Vol.2 価値観
価値観
【西】
会社の社是とか社訓というのは偉い人のね額の中に入っているので、我々の普段の仕事とは、あまり関係ないと思っていたのです。ただ、自分が小さな会社でも社長になってみると、社是、社訓というのは憲法みたいなもので、大元のところがちゃんとしていないと、後どうにもならない、今の社訓を作ったのは32歳か33歳の時ですので、少し今見ると元気がよすぎて今作るともう少し違ったかなと、思うところはありますけれどもね、やはりその時の気持ちが出ていまして、積極機敏とか進取チャレンジとか、物事を積極的にやろうよ、それから、いろいろな事に対して前向きに自ら進んで取り組もうなど、そういうことが書いてありましてね。朝礼の時に必ずみんなで読んでました。
それは具体的にどういう意味なのかとか、この場合の判断としてはどうなのかなという、遡ってそれを持ってくるという事を今でもやっています。これはとても大事なことです。それぞれどうしても社是、社訓というのは、抽象的になりがちですけれど、やはりこれをいかに具体的に、日々の行動のところに落としてくるか、それが大事なのかというのは、これはトップがまさにスポークスマンになって言い続けなくてはいけないことだと思います。
【西】
よくリクルートする若い人達からどんな社風の会社ですかと言われるのです。それで、風通しの良い共立電気と、風通しの良い社風を作ろうと、つまり若い人でもあまりいろいろなことを気にして考えずに発言ができる、提言ができる、あるいは職場の環境や仕事をすること、あるいはそれ以外のことでもクレームが言える、意見が言える、こういう社風、まさに社風、これを作るのが大事だと思います。
全部のセクション回って経営戦略会議という事をやるのですが、その中で必ず、KKDという事をやっています。その中では女性も含めて全員職場のセクションの人が集まって、会社に物申したいことがないかとか、自由にいってくれと、そのことで言った人に不利益になる事はない、どんな質問でも必ず全員に返事を出します。こういう質問をもらいました。それに対してこういう風にします。
それはすべて実現することばかりではありませんが、こういう理由で少し待ってください。というのもあります。これは今年中に実現しますよ、というのもあります。そうすると、いろいろ細かいところ、例えば会社の本部のスロープが、1段2段あったのですが、これは別に何気なく作りました。そうすると、台車の女性が少し重い物を運ぶ時に非常に不便ですよね。台車で階段を上がるのはね。だからそれをスロープにしてくださいという意見がきまして、これははっとして、言われてすぐにやりました。
できるだけ風通しの良い会社をみなさんが目指している、そういう場を作ろうと、問題なのは必ずそこで返事をすることだと思います。きちんと受け止めて聞いたままにしない。受け止めたままにしないでね、返事をするようにしようと、それを心がけています。
経営者プロフィール
氏名 | 西 雅寛 |
---|---|
役職 | 元代表取締役社長 |
生年月日 | 1949年9月28日 |
出身地 | 東京都 |
座右の銘 | 『我以外皆我師』 学ぶことばかりで、我身の足らだるを感じています。 |
愛読書 | ローマ人の物語 |
会社概要
社名 | 協立電機株式会社 |
---|---|
本社所在地 | 静岡県静岡市駿河区中田本町61-1 |
設立 | 1959 |
業種分類 | 機械器具製造業 |
代表者名 |
西 雅寛
|
従業員数 | 1703 名 |
WEBサイト | http://www.kdwan.co.jp/index.html |
事業概要 | FAシステム(最適生産システム)や計測制御機器の設計、開発が主事業。省エネシステムも。 |