株式会社メドレックス ~イオン液体を利用した経皮吸収技術が強みの創薬ベンチャー~

Vol.1 歴史

株式会社メドレックス 代表取締役会長 松村 眞良 (2013年9月取材)

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歴史

【松村】

大学を卒業して病院に勤めていましたが、ある事情により田舎へ帰らざるを得なくなり、帝国製薬へ入社しました。

帝国製薬は古い会社で、家庭薬や殺鼠剤などを製造していたのですが、そこに若手の薬剤師が入ってきたというので、期待されて、2年か3年で取締役になりました。

取締役になって何をしようかと考えている時に、朝日新聞の「ひと」という欄を見たのですが、その欄に、28歳でマサチューセッツ工科大学の最年少教官が生まれたと、その人の名前を今も覚えていますが、田中豊一という人でした。

この人は「紙おむつ」の発明者なのですけれど、紙おむつということなので水をどれだけ吸うかということですが、その田中氏が言うには、こんにゃくは99%以上水なので、これをこんにゃくではなくて水溶性高分子で作ればいいじゃないかと思いついて、ポリアクリル酸ナトリウムを開発し、若くして教官になれたのです。

このポリアクリル酸ナトリウムというのはどのようなものかと思い、私は手に入れました。それでパップ剤というものを作りました。

帝国製薬はそのパップ剤をビジネスのすることで、今では300億円に近い会社になりました。一つの発明や発見が会社を作る、そのような経験を積みました。

パップ剤をたくさん開発する経験の中で、ドラッグ・デリバリー・システムというのが世にあることを知りました。そういう仕事をしようと常々思っていました。

56歳の時に新しく会社をやっていこうとなり、今の会社を作りました。ところがちょうど我々が会社を作った頃、アメリカで大変なことが起こったんです。それは、ドラッグ・デリバリー・システムの世界で最初の成功会社はアルザという会社なのですが、経皮吸収製剤、皮膚から薬を入れる経皮吸収の世界発の商品は、ニトログリセリンのパッチなのです。

ニトログリセリンは心臓が発作を起こした時に舌下錠で服用していたのですが、それを貼り薬にしたのです。

心臓発作はが一番起きやすい時間帯は早朝の午前3時、4時です。この時間帯に心臓発作が起きたとしても舌下錠では服用しずらいのです。それでたくさんの人が亡くなったのです。ところが貼り薬だと、寝る前に貼っておけばその時間効いているので、お医者さんも心臓発作を起こす恐れのある患者さんには「貼って寝なさい」と言って処方できます。


日本では、心臓発作が起きて飲む舌下錠のマーケットはせいぜい、年間3千万から4千万円ほどの売上だったのですが、これを貼り薬にすると、発作が起きた人ではなくて、発作の恐れがある人に処方するのですから、患者さんの対象が増加します。可能性のある人はみんな貼って寝ることになります。

そうすると400億円や500億円のマーケットになります。これが世界で最初の経皮吸収製剤だったのです。それをやったのがアルザという会社なのですが、私が会社を興した頃、アルザがジョンソン・エンド・ジョンソンに吸収合併されたのです。

その時の金額を今でも覚えていますが、日本円で1兆3千億円でした。せいぜい500億円くらいの会社がその値段になったのです。

そのようなこともあり、私どもが会社を興して目指してきたのがこのアルザなのです。こういう会社を作ろうと今も思っています。少なくとも1千億円くらいの会社を作りたいというのが私の思いです。

社長プロフィール

President's profile
氏名 松村 眞良
役職 代表取締役会長
生年月日 1944/9/7
出身地 香川県
座右の銘 『we are going to fail and fail again until we succeed』 ALZAの創業者であるアレハンドロ・ザファロニー博士の言葉

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