【ナレーター】
そして独立から12年後の2008年に株式会社へと組織変更を果たす。後押しとなったきっかけとは。
【荻島】
コンピューターが出る時期にコンピューターの世界に入り、インターネットが出るタイミングで独立して、次のタイミングはクラウドというものが出るときだったのです。
実は当時在籍していた会社でもクラウドでやりたいという話はずっとしていましたが、当時はその会社でも自分たちでクラウドをやらなくてはと思いつつ、とてもではないが一社でやるようなものではないというところがありました。
そんなクラウドが台頭してきたという環境が、株式会社化を後押ししたということはあります。
【ナレーター】
その後、イベントへの出展の話をパートナー企業に持ちかけられ、二つ返事で了承。
過去の知見を駆使し、3ヶ月という短期間で入札管理システムのプロトタイプの出展を実現させた。このときの経験が、後のチームスピリットのプロダクト開発につながったと荻島は言う。
【荻島】
展示会に来たお客様に、これは誰のためのサービスかと聞かれたので、官公庁の人や入札を必要としている人のためのものだとお話すると、「いや、その上の人たちは正しい結果を出したいなんて誰も思ってない、出したいと思っている会社が出せるシステムなら売れるだろうけど、それは無理だね」と言われました。
その時、なるほど、これがプロダクトアウトというものかと思いました。
それは統計の技術で結果として正しいものを取ってウエイトを決めていくシステムでしたので、展開していけばいわゆる人事評価のようなものに使えるのではと思ったのです。
しかし人事評価をするためには色々な情報が必要です。そのうち重要なものの一つが労務系のデータですし、我々が大きな会社になるためには労務をしっかりしなければいけないということもあり、では勤怠管理に取り組もうということになりました。
世の中の人からすれば全然つながらない話でしょうが、結果的には勤怠管理のサービスをつくるという形になりました。
【ナレーター】
その後、勤怠管理サービスのブラッシュアップを続け、『TeamSpirit』を「働き方改革プラットフォーム」として展開。今後、このサービスをどのような形へ昇華させようとしているのか。
【荻島】
クラウドというものが出てSaaSという時代になり、そのサービス利便、便益、そういうものをお客様に提供する会社になりたいのです。
一つのプログラムを全てのお客様に使っていただいているので、ある一社から要望を受けたとしても、一般的にはプラスアルファのお金をいただくところ、一切お金いただかなくても多くの人たちがそのサービスを支えることでどんどんより良いものになっていく。
それが徐々に大きく膨らんでいくモデルにしていきたいというのがひとつありますね。
【ナレーター】
求める人材像について、荻島は次のように語る。
【荻島】
お客様の価値を生み出すためにアイデアを生み出して、それを実行に移せる人。それが一番ですね。
二番目は、信頼できる人。そういうことを実行するということは、本当に新しいことにチャレンジしていくことなので、本当にうまくいくかどうかなんてわからない、非常に恐怖を伴う冒険になります。
そういうところに行くならどういう人と働きたいかというと、やはり信頼できる人です。誠実で、ちゃんと互いにリスペクトしあっていけるような人が、二番目のコアバリューですね。
三番目は、先ほど言ったように大きなビジョンを描いたうえで、まずは飛び込んで失敗して、そこから学ぶというタイプです。
【ナレーター】
新型コロナウイルスの感染拡大によって変化しつつあるビジネスパーソンの働き方について、荻島は時間ではなく成果で評価される傾向が強くなると語る一方で、次のように付け加える。
【荻島】
成果で出すとなったときに、何が成果なのか、どうやったらそれが出せるようになるのかということをセットで提供しておかないと、間違えた成果主義になってしまいます。
同じやり方を1.5倍やれば成果が出るからそれを成果主義といっている人も中にはいるので、そうではなく同じ時間もしくはそれより短くても、できれば10倍以上の成果を出すという方向に、セットの場合は変えていくべきだと思いますね。
【ナレーター】
荻島が語る、チームスピリットで実現したい世界とは。
【荻島】
我々のミッションは「すべての人を、創造する人に。」です。
自分一人で生きられるということは昔だったらあったかもしれません。自給自足もできたかもしれませんが、今はもうなくなってきていて、どんな人も誰かが使ってくれないと意味がない時代になっています。
もう片方ではIoTやAIなどITが普及してきて、繰り返しの作業というのはそういうものにやってもらえばいいという時代が来ており、益々一人ひとりの人のオリジナリティ、クリエイティビティというものが求められる時代になっていると思います。
我々としてはそういう全ての人をそのように創造できる、創造する人になるように、まず一つは無駄な作業はやらなくてもいいように『TeamSpirit』という製品で無駄な作業をなくし、10倍、20倍に成果を生み出すような方法論もセットにして、いずれは提供したいですね。
-視聴者へのメッセージ-
【荻島】
チームスピリットの荻島でございます。いつもお世話になっております。
我々は『TeamSpirit』という勤怠管理や経費精算、工数管理といったサービスを一つにしたサービスを提供させていただいております。
それらが一つになってどんな意味があるんだ、効果があるんだとよく言われるのですが、担当者の方が効率化するという観点はもちろん、我々が目指しているのは、それを使った社員の人たちが活性化できるようなサービスにしていきたいと思っております。
経営者の皆さんにとっては、自社の社員の方々が活性化して、さらにアウトプットを出していただけるということが一番の目的ではないかと思います。
そういうことが実現できるようなサービスにこれからもして参りますので、ぜひこれからもごひいきにしていただければと思います。よろしくお願いいたします。