【ナレーター】
時流に乗り、早期に成長のきっかけを掴むことに成功した中村。その理由について、藤巻氏から学んだ、ビジネスにおいて重要な3つの要素を強く意識していたからだと、中村は語る。
【中村】
仕事に大切なのは“運”と“縁”と“センス”と言われて。
今日もこうやってみなさんと出会って縁が生まれるわけですけれども、連絡を取り合ったり、当社であればお店に招待したり、近況報告をしたりして、とりあえず縁をいい縁にする。
運というのはチャンスなんですけれども、会社が大きくなったら小さい仕事を「面倒だな」とか「いいよ、やらなくて」と言うのではなくて、それを断らずに何でも受けて、小さな仕事から大きな仕事になることもたくさんあるので、得たチャンスを大きなチャンスにしていくと。
あとセンスは僕らにとって一番大切なんですけれど、できるだけ多くのいいセンスに触れる。
センスのいい音楽を聞く、センスのいい人と会う、センスのいい国に行くなど、その積み重ねが全部将来につながるじゃないですか。
僕の仕事でいうとスピードが大切なので、たとえばカフェをやりますと。でもうだうだしていたら、もう二番煎じになってしまうわけで。
これら4つに関わることって面倒くさがらないということ。
面倒くさいと思った瞬間に何かチャンスがなくなってしまうという意識は非常に思っています。
【ナレーター】
その後も、業態、店舗数を順調に伸ばし、現在では飲食以外の事業領域にも積極的に進出しているトランジットジェネラルオフィス。中村が思う、自社の強みとは。
【中村】
アウトプット力が高いことが大切で、要は目利きになるということです。
インプットだけしていると情報オタクにしかなれません。目利きになるためにはアウトプット力を高めることが経験上、大事だと思っていて、それをスタッフにいい続けています。
いい情報があればあるほど、それを外に出す力も大切です。
僕みたいに仕事として話す場所がある場合、そこでアウトプットできるんですけれども、今はインスタとかSNSとか、さらにクチコミという最大のメディアがあるので、いいものが集まったらどんどんしゃべることができます。僕もやっていますし、当社の従業員もみんなやっているんで。
たとえば当社のあるチームではグループLINEをつくっていて。そこでは写真1枚でもいいし、いいなって思ったのはコピペしてどんどん送るし、コメントも送って、どんどんいい情報をそのグループLINEにアウトプットしているんですね。
アウトプット力を高める努力はジムに行くことと似ていて。インプットって簡単なんですけど、アウトプットするのに結構パワーがいるんですよ。続けなければいけないので。
それを習慣づけできるメンバーが多いというのが当社の強みではないかなと思います。
【ナレーター】
多くの新規事業を立ち上げる同社が、現在特に注力しているのが電子上に存在する芸術作品を取り扱う“NFTアート”の事業だ。
【中村】
今まで僕が携わってきた空間プロデュースと、NFTアートのプロデュースの仕方は、非常に発想が似ているんです。
それをそのまま移管しているだけなんですが、現実空間ではなくて、NFTになったというだけで、すごく楽しく感じますね。
2021年5月に実は3年ぶりにニューヨークに行くんですよ。2年半ぶりに海外に行くんで、ここから一気にスイッチ入れようかなって思って。
多分またコロナ・ショック前に一気に戻って覚醒するので、もう鬼のように色々やると思います。
-大事にしている価値観-
【中村】
面倒くさがらないということ。
たとえば『Bills』を始めた時に試食をしたんですよ。そのときに本当においしいと感動したんですよ。「これを日本でやりたい」とそのとき思って。
情熱というのは、そのやりたいという気持ちと仕事になるんですよ。
僕の成功というのはやっぱりチームでやっているんで、できる自分をつくることが、できること=やりたいことになるし、できなければできるようにすればいいだけで。何でも一人でやらないっていうが僕の考えなんですよ。
僕は欠陥だらけ、できないことだらけなので。できることに特化していればいいですよね。
できるって言っている自分が大してできなかったら根本的にダメなので、できるところは伸ばす。それは会社の社長としてもそうですし、部下のいいところは伸ばすようにしています。
できないことをあまりやらせたくないんですよ。得意なところを見つけて伸ばしてあげたほうが僕は良いと思いますね。