【ナレーター】
子どもの発達を支援するためには、DXが不可欠だと貞松は言う。
【貞松】
たとえば、「誰々君がこういうことをやっている、自分もやってみたい」あるいは「保育園の先生がこういうことを教えてくれた、やってみたい」といったことでお子様の自発性はどんどん高まっていきます。そして、できることが増えると同時に、失敗する数も増える中でお子様は成長していくため、成長の原点や源泉となる(保育園での)集団生活はお子様にとって、とても重要なものです。
一方で、この集団生活から外れてしまうお子様がいることは問題です。そのようなお子様に早期の療育を提供することで、集団生活に再び入っていただく、入れるようにしていく。このことはトレーニングで可能なことがわかっていますが、大事なのは、そのトレーニング(療育)を早い時期に提供することです。
それを実現するためにはDXが不可欠です。当社には特許を取ったそのためのシステムがあり、それをまずはいち早く当社が提供している保育サービスの中で試していって、いずれは、全国の保育園、幼稚園でお子様の発達を全ての保育者が可視化された状態で把握できるようにする。そして、適切な保育につなげていく。お子様ごとに最適な保育が個別提供できるような保育体制をDXによって提供できるようにすることが、当社の今の目標です。
【ナレーター】
ケーススタディを用いた勉強会の実施や大学院への進学費用の全額負担など、保育士の能力をさらに高めるための取り組みにも注力しているAIAIグループ。その理由について、貞松は次のように語る。
【貞松】
幼稚園や保育園には教科書というものがなく、保育士(保育者)がつくる「計画書」がこの教科書に該当します。そのため、(適切な)計画を立てられる保育士(保育者)はいい教科書をつくれる保育士(保育者)と同義です。
この計画書の作成は、子どもたちの発達状況や置かれた環境、(園の)立地や地域などを総合的に勘案して立案するという難しい作業です。その計画の実践も含めて、この作業には思考する力や現状を把握するスキルが必須です。
しかしながら、そのために必要なトレーニングを保育士(保育者)の養成校では行っていません。そこで当社では、今、園やクラスで抱えている課題が何であり、どのような対策をすることで、その課題を解決できるのかを考えるトレーニングを保育士(保育者)に対して繰り返し行っています。
このトレーニングを重ねることで、保育士(保育者)は現状把握ができるようになり、目標を立て、それに対する課題についても考えることができるようになります。
これらの能力に関して当社では「社内ライセンス制度」というものを設けて、その一連のプロセスができるかどうかを年に2回テストし、合格者をライセンス保持者としています。
【ナレーター】
今後も子どもの能力を開花させるため、よりよい幼児教育を提供していきたいと語る貞松。見据えている展望とは。
【貞松】
(繰り返しになりますが、)幼稚園、保育園には教科書がないため、何をするかは園の自由です。
その自由の中で、子どもってやればできるんです。自分たちができる最大のことを子どもたちはやろうとするものですし、素直なうちは自分の能力以上のことにチャレンジしたがるものです。
そういった子どもたちに対して当社では幼児教材をどんどん充実させていますが。当社のプログラムや幼児教育を通して、子どもの能力や才能が最大に開花するような保育を提供していくことが、少子化などの人口問題の解決に向けて大きく寄与できる部分だという思いもあります。
このように、お子様に対してよりよい教育を提供していくことに、当社は今、集中的に取り組んでいる最中です。
【ナレーター】
ともに働く仲間に求める人材像について、貞松は次のように語る。
【貞松】
明るく前向きに努力できる人がいいと思っています。
変化を恐れずに前向きに努力するということはとても重要だと思います。それこそ、子どもの時のように何事にもチャレンジしていくようなパーソナリティーを持っている人は、やはりどんどん成長していけます。
また、そのようなパーソナリティーは、変わっていく社会に対応し、その社会を良く変えるためにも大切な要素、資質だと思います。
―大事にしている言葉―
【貞松】
「為せば成る」ですね。
(目標を)思い描いて努力すると、全くその通りにはならないかもしれませんが、近いところまではいけるはずだと思います。そこまで到達できたら、さらにもう1回チャレンジすればよいと思いますので、やはり「為せば成る」ということは、私の中でとても大事にしている言葉です。