アートグリーン株式会社 ~胡蝶蘭ビジネス成功から紐解く、ビジネスチャンス発掘のヒント~

Vol.5 “6次産業ビジネス“で新たな境地を

アートグリーン株式会社 代表取締役 田中 豊 (2017年7月取材)

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―“6次産業ビジネス“で新たな境地を―

【聞き手】

胡蝶蘭の市場だけでも、300億円くらいあるのですよね?

【田中】

そうですね。250億円くらいありまして、お店で枯れてしまい、売れていないものを引くと、200億円くらいは、北海道から沖縄まで年中誰かしらが贈っているマーケットがあるんですよ。

【聞き手】

そんなに大きな市場があることにたいへん驚きました。

【田中】

植物のような生ものは、開発が非常にゆっくりなんですね。ですから、胡蝶蘭の跡継ぎとして贈答品になるような花は未だにないのですよ。もし、儀の世界が無くなって、贈答品そのものが不要、ということになれば、うちもそうですし、百貨店も大変なことになると思うのですが、そういうことがない限り、高級な花を贈るときは胡蝶蘭を贈っておけば安心、という世界はもう少し続くと思います。

ただ逆に言えば、胡蝶蘭に代わるような贈答品としてのフラワービジネスを提案するのは、当社であるべきだと思っています。胡蝶蘭の次はこれですよ、と提示する役目もあると思いますね。

【聞き手】

今、こういうことをやりたいな、と考えている新たなビジネスの構想などはありますか?

【田中】

たまたま私どもは今、ソーシャルビジネス的に、生産者が自分で花をつくって自分で値段を決めて出荷することができる状態、これを6次産業化というのですが、そこで生産者とのコラボ事業というのを考えています。私たちは既にネットワークを持っていますので、私たちとコラボすることで、良い商品さえつくれば私たちの手で流通させることができる、というコラボ型の6次産業化を、最初に海老名で行い大成功を収めました。現在は山梨県石和町(現・笛吹市)、千葉県旭市と、3県の農家さんとタッグを組み、自社農場の経営という形でビジネスをさせていただいています。そして非常に良い商品ができまして、私どもの会社でしか買えない品質、ということでブランド化に成功しました。

さらに、企業が障害者雇用の農場をつくり、特例子会社で胡蝶蘭をつくる際、私どもはその導入のお手伝いや生産指導、出荷先の指導などをパッケージ化したものを提供することで、障害者雇用を達成しつつ農業経営を黒字化していくような、社会貢献型の事業を始めています。

一方、福島県では放射能の影響は全然普通なのですが、今でも、口にするものは風評被害によって売れなくなってしまっています。そうして農家の皆さんの生活が危うくなってしまっている中で、復興庁の予算でソーラーパネルをつくっていただき、ある村で胡蝶蘭を生産し、その生産にあたって村の人々に携わってもらうことで雇用を創出する、という事業をすることになりました。障害者雇用、復興事業と、胡蝶蘭というのは社会問題の解決に寄与する植物なのですよ。ですから、こういった事業をこれからも全国的に広げていこう、と考えています。

【聞き手】

このビジネスを26年やっておられて、改めて振り返ってみると、胡蝶蘭ビジネスというのはいかがでしょうか。

【田中】

本当に良いビジネスですよ。

今僕は50歳を過ぎて、キャリアも後半戦に入ってきましたが、最後の最後にやりたいと考えていることがあります。例えば、沖縄美ら海水族館や、旭山動物園、行かれたこともあるかもしれませんが、一生に一度は行ってみたい、と思いますよね。それと同じように、一度は行ってみたい植物園、というのはありますか?

【聞き手】

確かに、言われてみると、水族館や動物園に比べると植物園って、そういう感覚にはあまりならないですよね。

【田中】

一生に一回は行ってみたいと思うような、エンターテインメント性があり、勉強にもなる、そんな植物園を世界に提案したいな、というのが、次の目標として心のどこかにあるんですよね。

【聞き手】

そこには御社がつくられたお花がたくさんあって。

【田中】

全国から、どこでどういう人たちがどういうものを生産している、ですとか、世界中にはこういう植物がある、とか、色々な地域でどういうものがある、ということですね。修学旅行では勉強のために一度は行かなくてはならないような植物園を日本のどこかにつくれれば良いな、と思っています。

社長プロフィール

President's profile
氏名 田中 豊
役職 代表取締役

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