株式会社ナ・デックス “接合”技術が強みの機械商社。溶接機器の製造部門も持つ 株式会社ナ・デックス 元代表取締役社長 桑原 敏郎　

キャリア（社員へ伝えていること）

【桑原】

私は「喜怒哀楽を素直に出せ」と。「（自分を）飾るな」ということしか言いません。不自然は長続きしない。あくまでも自然体でいこうと言っているんですけどね。特に私は営業が長かったですから、社員にはいつも言っていて、営業ほど世の中で簡単な仕事はないんですよね。私はそう思っているのです。営業で苦労したことはないです。だから当社の社員に聞くと、「営業は苦しいです」。なんで苦しいかと言うと、「数字があるからです」という。数字で楽しめなかったら営業はやめろ。営業というのは、数字で苦しむんだったらやる意味がないと思う。やはり「数字でどうだ！」というのがはっきりするわけでしょう。

それとやはり当社の場合は、産業機械がものすごく多いわけですよね。お客様がそれを使って生産するわけですよね。例えば「（これが）良い機会だとなぜ当社が言い切れるのか」。まず「お客様は何が聞きたいと思っているの？」という時に私がいうのは、「この機械でも壊れることはあります。生産でお宅にご迷惑をかけることがあります。しかし、電話を1本いただいたら1時間以内に必ず来ます。」「そういうことをはっきり言うべきだ。これがお客様が一番聞きたいことなのだ」と言っています。これが良い機械でどうのこうのと言っても、故障はするでしょう。良い機械が順調に動いていれば、お客様は安心するわけです。ところが、機械は完全なものはないわけですから、例えば今まで納入の実績があるのだったら、「こういうところはこういう問題がありました。ある程度新しい機械のうちは、立ち上げがこういうことだけは頭に入れておいてください。その時に当社はこういう対応をします」。そういえば、お客様は絶対安心するでしょう。そういう説明なしで、「いいですよ、いいですよ」と言ったら、そういう仕事というのは長続きしない、私はそう思っています。