【ナレーター】
加藤の取り組みが功を奏し、危機を乗り越えたWAmazing。困難に直面し、それを乗り越えるために大事にしていることについて、独立時のエピソードを引き合いに、次のように語る。
【加藤】
一回覚悟を決めたら、その方針が間違っていない限り、新しい材料が出てこない限りは貫き通すということが大事ではないかと思います。
正しい方向に正しい戦略で継続して挑んでいれば、いつかタイミングが合ったときに必ず成功します。それは、前職時代の新規事業開発経験でもずっと体験的に学んできたことでした。
また、コロナ禍のような状況になると被害者モードになりがちです。「私、何も悪くないのに、こんなつらい思いをして」と。
でも、客観的に自分を顧みると、誰に頼まれたわけでもなく、私がやりたくて起業した会社だ、という思いもありました。
ただそうすると、すべては自分でやりたいからやっているという自責の話になるので、つきつめてしまうと、生身の人間ですからしんどいところも出てきます。
そういうときは好きな理論を軸にして考えると良いですね。私の場合は「自分の機嫌は自分でとる」という考え方が好きで、起業家には必要なことだと思います。
そして、20億円近い資金調達をしているうえ、私がやりたいことに賛同してくれる仲間でもある従業員が、100人以上いることに対する責任感もありました。
【ナレーター】
「訪日外国人旅行者が知らない日本との出合いを通じて、感動の提供をしたい」と語る加藤。自社の使命について、ビジョン、ミッション、バリューを用いて次のように語る。
【加藤】
「日本中を楽しみ尽くす、Amazingな人生に。」というのがビジョンです。
ミッションとしては「地方経済・日本経済の再興をインバウンドで実現」したいと思っています。
バリューは「旅する人と迎える人、それぞれに寄り添う、マッチングプラットフォーム」です。地域はそれぞれ、おいしいご飯、素晴らしい文化・芸能、素敵な宿泊施設などのプロダクトを持っています。
よくプロダクトアウト型がいいのか、マーケットイン型がいいのかといった議論がありますが、本当は両方が必要です。
地域が提供するもの、旅行者が欲しいもの、それをうまく融合させ、翻訳して、マッチングするというのが我々の役目だと思っています。
インターネットや多言語翻訳なども通じて、外国人旅行者の方がちゃんと見て、知って、事前に購入できるように整えるというのも我々の仕事ですし、両者に寄り添って、いいマッチングが起こるようにサポートするのが、企業としての提供価値かなと思っています。
【ナレーター】
ともに働きたい人材像について、加藤は次のように語る。
【加藤】
自分の頭で考えて自分で行動する人を求めています。
私たちは社外の人たちに価値を提供することで、利益が生まれ、お給料をもらいます。ですから究極は、私たちの上司は社外にいるはずです。
その社外の上司である旅行者の視点と、受け入れる地域側の気持ちに寄り添うことができ、どのように自分が動けば両者のマッチングができるだろうということを、自分の頭で考えて行動できる人が望ましいと考えます。
そういう方を当社は求めていますし、当社で成長してほしいと思います。その人自身のキャリアとして、人生として、成長するのを阻害しない環境を提供したいですね。
ー大事にしている言葉ー
【加藤】
「運命がレモンをくれるならば、それでレモネードを作ってみようじゃないか」という言葉です。
実際にWAmaizingはコロナ禍にあっても、いいこともたくさんありましたので、物事をポジティブに捉えて、ピンチに見えるものもチャンスに変えて進んでいく、トライしていくことはとても大事だと思っています。