株式会社LIFULL 国内最大級の不動産サイトを運営。AIなどのテクノロジーを活用しながら、住まいと暮らしの課題解決に挑む東証プライム企業 株式会社LIFULL 代表取締役社長執行役員 伊東 祐司  (2025年9月取材)

インタビュー内容

【ナレーター】
株式会社LIFULLは、国内最大級の不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」を運営する、プライム上場企業だ。

「あらゆるLIFEを、FULLに。」というコーポレートメッセージを掲げ、不動産領域にとどまらず、介護や地方創生など多角的にビジネスを展開しており、近年では、AIを活用したサービスの開発・提供にも注力している。

本日は、LIFULLの代表取締役社長、伊東祐司氏に話を伺う。

2006年に新卒で入社。LIFULL HOME'Sの営業職として関西拠点や新規事業の立ち上げを経て、2023年に代表取締役社長に就任した。現在を「第二創業期」と位置づけ、組織の革進を進めている。

AIに力を入れる同社の代表的なプロダクトが「AIホームズくんBETA」だ。LINEアプリを通じて、対話型AIが住み替えの相談に24時間、応じてくれるのだという。

【伊東】
(LINEで)友だち追加いただければすぐ使えるようになっています。

従来の不動産のポータルサイトだと、どうしても賃貸か売買か、エリアから探すか、駅から探すか、そこから条件を入れて絞り込んでいって物件が出てくるという体験だったかと思います。

しかし、AIホームズくんBETAはまさに不動産店の店頭で会話しているかのような形で、条件を入れていただけると、相談をしながら物件の提案を受けられるという新しい体験が可能です。

これまでお考えでなかったエリアや物件の提案を受けられるということで、非常に好評を得ています。

【ナレーター】
AIという最先端技術を推進しながらも、伊東は「ビジョン」と「人」こそが競争力の源泉だと強調する。

しかし、その強い信念の裏には、「毎日泣きそうになりながら、どうやって謝ろうか考えた」という、社長自身が経験した最大の挫折があった。

本編では、その失敗から何を学び、いかに組織を変革したのか。若手ビジネスパーソンが掴むべき「復活の法則」に迫る。

【ナレーター】
伊東が振り返る、最大の転機となったエピソード。それは2016年に立ち上げた新規事業である対面型相談サービス「LIFULL HOME'S 住まいの窓口」での挫折だった。事業計画は承認されたものの、現実は厳しかったという。

【伊東】
全然、計画通りにいきませんでしたね。

スタッフはロープレや勉強もして、社内テストもつくって、「よし、いつでも来てください」という状態なのに、「あれ、今日営業中だよね?」というところから始まって。

待てど暮らせど一人も来ない、次の日も来ない、翌月も来ない。でも人はどんどん採用してしまっている。「どうしようか」という気持ちはやっぱりありました。

毎日泣きそうになりながら、どうやって謝ろうかなというのを考える日々でした。

【ナレーター】
苦悩の末、伊東は原点へ帰ることを決断した。集客の方法を「インターネット上での訴求ばかり」考えていた当時の思考を改めた。

【伊東】
集客の方法をいろいろ試していこうということになって、オフライン、いわゆる雑誌に広告を出してみたりだとか、当社が雑誌社と提携してタイアップ企画で、住まい探しの雑誌を制作させていただいたりだとか、今までにない広告手法をどんどんトライすることによって、その雑誌を見た方が「こういうのを探しました」と、相談に来ていただけるようになったんです。

「ああ、なるほど」と。それまではインターネット上で訴求する方法ばかり考えていましたが、実際に集客するためには、インターネットだけではなく、いろいろなところに接点を持つことが大事なんだということに気づいんたんです。

そこからPDCAが非常にうまく回って、お客様に来ていただけるようになりました。

【ナレーター】
この失敗からの学びの根底には、新卒時代に経験した関西拠点の立ち上げでのある教訓があった。

【伊東】
売っていくとチームがどんどん盛り上がっていく。みんなで当時メーリングリストで「受注した!」と言って喜び合って、帰ってきたらハイタッチして、「よし、飲みに行くぞ」みたいな、そういう雰囲気だったんですよね。

これがずっと続くのが良かったんですけれど、もちろんそういうわけにもいかず、「あれ?なんか全然売れなくなっちゃった」とか、「大丈夫なのか?」となってくると、「お前、もっと売ってこいよ」とか「お前、なんで提案していないんだよ」といった言葉が出てきて、そうなるとチームの雰囲気がとても悪くなっていって。

そういう経験をした時に、どうやったらチームが売れるようになって、私たちも楽しく仕事できるんだろうかと考えた時に、そういった雰囲気の時こそ、自分たちでポジティブな空気感をつくっていこうと考えました。

「今日の最初のアポイントを誰が取るか競争しようぜ」とか、もしくは「今月この新しい商品、誰が最初に受注するか、これも競争しようぜ」とか、みんなで競い合いながら高め合って雰囲気を変えていこうとしたんです。そうすると雰囲気がどんどん良くなっていって、不思議とまた受注が重なり出したんですよね。

「ああ、そうか」と。いい時に雰囲気がいいのは当たり前で、悪いときこそ自分たちで雰囲気をつくって、それが結果に結びついていくと。先に雰囲気をつくることが大事なんだという気づきがあって、まさに「雰囲気が結果をつくる」という言葉は、今も大事にしています。

