【ナレーター】
経営理念の見直しを経て、立てたビジョンが「グッドカンパニーの実現」であり、経営指針の「ECSR 三方よし経営」だと、津村は語る。
【津村】
「会社にとって重要なものは何ですか」と質問されれば、多くの企業では株主やお客様と答えるでしょう。しかし当社で最も重要なのは、社員とその家族です。2番目が取引先様、3番目がお客様、4番目が地域社会、5番目が株主様です。
経営の最前線にいる社員が、明るく元気でやりがいを持ってがんばらないと、企業は発展しません。また、取引先様も当社のためにがんばってくれますので、その相乗効果で、いい商品やいいサービスがどんどん生まれます。そして、それはお客様に還元できるのです。
経営はヒト・モノ・カネといわれますが、私は“ヒト”で決まると思います。重要なのは人がやる気になるかどうかであり、それこそが「ECSR(ES従業員満足・CS顧客満足・CSR企業の社会的責任) 三方よし経営」だと考えています。
これで当社は活性化し、どんどん状態がよくなっていきました。
【ナレーター】
何とか危機を乗り越えたアデランス。そして津村は2017年に代表取締役社長に就任した。新たなる時代へ「生まれ変わる」ため、ワールドワイドな企業として、次世代のさらに次となる50年先に向けた、津村の構想とは。
【津村】
「ビューティ&ウェルネスカンパニー」を目指しています。
次の時代に向かうために、グループ会社に『アデランスメディカルリサーチ』という医療機関向け商品の販売やクリニックの開業・運営サポートを手がける会社を設立したので、これによって新たな柱を構築していきます。そうすることで、当社とさまざまな人との接点が増やせると考えています。
当社の認知が減ってきているZ世代に向けては『Beau Stage(ビューステージ)』という若者向けのブランドや、『ビューステージ アイブロウサロン』をスタートさせました。
これらが大ヒットしたことで、若者の当社への印象がガラッと変わったように感じています。
【ナレーター】
今後注力することについて、「ダイバーシティ」を挙げた津村。その真意と見据える展望とは。
【津村】
当社には、グループ全体を合わせると6割(約4000人)の外国人の社員が在籍しています。
私が常々言っているのは、「アデランスには国境がない」ということです。性別、人種、年齢、経歴に関係なく、がんばる人を優先しています。人の力を高めていくということに、分け隔ては必要ありません。
また、今後の雇用のあり方についても模索しています。たとえば「キャスト制度」というシステム。これは、定年を過ぎても、当社とパートナーになって働いていただくという制度です。
社員が定年後も当社のパートナーとなることで、働き続けることを可能とする仕組みをつくりました。
次のステップとしては、社員の働き方の構造改革を行いたいと考えています。そうすることでエンドユーザーが増えることによって、当社のファン層も広げていきたいと思っています。
【ナレーター】
求める人材像について津村は次のように語る。
【津村】
がむしゃらにがんばる人。「まずはこれを極めよう」と、やってみることができる人です。
何かに挑戦すれば失敗することもあると思いますが、失敗を恐れず、前向きに努力していく人に来ていただけると嬉しいですね。
ー大事にしている言葉ー
【津村】
「共栄」という言葉です。
仲間と共にがんばり、共に栄えていくことこそ、今大切にすべき言葉ではないかと思います。