リゾートトラスト株式会社 会員制リゾートクラブ部門において32年連続売上高1位のプライム上場企業 リゾートトラスト株式会社 代表取締役社長 COO(最高執行責任者) 伏見 有貴　 (2024年7月取材)

【ナレーター】
その後、専務取締役、副社長と着実にキャリアを重ね、2018年4月に代表取締役社長に就任。伏見が目指す、リゾートトラストのあるべき姿とは。

【伏見】
ひとつは、家族が誇れる会社にしたいと思っています。我々の提供するサービスが世の中に付加価値を生み出して、従業員の家族も喜んでくれる。それであれば当然本人もやる気になると思います。

また、従業員が社会に対して何を提供しているのか。どういった付加価値を生み出しているのか、弊社の事業は分かりやすいと思います。ですから、従業員の家族が喜んでくれるとうれしいので、それをベースとして考えています。

もうひとつはバランス。お客様が一番なのか、従業員が一番なのか。そのどちらが先でもないと個人的には思っています。

従業員にとっては、お客様の「ありがとう」という言葉が一番うれしいと思いますが、さらに、株主との良好な関係性もつくりながら、会員の方々と我々の関係性も大切にする。

そうやって、いろんな関係でお互いのベクトルをそろえ、一緒に完成させていくビジネスモデルを目指しています。

会員制ですから、非常に長いお付き合いになるわけです。だからこそ、ご家族やお子さま、いろいろな方とつながっていく。一生涯のお付き合いになる方も多く、それこそが我々のブランドアイデンティティーでもあります。

やはり、ビジネスモデルの核は会員制であり、一人ひとりのお客様に寄り添っていきたいと思います。

【ナレーター】
医療・健康面でのサポートや、介護付き老人ホームの運営など、会員の声に丁寧に耳を傾けることで着実に事業を拡大してきたリゾートトラスト。伏見が見据える今後の展望とは。

【伏見】
やはり会員制をベースに考えています。会員の中には余暇の過ごし方や相続でお悩みの方、お孫さんの教育でお悩みの方もいるかもしれません。いろいろな形で引き続きお客様のニーズをこちらから探していくような形をつくりたいですね。

潜在的な部分でお客様が何を求めているか。たとえばホテル滞在中にどういう要望があったのかといった、お客様の声の中から、次の事業の構想が生まれます。

その中に、ビジネス改革もありますし、新しい事業のヒントが山ほどある。お客様にご満足いただけるような、コンテンツが増えていく広がり方がいいですね。

ただ単に会員を増やのではなく、一人ひとりの会員が、我々の提供する新しいコンテンツを複数組み合わせて使うなど、クロスセルによって満足度がさらに高まり、最終的にお客様との接点も増えて、グループ全体のボリュームも大きくなっていく。そんな成長を見据えています。

【ナレーター】
伏見は、ともに働く仲間に対して「常に目標を持ってほしい」と語る。その真意に迫った。

【伏見】
人によって違うと思いますが、仕事に生きがいを持つ人もいれば、夢を実現するための糧だと考える人、家族のために働く人もいます。何が幸せか。それはやはり一人ひとり違うものです。

たとえば、バーテンダーになりたい人。プロのGMになりたい人、料理人になりたい人。そういった目標をしっかりと理解した人が集まる組織は、最強です。

会社にもアイデンティティがあり、個人もアイデンティティを大切にすれば、いろいろなシチュエーションで強い人間イコール強い組織になる。


弊社はいろいろなことに体験し、考える素地が多様にあります。いろいろなことにチャレンジしてもらえるような職場に、もっとしていきたいと思いますね。

ー大事にしている言葉ー

【伏見】
「天の時、地の利、人の和」という言葉です。

ベースは孟子の「天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず」というもので、天の時も重要だけど、地の利の方が重要。

さらに、それよりも人の和が一番大切なので、この3つがそろえば最強だと思っています。

事業を行う時も、タイミングと、我々にしかできないことと、社内の理解。この3つがそろったときに、決断できる。これはどんな仕事でも変わりません。