【ナレーター】
挑戦を成功へ導いた伊東は、その後も順調にキャリアを重ね、2023年に代表取締役社長に就任した。現在を「第二創業期」と位置づけ、創業期から根付く「抜擢」の文化をさらに加速させている。

【伊東】
私自身、41歳で社長になりましたが、いろいろなポジションに抜擢してもらいました。そのチャンスになんとか応えようと、もがいて苦しんで、でもやっぱりダメで、そこから這い上がってというのを繰り返してきたのが、私の入社してからの約20年間でした。

社員のみんなにもそういう経験をさせたいし、してほしいなと思ったので、まずは新しいポジションをつくって、それは若手だけではなくて、女性もそうだし、シニアもそうですし、いろいろな人に今までにない機会、チャンス、そして責任を与えてトライしてもらう環境をつくっていくということにかなり注力したんです。

そうすると、抜擢された方のほうが気が引き締まって、それで成果を出してくれたというところがあるので、それが本当に業績に直結しているんですよね。

これはやっぱりLIFULLの「挑戦と革進」の文化で、自分が任されたからには自分で学習して、チームをつくって、ビジョンのために貢献しようとしてくれる。これが当社の特徴じゃないかなと思います。

【ナレーター】
伊東は社長就任以来、入社記念月に社員へメッセージを送っているという。実際に入社1年のメッセージを受け取った社員に話を聞いた。

【社員】
とても驚いたといいますか、「1年経ちましたが、どうですか?」というのと、「できる、できないに関係なくチャレンジしていってほしい」というような前向きな内容でした。

部署や年次は気にせず、やりたいことにチャレンジしてほしいというとても熱いメッセージをいただいた記憶があります。

当社の一員として特に年次は関係ないということは、伊東さん(社長)が体現していらっしゃったので、とても説得力もありますし、私もあまり遠慮せずにいろいろチャレンジしてみたいことをしてみようと思いました。

【ナレーター】
AIの進化によってサービスやプロダクトの差別化が難しくなる中で、真の競争力の源泉は目に見えない「理念」や「ビジョン」、そして「人」であると伊東は強調する。

【伊東】
コンシェルジュの人のちょっとした笑顔だったり、対応の質だったり、そこへのアドバイスの仕方だったり。そちらの比重が、サービスとして選ばれる割合が大きくなっていくんじゃないかなと思っているんです。

ですので、当社がビジョンや人材の採用を非常に熱く語っているのは、AI時代においてもそこが競争力の源泉であり、当社のアイデンティティだと思っているからなんです。

ここ3年から5年は、今までの3年から5年とは比較にならないほど、ぐっと世界が変わっていくと思うんですね。先回りして、当社が新しいスタンダードをつくることによって、世の中をもっともっとより良くしていく、便利にしていくということを愚直にやっていきたいなと思っています。

【ナレーター】
この変化の時代を牽引するために、伊東がLIFULLで共に挑戦したいと求める人材像とは。

【伊東】
「挑戦」です。「自分の手で挑戦したいんだ」という、自分で考えて自分で動ける人材が、LIFULLグループには非常に合っているんじゃないかなと思っているので、そういった方とぜひ一緒にやっていきたいです。

私は当社に入社して約20年になりますが、「入社して良かったな」と日々思うことは、自分の子どもや友人に対して、自分はこんなすごいことをやっているんだというのをワクワクしながら語れる環境があることです。

未来をつくっていく仕事なんだというところを自信を持って語れるところ、これがやはりLIFULLグループの魅力の大きなところじゃないかなと思っています。

もちろん困難なことがいっぱい出てくると思うんですけれど、だからこそ一緒に戦ってくれる仲間が必要なんです。

日本全体が良くなる、もしくは世界に誇れる日本になるというところにつながっていくと思いますので、そこを目指してやっていきたいなと思っています。

【ナレーター】
日本をより良くするために。その信念のもとLIFULLの挑戦は、これからも続いていく。

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経営者プロフィール

氏名 伊東 祐司
役職 代表取締役社長執行役員
生年月日 1982年11月19日
出身地 埼玉県
座右の銘 雰囲気が結果をつくる
愛読書 「人を動かす」/「戦略プロフェッショナル」/「それでもなお、人を愛しなさい」/「働く君に送る25の言葉」
略歴
1982年埼玉県生まれ、日本大学卒。大学卒業後、2006年株式会社ネクスト(現LIFULL)に新卒で入社。HOME'S(現LIFULL HOME'S)の営業職として全国を飛び回ったのち、賃貸・流通領域の営業部長を経て、2015年には最年少の32歳で執行役員に就任。その後、LIFULL HOME'Sの新規事業を創るべく新UX開発部を立ち上げ、Webだけに留まらないオムニチャネル戦略を推進させていく。売買事業も含め事業成長を促進し、2019年にはLIFULL HOME'S事業本部長、2020年には取締役執行役員、そして2023年12月21日をもって、代表取締役社長執行役員に就任。

会社概要

社名 株式会社LIFULL
本社所在地 東京都千代田区麹町1-4-4
設立 1997年
業種分類 情報通信業
代表者名 伊東 祐司
従業員数 1,037 名(2025年9月30日現在)
WEBサイト https://lifull.com/
事業概要 LIFULLは「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、個人が抱える課題から、その先にある世の中の課題まで、安心と喜びをさまたげる社会課題を、事業を通して解決していくことを目指すソーシャルエンタープライズです。現在はグループとして、不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」、シニアの暮らしに寄り添う「LIFULL 介護」、不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家(けんびや)」などの事業展開を行っています。
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