経営において出雲が大事にしている要素のひとつがポジティブ思考を持つことだと言う。
【出雲】
今の話で言いますとリモートワークが増え、励まし合うことが難しくなっているのではないかと思っている人もいるのではないでしょうか。
ただ私は、リモートワークが増えて初めてお会いできた人も大勢いると思っています。そのため、スピーディーに仲良くなって励まし合うということができるようになったと思っています。
どちらにフォーカスするかなんですよ。オンラインひとつとっても、なかなか会えなかった海外の仲間と協力して支え合うということが、リモートワークをきっかけに今までで一番できるようになったと思います。
【ナレーター】
求める人材像について、前提条件をなるべく持たないようにしていると語る出雲。その真意に迫った。
【出雲】
向いてない、合ってない、役に立たないなどと決め付けをしてしまうと、お互いにその程度の関係しかつくれないと思うんですね。
「あなたの経験値を当社で使ってみれば、こんな面白いことができるのではないか」というようなことを、人材に対して投げかけ続けることはしていきたいと思っています。
-大切にしている言葉-
【出雲】
「昨日の不可能を今日 可能にする」。これが、私が一番大切にしている言葉です。
昨日の不可能、解決できないと思われている問題を、全て僕らの世代で解決しようと。
今日解決できない問題についても、我々の世代で解決するんだという気持ちを込めて「昨日の不可能を今日 可能にする」という言葉を、自分は一番大切にしております。