株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ 年間約12,000組の結婚式を手がけ、取扱組数で国内トップを誇る、プライム上場企業 株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ 代表取締役社長 岩瀬 賢治  (2024年7月取材)

インタビュー内容

【ナレーター】
2015年に代表取締役に就任した岩瀬は、現場力の強化を推進し、企業のさらなる成長を実現。しかし、2020年、新型コロナウイルスの影響によってブライダル業界は大打撃を受ける。テイクアンドギヴ・ニーズも例外ではなかったが、業界の中ではいち早く業績が回復したという。その理由について、岩瀬は次のように振り返る。

【岩瀬】
希望していた日にちに結婚式ができなかった方たちが極めて多くいらっしゃったので、全店舗のスタッフでお客さまにメッセージを書き、シャンパンと花束をお送りしました。本来であれば1円でもコストを抑えなければならないときではありましたが、お客さまのケアのほうを優先して続けたことが良かったのではないかと思います。

2020年は、社員の離職率も平時より非常に下がりました。社員の皆がいてくれたので、一気に結婚式が増えたときに、それをお手伝いできる人員がいたことは大きかったですね。

一番、面白かったのは、野尻とZOOMでミーティングしたときに、コロナ禍であったにもかかわらず「賞与は満額だろ」と言われたことです。思わず笑ってしまったことを今でも覚えています。

【ナレーター】
人材育成について最も大事にしていることは、「向上心を持つ従業員が学べる環境づくり」だと岩瀬は言い切る。

【岩瀬】
WEBで研修を自由に受けられる自社コンテンツが100本あります。財務諸表などの専門書は世の中にたくさんありますが、内容が難しいですよね。ところが、難解な財務諸表も、例えば弊社の店舗運営の種目で説明されると、とても分かりやすくなるじゃないですか。このような形で、社員達に理解しやすいようなコンテンツに作り替えて、学びやすい環境を整えています。

今の時代、新卒入社して、65歳まで同じ会社で働くケースは多くありません。5年勤めてくれるのか、10年勤めてくれるのかは分かりませんが、私たちの会社にいる間に世の中で戦える力を身につけてほしいというのが、育成・研修における前提です。

ただし、何を武器に戦うかは自分で決めてほしいですね。自分で掴み取ったノウハウやスキルじゃないと、おそらく役に立たないと思うので、自分で考えて成長してほしいと考えています。

【ナレーター】
今後の目標は、業界のリーディングカンパニーになることだと語る岩瀬。その真意と、現在注力していることとは。

【岩瀬】
業界大手として、世の中、従業員、お客さまがなんとなく「負」に感じていることを1個ずつピックアップして、それを解決するための打ち手をきちんと講じていく。そして、それを発信していくことで、ウェディング業界のリーディングカンパニーになっていけると思っています。

例えば、弊社の結婚式場は、来年は土日も含めて休館日を設けることにしています。あらかじめ休みが決まっていれば、従業員も旅行をはじめプライベートの予定も作りやすいと思い、始めることにしました。

冠婚葬祭の話でいえば、ご祝儀は新札を祝儀袋に入れて持っていくというのがこれまでの慣習ですが、弊社では、ATMで新郎新婦さんにご祝儀をお渡しできる仕組みについて、実証実験を始めています。

このような取り組みをどんどん進め、業界を変えていきたいと思っています。ウェディングも次第に変わるでしょうし、ホテルの事業も大きくなっていくでしょう。全体のステージを上げて、業界のリーディングカンパニーになるというのが今の展望です。

【ナレーター】
求める人材像について、岩瀬は次のように語る。

【岩瀬】
私どもはバリューとして「チャレンジ(Challenge)」「カインドネス(Kindness)」「クリエイティビティ(Creativity)」という3つを掲げています。カインドネスでいえば、「貢献心があるか」「誠実なのか」、チャレンジでいえば「きちんと一歩踏み込むことができているのか」などですね。基本的にこの3点を採用で重視しています。

人事のメンバーに言っているのは、同じような人を揃えたいわけではない、ということです。価値観は同じでも、いろんな人がいてほしい。なぜなら、チームで仕事をするからです。

そのメンバーでどういうチームをつくるのかが大事だと思っているので、いろいろな人がいることが非常に大事だと思っています。

ー大事にしている言葉ー

【岩瀬】
「もっともらしい考えの中に、新しい問題解決の糸口はない」。最近だとこの言葉がいいと思っています。

大体において、誰も反対できないようなことで、いい成果が出ることはないと思っています。これまでの経験を踏まえても、反対する人がいても、「こいつがやったら成功するのではないか」と思われることの方が、やはり圧倒的に大きなスケールで成功する可能性が高いように思うのです。ですから、この言葉を大事にしています。

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経営者プロフィール

氏名 岩瀬 賢治
役職 代表取締役社長
出身地 愛知県
座右の銘 個の限界を超えることが、真の責任である
尊敬する人物 父親
略歴
1990年3月株式会社名古屋観光ホテル入社
2002年10月当社入社
2007年1月当社営業統括部長
2008年6月当社ウェディング事業本部オペレーション統括部長
2009年6月当社取締役ウェディング事業本部営業統括部長
2011年7月当社取締役ウェディング事業本部長
2012年4月当社取締役運営統括本部長
2015年6月当社代表取締役社長(現任)
2016年12月株式会社アンドカンパニー代表取締役社長
2017年9月株式会社Dressmore代表取締役社長
2018年11月株式会社GENTLE代表取締役社長(現任)

会社概要

社名 株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ
本社所在地 東京都品川区東品川二丁目3番12号 シーフォートスクエアセンタービル17階
設立 1998
業種分類 サービス業
代表者名 岩瀬 賢治
従業員数 【単体】1,358名 【連結】1,661名 (2024年3月31日時点)
WEBサイト https://www.tgn.co.jp/company/
事業概要 国内ウェディング事業、ホテル事業、コンサルティング事業、レストラン事業、ハネムーン事業、ブライダルローン事業 など
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