株式会社みすずコーポレーション 「いなりあげ日本一の景色を見よう」君臨する上場企業に挑め。倒産危機迫る老舗メーカー 20年の戦い 株式会社みすずコーポレーション 代表取締役社長 塚田 裕一  (2023年9月取材)

インタビュー内容

【ナレーター】
味付けいなりあげは会社の業績を大きく伸ばし、主力商品として確立された。その後も順調に成長を続けるみすずコーポレーション。多くの挑戦を乗り越えた塚田が成功させるために意識していることとは。

【塚田】
他社にないところは、「何なんだろう」と突き詰めていくこと。ほんのわずかでもいい。細かいことの積み重ねが大きな変化、大きな差につながるものです。

例えば袋を開けるときの「ノッチの位置が嫌だ」というお客様が、わざわざ違うところに行って購入する。そういうことはよくある話だと思うんですよね。なので、そうした細かいことを突き詰めて、積み重ねていく。

戦う以上は勝たなきゃいけないので、どうやったら勝てるかは常に考えていかないと。営業であろうが生産であろうが、細かなことを相手以上に努力をして、諦めないでやる。

「できない」っていうのは簡単なんですけど、そこをブレイクスルーしていかないと前には進みません。

それはこれからも社員のみんなに伝えていきたいことですね。

【ナレーター】
昨今、注目を集める、大豆を原料とする疑似肉に代表される「代替食品」への塚田の見解と、見据えている展望とは。

【塚田】
本当に売れる商品で「おいしい」といってもらえるものをつくっていきたい。大きな市場を狙わなくても、世の中にないものはたくさんあります。

例えば、海苔。最近、海苔は採れなくなってきています。コンビニさんでも海苔を使わないおにぎりなどがたくさん出てきている中で、海苔屋さんだって海苔が採れなくて困っているわけですから、その代わりになるシートみたいなものをつくるとか。そんなふうに代替できて、しかも体に良い商品は考えていきたいなと思います。

【ナレーター】
長野県に本社を置く自社の人材採用について塚田は、近年の傾向を踏まえて、次のように語る。

【塚田】
新人が生涯ひとつの会社に勤め続けるためには、マッチングを細かくしないと難しいと思っています。なので、中途採用でIターンをしたい人。こういう人を探していますね。

ここ(長野)にいられる事情があれば、うちは働きやすい会社だと思います。「中小企業だけど、小さくて強い会社だから面白いね」と説明ができれば、若干名でも来ていただけるのではないかと考えています。

-大事にしている言葉-

【塚田】
「価値とは変化に対応することである」。

これは、社員のみんなにもずっといっている言葉です。時代が変われば、その商品に拘泥することなく変えていかないと。会社の形もすべて変えていかないといけないので、それは常に考えていることですね。

商売は、相手がいるもの。だからこそ、お客様に本当に喜んでもらえる商品を提供し続ける。食べ物の場合は「おいしい」といってくれる商品しか残れません。

できない理由はいくつでも並べられますけど、できない理由はいらない。とにかくやらないと。そこを突破していかないと1位にはなれないですし、1位にならないと生きていけない。これからは特に、そういう時代になると思います。

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経営者プロフィール

氏名 塚田 裕一
役職 代表取締役社長
生年月日 1958年8月27日
出身地 長野県
座右の銘 不易流行
愛読書 『こうして会社を強くする』稲盛和夫/PHP
尊敬する人物 稲盛和夫氏
略歴
1980年成蹊大学法学部卒業後、株式会社加ト吉(現テーブルマーク株式会社)入社 食品業界の経験を積み、みすゞ豆腐株式会社(現株式会社みすずコーポレーション)入社 2001年代表取締役社長に就任

会社概要

社名 株式会社みすずコーポレーション
本社所在地 長野県長野市若里1606
設立 1949
業種分類 食料品・飲料製造業
代表者名 塚田 裕一
従業員数 897人(令和6年3月現在)
WEBサイト https://www.misuzu-co.co.jp/
事業概要 凍り豆腐、油揚げ、味付け油揚げのレトルト食品・チルド食品、シート食品他の製造と販売
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