【ナレーター】
しかし、音楽事業は中々軌道に乗らず、短期的な仕事を受託しながら経営する日々が続く。
当時の心境についてこう振り返る。
【鮄川】
次の仕事が取れるかどうかわからないみたいな状況はずっと続いていて、それも大変だったんですけれど、この状態がいつまで続くのかという不安も大きかったです。
稼ぎがある事業を(稼ぎがない)プロダクト事業に投資をしていくので、前者に属していた社員で思ったほど自分たちのほうに投資をしてもらえないと感じている人も少なくありませんでした。
かたや赤字状態の事業の社員たちも可能性はあると思いながらもプレッシャーを感じながら事業をやっていたので、組織の中が徐々にギスギスしてきたときは結構辛かったですね。
【ナレーター】
事業の低迷により悪化してしまった組織コンディションを修復するために鮄川が起こした変化とは。
【鮄川】
やっぱり事業がうまくいくというのが何よりなので、今も『モンスターチャンネル』という名前でやっている、店舗向けの音楽、BGMなど多様な楽曲を活用して届けるサービスをサブスクリプション型に転換して、それで軌道に乗っていったんです。
それから、ベースとなるカルチャーとかミッションとかそういったところを共有できる仲間を増やそうということで、新卒も含めて採用というところにより力を入れました。
今すぐ活躍できる人だけではなくて、ポテンシャルをもっていて将来、経営幹部になれるような人を採用していくという意味で、新卒採用を始めましたね。
【ナレーター】
事業を軌道へ乗せることができた鮄川は、その後も変化を続け、現在の事業へと辿り着く。グローバル企業として社会に貢献したいという想いに行き着いたきっかけについて、次のように語る。
【鮄川】
日本でのシステム開発を一部中国に会社をつくって行なうということを2000年くらいからやっていました。そのときは私もマネージャーをしていて、日中でのプロジェクトのブリッジをしていましたね。
信頼関係ができれば国籍も国境も人種なども乗り越えられるし、それで一緒にものづくりをしたときの喜びを共有するというのは、大げさにいうと世界平和みたいなところにもつながっていくと思っていまして。
そういう、世間で報道される日中関係みたいなものと、我々が仕事で築く信頼関係や仕事を一緒にやっていく喜びみたいなそういうものとのギャップがあったときに、仕事を通じてできることというのはものすごくあるのだと思いました。
国境を越えて政治的解決ではない形で、民間で信頼関係を取り戻していくみたいな、そういった経験をしたことが社会人になってからのきっかけですかね。
【ナレーター】
パレスチナのガザ地区など、雇用機会が著しく低い地域でのプロジェクトも手掛けているモンスターラボ ホールディングス。このプロジェクトに込めた想いに迫った。
【鮄川】
ガザは(2021年4月時点で)200万人くらい人口がいます。
国境がほぼ封鎖されている状態なので、物理的な制約によって外との貿易やビジネスがしづらい状態なんです。それによる政治的な混乱もあって、若者の失業率は60~70パーセントぐらいになっているような非常に厳しい状況でして。
仕事というのは誰かが対価を払うことによって、自分が社会に貢献している、社会の一部であるという証にもなると思っていて、それが得られないというのは本当に自分のアイデンティティがつくれないということになっていくと思います。
そういう意味で、このデジタルの世界というのはパソコンとインターネットがあれば世界中どこでも仕事ができるので、物理的制約を超えられると思っていまして。
そういう地域の若者に対しても、仕事の機会を提供してチャンスをつかめる。そんな会社、そんな場所をつくれる会社になっていきたいと思っています。
【ナレーター】
求める人材像について、鮄川は次のように語る。
【鮄川】
いろいろな価値観やバックグラウンドをもった人たちと仕事をしていくうえで、イノベーションが生まれたり、お互いをリスペクトしあうことでいい仕事ができたりすると思うんです。
これから先、国内で日本人だけでやっていける時代ではなくなってきていると思っていて、価値観を共にしながら世界をよりよくしていこうという、強い情熱をもって仕事をする人にとっては非常にやりがいのある、たくさんのチャンスがある会社だと思うのでそういう人に来てほしいですね。
-視聴者へのメッセージ-
【鮄川】
モンスターラボ ホールディングスは現在16カ国25都市に約1200人の社員を抱える会社です。
多様性を活かしテクノロジーで世界を変えるということを創業からのミッションにおいて、デジタルを活用していろいろな企業の事業変革を行なうデジタルコンサルティング事業と、自社のプロダクトをつくっていくプロダクト事業を展開しています。
デジタルが不可欠な世界になってきているなかで、さらに日本はエンジニア不足という深刻な状態にあります。そのなかで世界中の仲間、世界中のエンジニアと一緒に世の中を変えるプロダクトをつくっていく。
そんなエキサイティングな仕事をしていますので、興味をもっていただいた方は、ぜひ当社を覗いてみてください。