株式会社カプコン ~『モンスターハンター』など、ミリオンヒット60作品以上のゲーム業界大手企業~

ワイナリーのあゆみ

株式会社カプコン 代表取締役会長 辻本 憲三 (2013年7月取材)

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―ワイナリーのあゆみ―

【齋藤】

今日は世界的なゲームソフトメーカーであるカプコンの創業会長、そして最近、大変評判のケンゾーワインのオーナーでもある辻本憲三会長にご登場いただいてフランクにお話をいただこうと思っています。よろしくお願いいたします。ゲームソフトでもあれだけ大きな会社を作られて大成功されているのに1990年、ナパにそれまで会社でお持ちだった土地をご自分でお買いになって、ケンゾーエステイトワインをここまで成長させられたのですが、最初の頃の事業を始める思いやご苦労の話をうかがいたいと思います。

【辻本】

90年代、アメリカではファミリーコンピューターが85年から売られていて、スーパーファミコンの登場もあって、実は90年前後というのはアメリカで今のアップル以上の社会的評価を受けていました。社会的評価は高いのですが、リスクもありまして、インドアばかりならずにアウトドアもやりたい、といったクレームをつけられることもありました。それで持ってきた話が乗馬クラブ。それも土地が20億円ぐらいする、山の中を飛び越すカントリー的な乗馬クラブです。

しかしこちらも忙しいので5~6年ほったらかしにしていたところ、日本側でカプコンが東証一部に大証二部から昇格しようという動きになりました。このクラブの費用のせいで昇格に影響してしまう事を避けるため、私がキャッシュで全部買い取りました。その土地で何かしようかと思っていたのですが忙しくてそこまで手がまわらず、周辺のワイナリーの人たちから畑を貸してくれという話がきました。それなら自分でやるということになり、それから本気になりました。

【齋藤】

あれはナパのいちばん南端ぐらいだから本来はワイナリーに適さないと思われていたんですね。

【辻本】

あの高地でワイナリーをするということはあまり今までなかったんです。コストが掛かりますから。ナパには、カルトワインという、栽培量が非常に少ないワインのジャンルがありまして、価格が倍とか3倍、5倍になるんです。飲んでみますと確かにおいしいものです。

【齋藤】

スクリーミング・イーグルやハーランという、そういうものですね。

【辻本】

日本では何十万円ではなく、レストランで何百万円するくらいです。そういうものを、もうちょっと手の届く範囲で日本人が飲まれないかなということでそれでやりだしたのがワイン作りのきっかけです。最初の畑はものの見事に失敗しました。通常のワインショップではトップクラスで売れるレベルでしたが、カルトワインのクラスになるととても無理だということで14万本植えたものを全部、収穫のあくる年に全部抜きました。

【齋藤】

この時のご決断はやっぱりまたお金がいるし、それからまた何年間か待たなくてはいけないと、相当お悩みになられたんですか。

【辻本】

これはゲーム事業では当たり前のことなんです。ダメなものはいくら作ってもダメなのでそれはすぐにやり替えたりすればいい。経営者というのはやめる時にやめると決断ができるかどうかというのが。ワインもゲームもあってもなくてもいい、エンゲル係数の内側のものではなく外側のものです。

ただしすごいものが出てくるとこれは全然違う話になりますので、すごいものを作らなければ生き残れない世界ということです。ですから普通かそれ以下のものは全部やり替える。失敗といいますが、失敗ではなく、やってみたらそのレベルに達しないということはダメだという要素が全部出てくるんです。それをすくい上げてやり替えると成功するんです。

社長プロフィール

President's profile
氏名 辻本 憲三
役職 代表取締役会長
生年月日 1940/12/15

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