アセンテック株式会社 “仮想デスクトップ”の雄が挑む情報社会変革 アセンテック株式会社 取締役会長 佐藤 直浩  (2017年6月取材)

Vol.2 黒字化達成後に社長を辞任

インタビュー内容

―黒字化達成後に社長を辞任―

【佐藤】

48歳の頃、今からちょうど10年前にあるオファーを受けまして、当時マザーズに上場していた日本のベンチャー企業で、今の会社の前身となる会社の代表と知り合いました。IBMを退職し、いわゆるサラリーマン社長になったということです。何か野望があったわけでもなく、成り行きで社長になりました。今の会社の前身ということで、ビデオオンデマンドを中心として、海外に色々な事業を展開されていました。創業者である代表取締役がいましたので、その判断を補佐する立場として経営陣に参画させていただきました。

創業者が辞任されて、それを引き継ぐ形で代表に就任致しました。実は相当な規模の累積損失があり、86億円ほどの損失を抱える赤字会社でした。唯一、海外に株式資産を持っていたというところを引き継ぎまして、当時は上場していたので、当然黒字化を目標に相当な量のテコ入れをしました。不採算事業の整理・清算から始まり、新規事業の立ち上げ、などの取り組みによって、2年間で全ての整理・清算が完了し、やっと黒字化を達成できました。

ちょうど黒字化を達成できたところで、別の会社に株式を購入されたことで私は解任となりました。会社に対する責任感はありましたが、株式を保有していなかったので、いわゆるサラリーマン社長として淡々と事業を整理・清算していったというところですね。リスクのない業務ではありましたが、ある意味資本主義社会の中ではそういったこともあり得るということですね。

その会社が持っていた子会社の1つを引き継ぐことになりました。当時は赤字の企業で、従業員数14名という非常に小さな会社でした。それが今のアセンテックになります。当時の段階から、今の事業をやりたいという思いはありましたので、その事業に対して集中できればあまり辛い思いをすることなく、むしろやりたい事業に専念できると思い、ステップダウンしました。

引き継いだ会社をMBO、マネジメント・バイアウトして独立してからの方が、いわゆる起業と言われる部分の中で一番厳しかったと思います。自分で責任を持ってやらなくてはいけませんでしたし、当時は14人しか従業員がいませんでしたから。

アセンテックが取り組んでいるのはBtoBのビジネスですね。企業をお客様として製品とサービスを販売する会社ですので、信頼や信用がなければ口座1つすら開いてもらえないですよね。ですから、知名度もなく、売上もない赤字の会社で、そもそもお金が無いから銀行に行かなくてはいけないという環境の中でのスタートということで、その辺りが最も辛かった部分ですね。


経営者プロフィール

氏名 佐藤 直浩
役職 取締役会長

会社概要

社名 アセンテック株式会社
本社所在地 東京都千代田区神田練塀町3 大東ビル9F
設立 2009
業種分類 卸売業
代表者名 佐藤 直浩
従業員数 90名(2023年1月31日現在)
WEBサイト https://www.ascentech.co.jp/
事業概要 仮想デスクトップに関連する製品開発、販売及びコンサルティングサービスの提供
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