リゾートトラスト株式会社 会員制リゾートクラブ部門において32年連続売上高1位のプライム上場企業 リゾートトラスト株式会社 代表取締役社長 COO(最高執行責任者) 伏見 有貴  (2024年7月取材)

インタビュー内容

【ナレーター】
50年以上にわたり、人々の余暇と健康の領域において、高品質なサービスを開発・提供するリゾートトラスト株式会社。

会員制リゾートホテルを主軸に、ゴルフやメディカル、シニアライフ事業など、多岐にわたるビジネスを展開し、会員数は20万人以上にのぼる。

近年では、新ブランドの開発や国内外への事業展開を加速させており、日本のクラブ文化の確立に向け、挑戦を続けている

「ご一緒します、いい人生〜より豊かで、しあわせな時間(とき)を創造します〜」をグループアイデンティティに掲げ、躍動する経営者の思いに迫る。

【ナレーター】
自社の強みについて、伏見は「妥協しないこと」だと言い切る。

【伏見】
たとえば、通常のホテル業界はマーケットインで「このぐらいの金額で募集したい」と考えたとします。

当然「原価はこのぐらいで抑えよう」「付帯施設もこのぐらいにしよう」と、いろいろな制限が出てくるものです。すると他社との差別化ができなくなり、価格競争に陥ってしまいます。

そのため我々は、あまり他社を意識せず、いいものをつくるためにコストをかけ、人手をかけたサービスをしていくことをやってきました。

一般のホテルから見たら「どうしてこんなにお金をかけたんだろう」「どうしてこんなに人手をかけているんだろうか」というぐらい、無駄だと思われることをやっています。

しかし、そこで妥協してしまうと、弊社の強みが活かせません。妥協しないところは妥協しない。

そんな中、収益性をどのように上げていくのかというと、会員制であることが強みになっています。これで生産性を上げていこうと思います。

【ナレーター】
伏見の経営者としての強みは、リゾートトラストの全事業を経験したことにある。1990年に入社し、営業職やホテル・レストラン部門など、数多くの事業に携わる中で、特に印象深かったのが、メディカル事業の立ち上げだと振り返る。

【伏見】
当時、最新鋭のPET検査装置(※)は日本の民間ではまだ10台くらいしかありませんでした。大学病院以外にはPETがほとんどない状況だったのです。
※PET検査とは、治療前にがんの有無の確認や、他臓器への転移がないか、治療効果を判定するなど、さまざまな目的で行われる精密検査を指す。

これをビジネスとして組み立てるために、アカデミックなバックグラウンドが必要でした。そこで東京大学と産学連携で事業を立ち上げようと、健診部門のパートナーとして手を挙げ、最終的には選んでいただけました。

メディカル事業でも、我々のビジネスモデルのキーは会員制ということです。何がキーかというと、会員制にすれば、同じ人が毎年同じところで健診を受けます。そうすると、病気になる前のデータがずっと積み重なっていく。

例えば、あるときにがんが見つかったとします。その場合は、発見前の健康データを遡り、もう少し早目にアラートが出せなかったのかどうかということが研究できるようになります。

早期発見、早期治療をすると、最終的には医療費も安く済み、国の役にも立ちます。病院などでは、病気に関するデータはありますが、健常者のデータはありません。でも、会員制でデータを蓄積していくと、健常者のデータの中から病気の予測も可能になります。

そうしたデータがつかめるというモデルができたと思います。

それからもうひとつ。PET検査の先駆者としてのリゾートトラストは、関連会社のハイメディックが窓口です。医療業界でハイメディックは名が通っていますので、多くの大学病院から、アライアンスを組まないかというお声がけをいただけるようになりました。

それにより、我々もメディカル事業の最初として根を張ることができたと思います。

【ナレーター】
メディカル事業の立ち上げを経て、伏見は、新規事業参入に際して、あるひとつの決まりを設けたという。

【伏見】
必ず一番になれるところで勝負を始めようということです。

突然、医療業界に参入して、その中で戦えるわけがありません。ですから、たとえば検診に特化していく。最初はがん、心疾患、脳疾患の3つの検診に絞って、早期発見に注力しました。

その中でも、富裕層や、毎年必ず受けてくださる方など、どんどんターゲットを絞っていく。そこで結果を出し、対象の病変発見を増やしていく、それによりご家族などターゲットも増やしていくなど、事業を少しずつ大きくしていけばいいと思っています。

尖った部分をどんどん増やしていくと、最終的にもっと大きな尖りになっていく。そういう戦略を常に考えていますから、メディカルで培った成果を、他の事業でも展開しています。

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経営者プロフィール

氏名 伏見 有貴
役職 代表取締役社長 COO(最高執行責任者)
生年月日 1965年8月19日
出身地 愛知県
略歴
1990年 4月 リゾートトラスト株式会社入社
2003年10月 当社 経営企画室長
2005年 6月 当社 取締役 経営企画室長
2006年 7月 当社 取締役 経営企画・広報部門管掌 兼 広報部長
2007年 7月 当社 取締役 メディカル事業本部長
2009年 6月 株式会社CICS 代表取締役(現任)
2013年 6月 当社 常務取締役 メディカル事業本部長2014年 4月 当社 専務取締役 メディカル本部長
2014年 6月 株式会社東京ミッドタウンメディスン 代表取締役(現任)
2014年 6月 トラストガーデン株式会社 代表取締役
2014年 6月 トラストグレイス株式会社 代表取締役
2015年 6月 株式会社ハイメディック 代表取締役(現任)
2016年 5月 当社 取締役副社長 メディカル本部長
2018年 4月 当社 代表取締役社長 COO 就任(現任)
2019年 9月 株式会社シニアライフカンパニー 代表取締役(現任)
2021年 6月 株式会社コンプレックス・ビズ・インターナショナル 代表取締役
2021年 6月 RTCC株式会社 代表取締役
2022年 3月 株式会社ウェルコンパス 取締役(現任)

会社概要

社名 リゾートトラスト株式会社
本社所在地 愛知県名古屋市中区東桜2-18-31
設立 1973
業種分類 サービス業
代表者名 伏見 有貴
従業員数 8,404名
WEBサイト https://www.resorttrust.co.jp/
事業概要 会員権事業、ホテルレストラン事業、ゴルフ事業、メディカル事業、 シニアライフ事業、その他の事業
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