自ら率先して行動することが、周囲のやる気を引き出す

―お仕事をされる上で、大切にされていることは何でしょうか?

川田 伸:
どんな些細なことでも、社内で公言したことをしっかりと実行していく力、そしてそれを継続していく根気強さを持つことです。朝の掃除や、お客様がいらしたときにはきちんと挨拶するといった、一見地味に見えるようなことでも、ほかの社員に自分の背中を見せるつもりで取り組んでいます。

「聞こえの良いこと」を声に出す人は多いです。しかし重要なのは、それを「実行しているか」を、人は見ているのだということです。言葉だけではなく、率先して自らが動くことで、周囲のやる気を引き出すことができるのだと思います。

“周囲を見る目”を持つ

―優秀な方に共通するスキルやマインドは何だとお考えでしょうか?

川田 伸:
周りを見る力が長けている人は、少しの変化にも気付くことができます。それはビジネスおいても、子どもへの指導においても同じです。部下の小さな変化を見逃さなければ、早くにフォローができますし、クラブに対して消極的な気持ちを持つ子がいれば、その子に寄り添った指導をすることで、気持ちを上向きに持っていってあげることもできます。営業先の園に対しても、先方の感情の機微に敏感であれば、いち早く対応を取ることができるのです。リカバリーをするにしても、初動の早さが重要ですので、そうした変化をすぐに察知できる能力は必要だと思いますね。このことは入社時から行っている毎日の掃除の積み重ねから培われたと感じます。

心に沁みた、社長とのエピソード

―本社の管理本部に配属となられた後、社長と直接関わる機会も増えたかと思いますが、社長から受けた影響は何かございますでしょうか?

川田 伸:
本社への配属に合わせて単身赴任をすることとなったのですが、体調管理がうまく行かず、出社後に熱を出したことがありました。そんなとき、社長が何も言わずふらっと外出して、薬局で薬を買ってきて、私の机にぽんと置いてくださったんです。そのさり気ない優しさが、本当に心に沁みましたね。

また、北海道から沖縄まで全国を飛び回って、お客様にとって何がベストなのかを常に考え実行していく社長の姿を見ると、私も頑張らなくてはという気持ちになります。


―社長の期待に応えるために、心掛けていらっしゃることはありますか?

川田 伸:
スピード感を持って仕事に臨むということを大切にしています。本社では毎日のように社長と電話で連絡を取り合っています。社長からさまざまな指示が出されますが、それに対して、ほかの人よりも早く考え動くということを今までも心掛けてきました。

「お客さま対応日本一の会社」を目指して

―今後の目標についてお聞かせください。

川田 伸:
現在の仕事をしっかりと全うして、まずはこの本社を「お客さま対応日本一の本社」にしたいと考えています。本社は全国のお客さまからのお問い合わせ・要望・クレームなど多くの電話やメールをいただきます。私が本社に配属になった当初、お客さま対応については今より未熟な状態でした。社員の協力もあって、少しずつ改善されてきていますが、まだまだ向上の余地はあります。また当社は子供の障碍者指導も取り組んでいる会社ですので障碍者雇用などに関しても、他社の見本になれるくらい、整備していきたいと思っています。「お客さま対応日本一の本社」そして「お客さま対応日本一の会社」を目指したいと思います。

編集後記

川田氏が指導の知識を深め、社の中心人物として成長していった裏側には、子どもたちによりよい指導を行いたいという思いがあったからにほかならない。管理本部に異動した後も、従業員1人1人に思いを馳せながら環境を整えるべく奮闘する川田氏の姿は、子どもたちの未来を考え指導している姿と通じるところがあると感じた。

川田 伸(かわだ しん)/1984年、大阪体育大学を卒業。同年、幼児活動研究会株式会社に入社。広島支部にて子どもたちに体育指導を行う傍ら、同支部の顧客開拓に尽力。2004年、関西支社長、2005年、西日本事業部長を経て、2006年に事業部長に就任。その後、経営企画室長、取締役管理本部長兼経営企画室長を歴任し、2016年、取締役管理本部長兼総務部長に就任、現在に至る。

※本ページの情報は2017年10月時点のものです。

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