Vol.2 価値観
価値観
【宮本】
独創的な商品を開発し、新たな文化の創造をもって社会に貢献する、これが経営理念ですね。方向性は今色々なところを模索していて、商品の柱としてはファイルという大きな柱とテプラという大きな柱と、第3の柱を模索している最中です。色々なことをやっていますけども。
方向性としては、どちらかというとデジタルとアナログ。デジアナ文具と言っているものもありますが、デジタル系と色々な雑貨系も色々模索している最中ではあるんです。共通しているのは、絶対に人のものまねはしない。オリジナリティあふれる独創的な商品を作るんだということだけは共通していましてね。
一番、最初である。プライドもあるのですが、そうでないと世の中のためにならないと思うんですよ。より良い、より便利なもの、使いやすいもの、お客様に支持されるものを作るのが、メーカーの生きがいだと思うので、そこは崩したくないなと思うんですね。
【宮本】
もう文具にこだわるつもりはさらさらなくて、ただオフィスまわりが中心ではあるんですけどね。オフィスまわりがメインで、場合によっては家庭までも入っていけるような文具に近い雑貨関係やかなり幅広くアプリビジネスなんかも最近は始めていますし、色々なことにチャレンジはしています。
(文具以外の商品への抵抗は)今は全然ないです。何でも屋で色々なものにチャレンジするのが「キングジム」だとみんなが思っていますから。
昔はとにかく、特にファイル専門メーカーだった時代はかなり堅い会社でしたが、テプラで本当にまったく変わったということです。さらに最近ではポメラという商品が当たりまして、それからそのポメラに次ぐ商品も次々ヒットしてきているので、色々なものにチャレンジしようという方の気持ちが皆強いです。
【宮本】
私はマーケティング調査が大嫌いなんですね。その調査通りに現実はならないことがすごく多いんですよ。アイディアにある商品を作って世に出してしまえば良い。おかげさまで当社の商品は開発にめちゃくちゃな投資がかかるわけではないので、とりあえず市場に出してみるとすぐに、数ヶ月でお客様の反応は分かるんですね。10個に1個ヒットすればいいと言っていますよ。新規概念商品についてはね。9個三振してもいいから10回目にホームラン打ってくれというやり方なので、自信のない商品でも、もしかしたら売れるというストーリーが描ければ、キングジムはGOなんですね。
そういう観点で数打てば当たるの中から良い商品が出てくるという発想で私は問題ないと思っているので、この方針で続けていきたいと思います。
【宮本】
私は市場開拓型商品を作れと言っているんですよ。ニーズは作っていくものだという発想でいるぐらいですね。よくポメラの時にこの話をするんですけど、ポメラは開発会議で非常に反対意見の多い商品で、そんな小さなモバイル機器でネットもできない、音楽も聴けない、メールもできない、そんなような機械で文字を打つだけという商品で29,800円。これは誰も買うヤツはいないだろうというふうに言っていたのですが、たった一人の社外取締役の先生が、「これこそ待ちに待っていた商品」だと。私は文字を打つだけのために重いパソコンを持ち歩いて海外までいって飛行機の中でスイッチ入れてもなかなか起動しないようなパソコンを使っている。
非常にやっかいでしたが、これ一つで十分だというふうに言う方がいらっしゃいました。その先生はいくらでもいいから買うというくらい気に入ってしまったわけですよ。問題はそれほど気に入る方が何人いるかですよね。その教授の方は間違いなく買ってくれるけれど、それがヒビしかなかったら商売にならないのだが、これはもしかして教授でなくても色々と物書きをする人や外で取材される方など、色々なそういう方が使えるのではないかと。するとそれなりの需要があるのではないかと。そういうことから、もしかしたら売れるかもしれないと思い、商品化することに決定しました。あれ(ポメラ)がそれなりのヒットになりましたので、そういう発想は大事にしないといけないなと思うんですね。
経営者プロフィール
氏名 | 宮本 彰 |
---|---|
役職 | 代表取締役社長 |
生年月日 | 1954年8月11日 |
出身地 | 東京都 |
会社概要
社名 | 株式会社キングジム |
---|---|
本社所在地 | 東京都千代田区東神田二丁目10番18号 |
設立 | 1948 |
業種分類 | その他の製造業 |
代表者名 |
宮本 彰
|
従業員数 | 1,822人 |
WEBサイト | http://www.kingjim.co.jp/ |
事業概要 | 事務ファイル首位。厚型ファイルで圧倒的。ラベル作成機「テプラ」ほか、電子文具、雑貨も展開。 |