インタビュー内容
【ナレーター】
仕事の真の面白さに気づいた榎本はその後、同社の製品と連動するアプリの総責任者や執行役員など、順調にキャリアを重ね2025年6月に代表取締役社長に就任した。当時の心境を、こう振り返る。
【榎本】
正直言って「ちょっと損だな」と思ったのが事実です。と言いますのも、フリューの主力事業であるガールズトレンドビジネスがその頃少し不調でして、「ちょっと損だな」とは思いつつも、会社全体のポテンシャルでいうと非常にあると思っていました。
ガールズトレンドビジネスに関しても、今は調子が悪いけれども、やり方次第でもう一回しっかり伸ばせるというような、そういうところは思っていましたので、「じゃあそういう中で何を強化していくか」というところを考え始めました。
【ナレーター】
ここは、フリュー本社の中にあるプレスルームだ。設置されているプリントシール機の特徴について、解説してもらった。
【榎本】
大人の方が見たら全部同じに見えるかもしれませんが、それぞれ特徴がありまして、こちらの「EVERFILM(エバーフィルム)」だと、ちょっと新しい撮影体験というのを目指しています。
ここにあるように、盛れるのはもちろん、テーマを選んで撮影を楽しめるプリントシール機を出したりだとか、「Bloomit(ブルーミット)」という春に出したプリントシール機では、大人数で撮影ができるようにしました。
卒業シーンですとか、入学でお友達ができたときにグループで撮れるようなものを目指して作ったプリントシール機となっています。
こちらは人気のある「初音ミク」というIPを活用したデザインを搭載したプリントシール機となっております。
この7月に中国で大型イベントがあったのですが、そこにこのプリントシール機を出展しました。今、グローバルで日本のプリントシール機が通用するかどうかというテストマーケティングを行っているところです。
【ナレーター】
日本国内で展開する製品とどう異なるのか、担当者とともに実演をお願いした。
【担当者1】
シールのデザインが計4セット入っています。
この1、2、3、4個入っているのですが、この1番目のデフォルメされた初音ミクだったりとか、フリューオリジナルぬいぐるみシリーズ『もちぴこ』は、実際にブースで販売もしていて、グッズをその場で買って一緒に撮るということもできます。
右手は右を操作するよ、と書いてありますが、ここから急に分断されるのが一番中国のユーザーさんが混乱するところです。直感的にはどうしても分からないので、ここで説明をしています。
【ナレーター】
今後、中国市場でどのような製品展開を計画しているのか、同エリアのマーケティング担当者に話を伺った。
【担当者2】
例えばですが、映画館という場に対して、中国の最大手の企業様と提携・連結を行いながらトライアル施策の計画を行っています。
ここに対して、フリューのプリントシール機であったり、フリューが手がける可愛いぬいぐるみやフィギュアなどの物販を展開することで、双方のブランディングを図ろうという計画を立てています。
【ナレーター】
「人々のこころを豊かで幸せにする良質なエンタテイメントを創出する!」という企業理念の実現に向け、組織風土の改革を中心に、今後、新たな挑戦をどんどんしていきたいと語る榎本。思い描く展望とは。
【榎本】
事業戦略に関しては、もともと戦略本部という形で3年ぐらいそこで事業とのコミュニケーションは取っていました。
いいものは上から強制的に「やれ」と言われて作れるものではないので、それよりは自発的にみんながワクワクしながら働けるようにしていきたいと思っています。ですから、そういう中で風土をもう少し成長させるために意識を変えていきたい、というのがあって、今そこに手を付けているところです。
目指すべき風土というのを一文で分かりやすくまとめ、「私たちはチームワークを大切にして成長します」という、すぐに覚えられるようなキーワードを社内に打ち出したところです。
いくら仕事ができる人でも、チームワークをないがしろにして一人で突っ走るようでは、会社での成果はなかなか出ません。そういうところを一緒になってチームとして動けるような、そういう意欲が高い方を求めています。
大切にしているのが、社員それぞれの「動的ビジョン」という考え方です。それぞれの人が「自分がやりたいこと」「自分が今できること」と「会社としてやらなければいけないこと」、そういうものを重ね合わせたところをしっかりやりましょう、という考え方があります。
毎年できることが増えるということは、イコール成長しているということなので、そういうのをしっかりとそれぞれの人もやりながら、会社自身も成長させて、会社自身の価値を上げていきたいと思っています。
【ナレーター】
エンタテインメントを通じて世界中に笑顔を届ける。その思いのもと、フリューは歩みを進めていく。
経営者プロフィール
| 氏名 | 榎本 雅仁 |
|---|---|
| 役職 | 代表取締役社長 |
| 生年月日 | 1974年2月20日 |
| 出身地 | 京都府 |
| 座右の銘 | 企画者は24時間企画のことを考え続けるべき (フリュー創業者:田坂吉朗氏) |
| 愛読書 | 人間喜劇(バルザック) |
| 尊敬する人物 | 古森重隆/稲盛和夫/ココ・シャネル/うずまきナルト |
オムロン株式会社、オムロンエンタテインメント株式会社、株式会社ゼロ・サムを経て、2009年にフリュー株式会社へ入社。
ピクトリンク事業部長や戦略本部長などを歴任し、2025年6月より代表取締役社長に就任。
会社概要
| 社名 | フリュー株式会社 |
|---|---|
| 本社所在地 | 東京都渋谷区鶯谷町2-3 COMSビル2F |
| 設立 | 2007年 |
| 業種分類 | 機械器具製造業 |
| 代表者名 |
榎本 雅仁
|
| 従業員数 | 537名 ※2025年3月31日現在 |
| WEBサイト | https://www.furyu.jp/ |
| 事業概要 | 「人々のこころを豊かで幸せにする良質なエンタテインメントを創出する!」の企業理念のもと、多様なエンタテインメント事業を展開する。主に、キャラクターIPをアミューズメント専用景品のぬいぐるみやホビーフィギュア、ゲーム、アニメ等に多角的に展開する「世界観ビジネス」と、創業事業であるプリントシール機及び関連サービスを軸として若年女性をメインターゲットとした「ガールズトレンドビジネス」が強み。それぞれのノウハウを活かし新たな事業へも挑戦している。2015年12月に東証一部へ株式を上場。2022年4月プライム市場に移行。 |