【ナレーター】
ビッグデータ収集・分析及びシステム開発をバックグラウンドにECマーケティング事業を中心として事業展開をする「株式会社ジェネレーションパス」。
200万点もの商材を取り扱っているECサイト「リコメン堂」は、楽天市場に出店する約56000店舗中、0.3%の店舗のみが受賞できる「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2022」のジャンル大賞とジャンル賞を受賞。
近年では家具やプレゼントを紹介するWebメディアサイトを立ち上げるなど、その事業領域を拡大させている。
サービスやものづくりをする人の想いを届ける橋渡しになるべく、躍進する創業者の軌跡と描いている成長戦略とは。
【ナレーター】
躍進の理由と自社の強みについて、岡本は次のように語る。
【岡本】
当社のコンセプトは「橋渡し役」なので、商品をいくらで仕入れなくてはならないということは言いません。そのため、新入社員でもどんどん商品を入れてきますから、商品数は大幅に増えています。
しかしながら当社は、商品を仕入れることよりも、商品をいかに売るかということに特化している会社ですので、利幅が少なくても経験になればいいと考えています。
今、商品は200万点ぐらいあります。取引社数は900社を超えていますので、ECの会社としては、多分業界ナンバーワンではないかと思っています。今後はこれらのことをベースにして、事業展開をしていくことになると思います。
当社が増収を続けていることについて、ある程度は計画値に基づいて事業を進めるのが大事だと考えています。ECサイトでは、突然商品が売れるときがあります。
そうすると、その商品に特化したくなるのですが、なるべく数値上の波をつくらないように、売れ筋と定番商品のバランスをとることが大事だと捉えています。
もうひとつ大切なことは「システム力」です。当社では、マーケティングをしながら、必要なシステムを全て当社でつくっています。現場主義に基づいているためですが、すべてのシステムを自社で構築している企業はなかなかないと思います。
【ナレーター】
岡本の原点は新卒で入社した大手クレジットカード会社にある。新規事業開発に携わる部署に配属され、そのときの経験が経営者の道を志す転機になったと振り返る。
【岡本】
毎週、新規事業のアイデアを提案する部署に配属されたので、最初は大変でした。新聞を読んだり、ニュースを見たり、当時始まったばかりのネットを見たり。
刺激になるような話を聞いて、調べて、アイデアを絞り出す生活をしているうちに「なにか自分でやってみようかな」と考えるようになりました。
そこで上司に相談したところ「事業をやるために資格は一切いらない。20~30代のうちに思い切ってやってみたほうがいいよ」といってくださったんです。
【ナレーター】
当時の上司に背中を押され、岡本は退職を決断。起業に向けて調査する中で、新たなビジネスの多くがアメリカから生まれることを知り、その知見を得るために渡米する。
帰国後は、友人が経営する企業に取締役として参画。そのときの友人からのある言葉に、心を動かされたという。
【岡本】
中国人のふたりの友人の言葉から影響を受けました。
十年来、非常に仲良くさせてもらっている彼らから「まだまだこれからどんどん会社を大きくしていくんだ」という話を聞いて、「自分もやろうかな」と話したところ、「日本人が日本で仕事をして成功するのはあたりまえだろう。僕らは言葉もわからないまま日本に来てビジネスを手がけている。君が自分の生まれ育った国で何もしないなんてもったいない」と言われました。
その、アグレッシブな生きざまや考え方にも刺激を受け、当社を立ちあげました。
【ナレーター】
そして2002年、ジェネレーションパスを設立し、紙焼きの写真をデジタル化し、さらにはそれを映像化するシステムの製造・販売を開始。この事業を始めた理由について、岡本は次のように語る。
【岡本】
お礼を言われる仕事がしたかったんです。温かい仕事をしたいというのが当社をつくったもともとの考えで、「ジェネレーションパス」という社名には、次の世代に引き継ぐためにという思いがこもっています。
また、思い出の写真やアルバムを見ると、自分が生まれる前から、ファミリーの歴史があることがわかります。その写真を複製して、きちんと自分でも持っていたいと思ったことも大きなきっかけでした。
デジタル写真が流行り出したときだったので、銀板写真から新しいデジタルというデータへの橋渡しのため、写真をアーカイブ化する仕事を始めようと思ったのが、当社の最初ですね。