株式会社ノバレーゼ 国内外に70以上の結婚式場を展開。ブライダル事業を中心としたビジネスを幅広く手掛けるスタンダード上場企業 株式会社ノバレーゼ 代表取締役社長 荻野 洋基　 (2024年2月取材)

【ナレーター】
危機を乗り越えたノバレーゼは、2023年6月に東証スタンダード市場に上場を果たす。上場を決断した理由について、荻野は次のように語る。

【荻野】
企業として成長していく過程では、様々な選択肢があります。その中で、「会社の文化を変えたくない」「スタッフを守りたい」と考えると、上場するのが会社にとってはベストだと考えました。

ただ、2023年の上場は、あくまで一つの節目に過ぎないと思っています。上場するのはゴールではなく、ただの通過点だと。むしろ、これからが勝負だと考えています。

また、上場できたのは仲間に恵まれたからだと思っています。自分がやったとか、何か特定のメンバーがいたから上場できたというわけではなくて、やっぱりみんながいたから。今のメンバーで頑張って、結果的に上場できたというのはとてもいいことだったと感じています。

【ナレーター】
人材育成で最も重視しているのは現場だと断言する荻野。その真意に迫った。

【荻野】
やはり、人材育成の基本は現場だと思っています。

私がノバレーゼに入社したときと一緒で、現場には「こんな先輩になりたい」「こんな人、大人になりたい」という人がたくさんいるわけです。

だから、やはり最も大事なことは、「現場のスタッフたちがどうしたら輝けるか」「どうしたら働きやすい環境を作れるか」というのを徹底的に考えていくことだと思っています。

現場の状況や環境を把握して、全ての現場がどう機能しているか、どこに問題があるかを徹底的に追求していくことが、人材育成において肝になっていると思いますね。

【ナレーター】
ブライダル業界で生き残るためには、目先の利益追求ではなく、中長期的な戦略が必要だと語る荻野。今後注力していく取り組みとは。

【荻野】
私たちが今、力を入れてやっていくべきことは、未来を見据えた戦略を立てること。

結婚式に参列される方は未来のお客様になると思っています。未婚の方はもちろん、お子様もそうです。

「こんな素敵な結婚式ができるなら、私も結婚式をやりたい」「こんな結婚式だったらやりたいね」と思っていただけるような、素晴らしい一日になるように、私たちは努力していかなければならないと思っています。

「結婚式は素晴らしい」と思ってもらえるように企画・運営して、結婚式の数を増やしていくことで、人々の笑顔や元気を日本中にどんどん広げていきたいと思いますので、まずそこに注力していきたいです。

もう一つ、ノバレーゼでは今後の出店戦略を積極的に実施していこうと考えています。

この戦略については、新店以外にも、売り上げが下降気味の他社の会場を私たちの手で再生させていくというビジョンも含まれています。この戦略により、年間3店舗ぐらい出店していきたいと思います。

ノバレーゼではレストランも展開していますので、こちらも年間2店舗ぐらい出店していきたいと考えています。

そのほかにも、インバウンドのお客様も視野に入れて運営していくことも大切です。日本には本当に素敵な場所がたくさんあるので、旅行を兼ねて結婚式も観光もしていただくというスタイルを確立できたらと考えています。

日本の魅力をアピールしつつ、海外のお客様にも向けてサービスを展開していきたいと思います。

また、ノバレーゼでは新事業の展開も検討しています。現在は年間5000組程度、結婚式をお手伝いさせていただいていますので、結婚式後にも繋がれるようなサービスを展開できたらと考えています。

そのため内祝いやギフトを送れるECサイトを運営しているのですが、さらに積極的に注力していきたいと思っています。

【ナレーター】
求める人材像について、荻野は次のように語る。

【荻野】
「自分がこの人に結婚式を担当してもらいたいかどうか」を一番大事に考えて採用活動を行っています。「もうちょっと話したくなるか」「今の会話の時間を楽しめているか」とか。そういった人としての魅力は大切だと考えています。

面接の場でも、もっと話を聞きたくなるというのは、その人の魅力だと思います。

ー大事にしている価値観ー
【荻野】
完璧なリーダーより誠実なリーダーであってほしい。

誠実さは当社のリーダーに求めるものであり、経営者として私自身も誠実でありたいと考えています。“日の当たる道を堂々と歩いていけるような人でありたい”とずっと思ってきましたし、これからもそうでありたいと思います。

そこが一番の原点でもあり、大事にしたいところでもありますね。