Vol.4 キャリア
キャリア
【平川】
理念を実践できない人は、われわれの仲間として受け入れられないというスタンスでやってきていまして、僕らの会社の人員戦略は2タイプの人材が社内にいていいという考え方をしているんですよ。
まず1つのタイプはわれわれの理念を追求、実践しお店の中で、例えばお客様やスタッフに対して優しい気持ちを表現できたり、思いやり持って接したり、お客様に喜んでいただいたりということができる「理念追求型」の社員たち。僕らにとってすごく大切な仲間ですよ。もう1タイプの社員たちというのはわれわれのビジョン、ベンチャー企業として成長や発展をすごく重視する文化を持っているわれわれベンチャー企業として本来の姿、その将来のビジョンを達成する人材「ビジョン開拓型」の社員というタイプの人達。
この2つのタイプの社員がいて、僕らの会社は成立しているというような考え方をしていて、イメージで言うと「理念追求型」の人達というのは整備された農地を耕して、種を植えてしっかりとお水を撒いて肥料をやって、しっかりと愛情持って育ててくれるという人達。「ビジョン開拓型」の人間は荒れ野原とか林とかをガリガリと開拓していって農地にしていくと。それを「理念追求型」の人達に渡してくれる仕事と説明している。その2つのタイプがあってわれわれの会社らしさというのができている。
【平川】
抜てきに関して言うと、新卒で3ヶ月目で店長に抜てきされたりなどというのは事例としてありますが、それよりも9人の新卒生だけで1店舗、企画から運営まで全てやらした。お店一軒やらせた事があるんです。「ルーキーズ」という。これは面白かったですね。
ですから本来お店を作る時というのはある程度の経験を重ねた人間がプロジェクトリーダーになってお店を作るんですけど、その年の9人の新卒生がこうでもないああでもないと言いながらお店を一軒作って、それを運営して悪い所は改善していって。というプロジェクトだったんですけど、これは面白かったです。頭角を現す人間たちというのが出やすくなった。誰も頭を押さえないので自由な中で多分出てくるんだと思うんですけども、それが9人中3人くらいでてきたのかな、後は店長になる期間がきわめて短くなった。そこから抜てきした人間というのが先ほど言った最短3ヶ月で店長になりました。
【平川】
上司から怒られるよりも実際お客様から怒られた方が自分の為になっているというのがあったりとかそういった効果はありますけど、僕らのビジネスの醍醐味は何かといえば熟練していない人たち、未熟練な人たちを色々なチャンスであったり機会を与えることによって熟練させることがビジネスなんです。教育ビジネスと呼ばれている。例えば机上で教えたりとか、ロールプレイングで教えたりとか、もちろん横にトレーナーが付いたり教えたりというやり方が定番ではないですか。しかしそうではなく、本当にお客様の前にいって失敗できる環境ができたらすごく面白いのではないかと思ったんですよ。失敗はなかなかさせられないんですよね。
だけどこの店(ルーキーズ)の仕組みはどういうことかというと、はじめから「ルーキーズ新卒ダイニング」、新卒でやっていますと謳っていますので、もし彼らが失敗したとしても皆さん温かい目で見守ってくれたというのがすごく大きかったんですよ。そういうことで言うと、僕がもうかねがねやりたかった実際お客様にリアルに接して何かを感じるという事ができたお店だと思うんですよ。ですからお店の運営ということよりも、教育の仕組みという色合いの方が強かったですね。
経営者プロフィール
氏名 | 平川 昌紀 |
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役職 | 代表取締役社長CEO 兼 COO |
生年月日 | 1969年7月16日 |
出身地 | 大阪府 |
出身校 | 甲南大学 |
座右の銘 | 守破離 経営において、基本・応用・独創が重要だから。 |
会社概要
社名 | 株式会社きちりホールディングス |
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本社所在地 | 大阪府東京都渋谷区渋谷一丁目17番2号12階 |
設立 | 1998 |
業種分類 | 小売業 |
代表者名 |
平川 昌紀
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従業員数 | 3,725名 |
WEBサイト | http://www.kichiri.co.jp/ |
事業概要 | レストラン経営による飲食事業、及び、食を中心に生まれるHospitalityの提案・提供事業。 “Positive Eating”という私どもの持つ概念(楽しい食事により生まれる、癒し・豊かさ・明日への活力)の浸透を目的に、真心のこもったホスピタリティの提案・提供をしています。 |