アイティメディア株式会社 ~月間1億ページビューを誇る、国内最大級のインターネット専業メディア~

Vol.2 価値観

アイティメディア株式会社 代表取締役社長 大槻 利樹 (2013年12月取材)

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価値観

【大槻】

まずは会社をスタートした時には、米国の会社、ZDNetという会社とジョイントベンチャーで作ったんですね。40%米国の会社が持っていまして、やってみてやっぱり違う国と一緒に仕事するのは大変ですよね。

事業に対するものの考え方とかね、そういうのが違いまして、米国の会社と上手く行かなくなりましたね。特に米国の企業は四半期の短期主義ですし、利益最優先というか株主資本主義ですから、基本的に。非常にそういうところが勉強になりましたね、逆に言うとね。

それでソフトバンクが米国の株を買い取って、もう一回やり直しました。アイティメディアという名前でね。

ところが今度は、また事件がありまして、ちょうどソフトバンクがブロードバンド始めた頃でね。 2001年の6〜9月くらいに始めたんです、Yahoo! BB。

ところが最初これが繋がらなかったんです、全然。無理もないですよね。電話回線を使ったADSLなんて日本で初めてやったんですから。

当社の記者が一生懸命それを、厳しい記事を書くんですね。ソフトバンクのYahoo! BB繋がりませんと。それで、ある時呼ばれまして、ソフトバンクから。

アイティメディアはグループ会社なのにソフトバンクのブロードバンド事業を邪魔するのか、みたいにね。

でも僕はソフトバンクの遺伝子を持っているわけだし、孫社長と6年間一緒にやってきたわけで。むしろメディアとして一生懸命ブロードバンドのことを書いて、当初の役割を担っていこうとしたわけですが、最初だから不具合がいっぱいあって厳しい記事をたくさん書いて。

編集者にはどんなに厳しいことを書いてもいいから、愛情だけは持てと。テクノロジーとか業界に愛情を持っていないとダメだよと。愛情持って書いていれば、厳しいことを書いてもいいからと言ってですね。

でも、かたやソフトバンクから責め込まれましてね、孫社長も「お前、俺が死ぬ気でやっているのにどうしたんだ」みたいな。「いや、そんなことありません」、「なんか事実と違うみたいだけど」、「いや、そんなことありません」と言って。

「ご迷惑をお掛けしてすいませんでした」と一応謝って、記事は全く変えませんでしたけどね。

帰りのタクシーの中で悔しくて、涙ぼろぼろ出てきましたね。孫社長に育ててもらって、ソフトバンクという世界の中でメディア、コンテンツを担ってブロードバンドが始まって。

ワーッと僕らが舞台を賑やかにしていくことが僕らの仕事で、それで貢献するつもりでいたし。

でもやっぱりメディアであり、ジャーナリズムであるから、悪いものは悪い、繋がらないものは繋がらないと書かないといけないです。でもそういったものをちゃんと内に分かって抱えていることが、ソフトバンク孫社長のすごいところだと思っています。

ただあの時は孫社長もソフトバンクも必死だったんですよ。2001年、2002年頃のYahoo! BBブロードバンドで勝負をかけていた時の株主総会というのはすごく印象的で、みんな孫さんのファンなんですね。

資産は10分の1になってるのに夢をかけているんですね。この人だったらやってくれると、それで拍手がわいている。

そういう事業をやっていると、色々なことがありますから。嫌なこと辛いことありますし。

でもさっき言ったように、そういったそのものを内に包容できる理解力ということが多分リーダーに、孫さんにあったんだろうし。

そこで一切記事を変えなかったし、やってきたことが僕らの誇りでありプライドであるし。だから当社で今やっている社員の人たちには、そういう誇りとプライドがね。

メディアのビジネスというのはご存知の通り非常に変化してきていて、ある意味、経営基盤が脆弱で厳しい産業分野でもあるんですけど。

その中で当社を構成する人たちは、もちろん新しいテクノロジーとか新しいメディアを生み出しながらも、基本のところはそういった誇りというかプライドを持っている。

その向こうに非常に賢い読者がたくさんいるということも分かっていますから。そういう媒体活動を通じて築いてきた読者の信頼を裏切らないということですよね。

次はこういうコンテンツやりたいとかね、こういうメディアやりたいというのが生まれてくるような。それを経営がサポートしてあげて実現していくというような会社になっていきたいなと思いますね。

社長プロフィール

President's profile
氏名 大槻 利樹
役職 代表取締役社長
生年月日 1961/6/27
出身地 長野県
座右の銘 『Think Positive』 事業/ビジネスにおいて必要だから
愛読書 存在の耐えられない軽さ

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