Vol.3 ゼブラ独自の商品開発方法
ゼブラ独自の商品開発方法
【聞き手】
商品開発っていうのを専門でやってらっしゃる部署があまりなかったというか。
【石川】
なかったですね、勝手に技術者達が考えて、自分達で勝手に試作して、みんなでこれいいねってなると、何となくいろんな人が図面書いたり、製造に持って行ったりして物が出来るっていう感じでしたね。ですから、ある意味で、無秩序だったんですけど、良い意味では、個人に全て好きにやらせるという感じでしたね。会社にこれをやるから予算をくれとか、これに専任させてくれとかあんまりそういう事を言わないんですよ、社員は。何か自分達で、好きな事をやって、いつの間にかものが出来ちゃうみたいなそういうムードはありますね。
【聞き手】
今でも。
【石川】
ええ。
【聞き手】
色々商品ラインナップも増えてすごく進化してるなというのを感じますよね。そこはちゃんと商品開発部っていうのを置こうとなって、その今までの既存の商品のブラッシュアップや更なる開発を進めてこられた結果ですね。
【石川】
そうですね、やっぱり個人の能力に任せるって言ってもですね、無計画だとある時期はいっぱい出て、ある時期が何にも出ないっていうやっぱり経営上、そういう商品の出し方だとまずいわけですよね。やっぱり市場も変わってきてるし、お客様のニーズも変わってきてる、流通も変わってきてる、それら全てを判断して、今どんなことをやっていけばいいのか、ですから、指針をまず与える、今の蛍光ペンってこれで来たけど、やっぱり新しい付加価値ないとまずいよねってなると、じゃあみんな付加価値考えてっていう、そこで投げるというかですね、ある程度は題材決めないとですね、勝手に何でもいいからやれって言うのは、やっぱり相当まずい感じですよね。ですから、テーマ与えて開発させると意外と集中して、良い物が出てくる感じはしますね。
【聞き手】
その開発の指揮を取られたのも最初にやられたんですよね。
【石川】
そうですね、最初はそういう意味では、50年代後半ってわが社にとっては、ちょっと冬の時代っていうかですね。シャーボとかマッキーが前半に出て、僕が入社した後なんですけど、さっき言った様に新製品が、ほとんど出なくなっちゃってですね。あといろんな意味で品質的な大きな問題起こしたりですね、相当まずい事態だったんですよ。このままだと商品開発で他社に相当遅れをとるって言う危機感もありましたし、あるいは時代がこう変わってきて新しい形で市場に対抗しないといけないという事で、専門と言うかそういう部署を立ち上げてですね、何とか立て直しに掛かろうというのが最初のきっかけでしたね。
【聞き手】
それは、社長も自らこういう物を作ったらいいんじゃないか、ああいう物を作ったいいんじゃないかと、日々試行錯誤されてっていうふうに。
【石川】
そうですね、割と私好きなんですよ、物作りというか、物を考えるのがですね、今でも開発部だけはもう直轄みたいになってですね、開発の連中は迷惑しておりますけど、何となく口を挟みたいので。
【聞き手】
でもそれはそうですよ。命運を左右する商品なんですから。
【石川】
ですから、そこだけは好きな事もありますし、口をほとんど出して、そのくらい物作り好きだったものですから、本当に苦にならなったんです。本当に能力のある技術者とか、開発マン的な人もいましたんで、彼らに色々相談すると、やっぱりいろんなものが出てきてですね、それを上手く汲み取ってあげるだけで、割ときちっとした商品開発が出来ていましたね、あの当時は。
経営者プロフィール
氏名 | 石川 真一 |
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役職 | 取締役会長 |
生年月日 | 1951年11月10日 |
会社概要
社名 | ゼブラ株式会社 |
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本社所在地 | 東京都新宿区東五軒町2-9 |
設立 | 1897 |
業種分類 | その他の製造業 |
代表者名 |
石川 真一
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従業員数 | 2,121名(2024年3月時点グループ計) |
WEBサイト | http://www.zebra.co.jp/ |
事業概要 | ボールペン・シャープペン・マーカーなど各種筆記具の開発・製造・販売 |