
インタビュー内容
【ナレーター】
リーマン・ショックの影響で不動産業を始め、多くの企業が経営不振にあえぐ中、イエローハットも例外ではなかった。その要因と堀江が行なった構造改革とは。
【堀江】
また地方の拠点管理を一カ所に集めたものだから、給料が一律して高くなってしまいました。
地方の給料を東京と同じ給料にしたら1.2倍程になります。有給だって当時は95日くらいが東京の場合110日~120日じゃないですか。全然給与体系が違うんですね。
しかも一つの会社にして目が届かなくなってしまったので、倉庫から商品はなくなる、ガンガン無駄遣いしていて領収書を本社に流せば全部通ってしまう。
子会社なら「これは必要ないだろ」と言えますが、そんなこともなく、もう何でもOK。当時の幹部は、そういうのが分かってなかったからやっちゃったんですね。
仕事が終わった後に研修となった時も、弁当を出して、自分たちのところでやればその場でできますが、一回でまとめて東京でやったら全部残業になりますし、朝少し早く来てちょっと掃除しただけでも残業扱い。
あれもこれも残業となると、その数が膨大になるじゃないですか。要するに時間イコール仕事になってしまって、社風もばらばらになってしまって、そうなると人間性もなくなってしまうんですね。
あまりに大きくしてしまったので、やっぱりある程度目が届く範囲で社員教育をしていかないといけないと思います。ですから僕がいつも言っているのが、100人をひと単位だということで、100人くらいで1人の社長で会社という形でやっています。
現在、32くらいの会社があってそれぞれに社長がいます。そういうやり方をしてコントロールをして、社員教育などもしてやる気も起きるようにしています。
【ナレーター】
逆境を跳ね除け、その後、業界が縮小する中で2018年3月期より3期連続での増収増益を実現。2020年は、様々な変化があったことで車に対する価値観も見直されつつあると堀江は言う。
【堀江】
車は非常に便利だと思います。猛暑で、暑い中歩いて買い物なんてやれないですよ。土砂降りの時だって歩けませんよ。車でちょっと行けばいいじゃないですか。車はとても便利ですよ。
今近隣のドライブというかツアーをやり始めています。星野リゾートの星野さんが話していましたが、やっぱり近隣の旅行は増えると思いますし、だんだん範囲も広がっていくと思いますけど、改めて近くのツアー。それをする人が増えてくると思いますから。
やっぱり電車だと嫌だなとなりますが、家族の場合はコロナのことを気にしなくてもいい可能性があると思いますし、車の中で3人、4人の密室だったらコミュニケーションも取れます。
車の良さは見直されるだろうと僕は思いますけどね。
【ナレーター】
堀江が描く、イエローハットの未来像とは。
【堀江】
私はこの会社がずっと長く存続してほしいなと思っているのが一番なわけです。
働いている社員もいますし、途中で会社がつぶれたらかわいそうだからできるだけ長く存続してほしいと思っています。世のなかの役に立つ会社であってほしいというだけのことですね。
コツコツとまじめにやっていって工夫していけば自然と数字は伸びてくるし、業界の地位も上がってくるという考え方だけですからね。
あってよかったという店になったら継続的に存続できると思います。だから変な安売りはしていませんよ。要は10円とか100円とか無料とか、ずる賢い広告ってあるじゃないですか。そういうのはやめておこうと。
例えばタイヤ交換無料なんてできるわけがないんです。人件費がかかっているのだから。つまり無料でやるということは、どこかでごまかしていることが見え見えじゃないですか。
そういう商売はやめるべきだという話だから、弊社は作業工賃取り付け無料はやっていません。ナビゲーション取り付け無料なんてやっていません。タイヤ交換、工賃無料なんてやっていません。
他社がやろうが弊社ではやらないという考え方です。日本がそういうことはやるべきではないと、世界で率先してやるべきだと思いますけどね。
-視聴者へのメッセージ-
【堀江】
とにかく1回イエローハットに来ていただきたいなと思います。
今でも全く来たことがない人がものすごく多いんですよね。聞いたことはあるけど来たことがない。特に女性は全く来たことない人が多いですね。
昔は店が汚いとか、タバコ臭いとか、休憩所が怖いとか色々あったのですが、今はとっくに変わって休憩所も明るくなっていますし、水は無料ですし、女性週刊誌もおいています。
「えっ、こんな店なの」という感覚を持つ人が多いと思いますから。若い女性を始め、だれでも来たことがない人は一度来てもらいたいですね。
価格はそんなに高くないです。ディーラーさんより同じ条件で値段は圧倒的に安い。非常にリーズナブルですから。いい商品がいっぱい置いてありますから、ぜひ来てほしいと思いますね。

経営者プロフィール

氏名 | 堀江 康生 |
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役職 | 代表取締役会長 |
生年月日 | 1952年1月27日 |
出身地 | 京都府 |
座右の銘 | 「もっと感動、もっとしあわせ」※ ※人生は限られています。意外と残された時間は短いものです。「何にでも興味を 持って(感動する心を持って)、人生をもっと楽しく、もっとおもしろく、そし てもっとしあわせに過ごす」という考え方で生きています。その中で、特にカー ライフ(ドライブ)を通じて、「みんなで感動としあわせを創りだそう」という 想いです。 |
愛読書 | 百田尚樹 作品(海賊と呼ばれた男、カエルの楽園、モンスター、鋼のメンタル、etc) |
1997年 6月 取締役 営業管理部長
2000年 10月 取締役 営業副本部長 兼 営業管理部長
2001年 6月 常務取締役 営業本部長 兼 営業管理部長
2008年 6月 常務取締役
2008年 9月 代表取締役
2008年 10月 代表取締役社長(現任)
会社概要
社名 | 株式会社イエローハット |
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本社所在地 | 東京都千代田区岩本町1-7-4 イエローハット本社ビル |
設立 | 1962 |
業種分類 | 卸売業 |
代表者名 |
堀江 康生
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従業員数 | 3,923名(連結) |
WEBサイト | https://www.yellowhat.jp/ |
事業概要 | カー用品等の販売(卸売及び小売) |