フリュー株式会社 プリントシールという文化を醸成した「フリュー」進化の秘密と挑戦 フリュー株式会社 代表取締役社長 三嶋 隆  (2021年5月取材)

インタビュー内容

【ナレーター】
営業を経験した後は経理部門へ異動。専門学校に行くなどして経理の能力を高め、それが評価され、当時全く成果を上げられていなかったプリントシール事業を撤退させる指令を受ける。

しかし三嶋は、参加した会議の中でこの事業の大きな可能性に気づいたという。

【三嶋】
当時20人ぐらいいたプリントシール機の部門に入り込み、どうやって閉じようかと、みなさんとはまったく逆の観点で事業をずっとながめていました。ひとつわかったことは、これは消耗品ビジネスモデルだということ。

機械を売ったあとに、コンスタントに消耗品が売れていくのです。営業的に考えると楽ですね。1台機械を売れば、そのあと何年間か売り上げが続くんですよ。ですので、このビジネスモデルはいいと思いました。

プラスして、そこから携帯端末に送ると、月額会費までもらえるのです。なんていいビジネスモデルなんだと。

ただでつぶしたらもったいないと思いながら、20人ぐらいのメンバーのミーティングに参加しました。今の女子高生はこんなことを考えているから、こういう機能を付けよう。実現させたらすごいことだと。

目がキラキラしている従業員のなかで仕事をするのって、面白そうだと思ったんですよ。ですので「この事業を売ってください」とオムロンと交渉しました。

そしてオムロンから事業を買い取って独立して、それを上場させて今に至ります。

【ナレーター】
プリントシール事業に商機を見出し、2007年にフリューとしてオムロン子会社であるオムロンエンタテインメント株式会社から独立後、順調に成長を続け、2015年に東証一部へ上場。

この成長を実現できたキーワードが“5%成長”だ。この言葉の真意に迫った。

【三嶋】
これは高い目標ではなくて、小さい目標でいいと言っているのではありません。この背景には、個人一人ひとりの成長の合計が会社の成長につながる。こういう考え方を持っています。

要は、会社って勝手に成長しているのではなく、一人ひとりの社員が成長して、結果として会社が成長しているのです。

たとえば急激に大きくなった事業や会社は、人がどんどん新しく入ってきます。風土や文化があまり形成されていないイメージです。

どんどん大きくなるところもありますが、それでは長持ちしない、ゴーイングコンサーンを続けられないのではないかと思ったのです。

そのようなことを考えて、振り返ってみれば年率5%成長をずっと続けてきています。

【ナレーター】
そして2018年、三嶋は代表取締役社長へ就任。社長就任時から一貫して大事にしているというあることとは。

【三嶋】
大事なことは継続だということです。

社長に就任以来、毎月「仕事自慢」という場で、全社員を前に直接メッセージを発信します。先ほども言った動的ビジョンも大事ですよ、今会社はこんな状況です、こんなことをやりたいです、このようなことを大事にしましょう、と同じことを毎月言い続けているのです。

私はすごく難しいことを1回だけ言うよりは、同じことでいいから100回繰り返して言ったほうが、価値があると思っています。

理念や風土、価値観みたいなことは、100回でも1000回でも繰り返して言おうと考えています。それを実践しているのがフリューという会社です。

【ナレーター】
ビジネスパーソンとして成長するための考え方について、三嶋は次のように語る。

【三嶋】
高い目標設定をすると、失敗をたくさんします。失敗をたくさんしても、そこで挫折さえしなければ、やり続けていればいつか成長できるのです。

そう信じていれば、絶対に人は成長できます。

なかなか自分の成長は実感できないものですが、1年前の自分を振り返って、比べてみてください。みなさんはきっと、1年前に比べて今の自分は成長しているはずです。

だから、1年後の自分をもっと高い位置に置き「もっと高いところへ行くぞ」と考えてみたら、ずっと成長できると思います。

【ナレーター】
三嶋が見据えているフリューの未来像とは。

【三嶋】
プリントシール機の会社から、ガールズトレンドの会社だねと言われるようになりたいと思っています。そのためには今、世の中で流行りのAIやアルゴリズムを使います。

ただ、お客様で収益を上げる、儲けるというイメージではありません。

一人ひとりのガールズをハッピーにさせるために、「この人にはこういう洋服が似合うよ」「こんなメイクアップが似合うよ」「メイクでここを改善したら、とても可愛くなる」。そういうことをどんどん提供していきたいと思います。

人生に寄り添いながらオンライン・オフラインといろいろな事業を用意し、一人ひとりのガールズをハッピーにするために、事業を大きくしていくことがひとつの方向です。

もうひとつは、今私たちは、全世界の中でも日本のキャラクターは非常に貴重な財産だと思っています。フィギュアやぬいぐるみなどをつくって、キャラクターマーチャンダイジングというビジネスを日本国内で大きく進めています。

これは、そのまま世界に持っていきたいと考えています。

キャラクターをお借りし、それを様々な商品に展開して、世界に広げていく。IP(知的財産)で世界のファンのこころを満たす。これが、もうひとつの未来の方向です。

-視聴者へのメッセージ-
【三嶋】
世の中には、どうにもならないことがたくさんあります。みなさんも、気に病むこともたくさんあると思います。どうしようもないことを気に病むより、今できることに集中しましょう。

今できることに集中し、一つひとつ解決していくことで、みなさん一人ひとりが成長できると私は信じています。

チャレンジしましょう。フリューと一緒にチャレンジしましょう。

命は取られませんから、思いっきりチャレンジしたらいいと思います。その結果、失敗することもあるかもしれません。失敗しても、なにかを手に入れることができる。

自分の成長の要素は少しずつあります。少しずつ自分を成長させながら、大きなチャレンジをして、一緒に成長していく。そんな人物を、フリューは望んでおります。

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経営者プロフィール

氏名 三嶋 隆
役職 代表取締役社長
生年月日 1965年10月26日
出身地 熊本県
座右の銘 敬天愛人
愛読書 自分の小さな「箱」から脱出する方法
尊敬する人物 西郷隆盛
略歴
1988年4月 立石電機株式会社(現オムロン株式会社)入社
2003年7月 オムロンエンタテインメント株式会社 経営戦略部長
2004年3月 オムロンエンタテインメント株式会社 経営管理部長
2007年3月 フリュー株式会社 取締役・経営管理部長
2018年6月 フリュー株式会社 代表取締役社長

会社概要

社名 フリュー株式会社
本社所在地 東京都渋谷区鶯谷町2-3 COMSビル2F
設立 2007
業種分類 機械
代表者名 三嶋 隆
従業員数 495名※2023年3月31日現在
WEBサイト https://www.furyu.jp/
事業概要 「人々のこころを豊かで幸せにする良質なエンタテインメントを創出する!」の企業理念のもと、プリントシール、キャラクター・マーチャンダイジング、コンテンツ・メディア、ゲーム/アニメと、様々なエンタテインメント事業を展開。2015年12月に東証一部へ株式を上場。
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