【ナレーター】
ビジネスを始めるにあたり、近藤は3つの要素が必要だと言い切る。
【近藤】
1つ目は「世の中はこうだ」。2つ目は「世の中の課題はこうだ」。3つ目は「私たちなら(その課題を)こう解決できる」ということです。
この3つが、自社のキラーカード、つまり独自性になってくるので、このパズル(=要素)にハマらないビジネスは始めません。
そして、あえてもう一つ必要なことを言うならば、やはりナンバーワンになることを目指す、それが大事なのではないかと思います。
たとえば、日常には「何でもっとこうしないんだろう?」「世の中のこれ、おかしいよね?」ということがいっぱいあります。その疑問や違和感を、その業界の人に伝えると、彼らが何と言うかといえば、「いや、昔からそうなんで」と、“業界のしきたりなんで系”の話をするわけです。「業界の常識で」って。
ただし、この常識を非常識には変えてはいけません。非常識は良くないことですから、この“未常識(いまだ常識ならざること)”を新しいサービスに変えればいいんです。
たとえば広告の場合、3,000万円、4,000万円の出演料をタレントの方々に払うのがこれまでは当然でした。それを、僕たちの『アクセルジャパン』では、毎月の(少額の)支払いにすることによって、複数の企業みんなでタレントさんを広告に起用しようというシステムをつくり、タレントの皆さんには各企業からストックでお金が入るようにしたんです。
それによって、タレントさんたちも経済的に安定するようになります。そのように、日本の成長を応援するプロジェクトに変えることで、社会的にも貢献できるサービスにしていく。
ちょっとでも疑問や違和感など、ひっかかることがあれば、それに関わる事業のことを全て調べあげるなどして、何が勝ちパターンなのかとことを研究することが、新たなビジネスを創出する上で僕は大事だと思っています。
【ナレーター】
近藤は連日、全国の支店を回り、社員とのコミュニケーションを何よりも優先している。その中で一貫して伝えているのは「心を尽くす大事さ」だという。
【近藤】
たとえばカラオケって、ひとつの曲は常に、同じ長さ、同じリズム、同じ詞ですよね?にもかかわらず、歌い手によっては下手だけど味がある人がいる。それは心が入っているからなんです。一方で、うまいけれどもなぜか心に響いてこないという人もいます。
大事なのは、“心が入っている”ということです。お客様に対して、自分たちのサービスがどれだけ素晴らしいかということを、自信を持って言えないと駄目なんです。
また、お客様をどれだけ大事にするか、利他の精神を持って接するという“真心”がないと、お客様も他のお客様を紹介してくれることはありませんし、深く付き合ってくれることもありません。
その意味で、“人間力”はとても大事です。ですから僕は、「人に感謝するんだよ」とか、「『ありがとう』という言葉を大事にするんだよ」ということを社員たちによく言っています。
【ナレーター】
企画力と営業力を活かして、ナンバーワンになれることに挑戦していくと語る近藤。見据える未来とは。
【近藤】
今後の目標とビジョンに関して、上場会社である以上、やはり数値が重要です。利益の目標は明確にありますので、それを達成するために何をするか、いつまでに達成できるかということを日々考え、それを口酸っぱく社員に伝えています。
もともと、僕たちの会社は企画力と営業力が強みです。それらを活用してナンバーワンになれるビジネスでしたら、極端な話ですが何でもよいと思っています。
社内から出るいろいろなアイデアで、現在のサービスもどんどん充実し、発展しているので、それをさらに進化させていくこと。そして、世の中の皆さんも株主の方々にも「やっぱり、この会社はすごかったね」「たいしたもんだね」と思っていただくことが僕たちの使命だと思っています。
【ナレーター】
求める人材像に学歴や学力は問わない。こうなりたいという強い気持ちが大切だと言う近藤。その真意とは。
【近藤】
モチベーションの根源は自分にしかありません。自分にモチベーションがあるからこそいろいろものが響くのだと思います。ですから、「僕は、私はこれで成功したい」「もっともっと成長したい」「もっともっと未来を輝かしいものにしていきたい」「そのためには努力を惜しまない」という強い気持ちを持っている方が当社には必要です。
ー起業を志す若者へのメッセージー
【近藤】
次代を担うのは若者です。ですから、やはり若者の皆さんが輝いていかないと日本の未来はありません。これからもいろいろ新しいことを創造し、つくり上げていくのは若者の力なんです。
その上で最後に、これは絶対的なことではなく、ひとつのアドバイスとして聞いてほしいのですが、起業を志す若い方々には“一点突破”を大切にしてほしいと思います。この“一点突破”とは、いろいろなことをやらない、「これひとつで勝負する」という意味です。
たとえばインターネットの世界を見ると、ヤフーが展開している多彩なサービスのうち、『Yahoo!ショッピング』の部分だけをピックアップして“一点突破”させたのが『楽天市場』ですよね?
大手企業に勝つためには、大手企業がやっているサービスのひとつだけを抜き取ってピカピカに磨き上げる。そこで独自性を見出すということが僕は大事だと思っています。
もちろん、これが全てだというわけではありませんが、あくまでひとつのアドバイスとして受け止めていただけたらと思います。
経営者プロフィール
氏名 | 近藤 太香巳 |
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役職 | 代表取締役社長 |
生年月日 | 1967年11月1日 |
出身地 | 大阪府 |
座右の銘 | 『挑戦は青春』 常に挑戦者であり続けたい |
愛読書 | 『編集者という病い』 ( 幻冬舎代表取締役社長 見城徹 著) |
著書 | 「夢みることから始めよう:20代のあなたへ ちょっとした「気づき」があなたを変える!」ダイヤモンド社/「リーダーは背中で語れ」アーク出版 |
「初期投資ゼロ」をサービスの基盤とするエンベデッド・ファイナンス事業、電子雑誌を中心とするメディア・プロモーション事業、日本経済の成長を加速させる企業応援プロジェクト「アクセルジャパン」など多様なビジネスを展開する。
2011年に次世代リーダー育成と経営者の地域間交流を目的とした一般社団法人パッションリーダーズを代表理事として設立し、会員数4,000名を超え日本一の団体に。ビジネスパーソンから若者まで情熱あるリーダーとして圧倒的な支持を得ている。
業界をリードする環境先進企業として2020年に環境大臣より「エコ・ファースト企業」に認定。2021年「ネクシィーズ・ゼロ Green Finance」が世界初 ムーディーズ「Aaa(sf)」、国内初R&Iグリーンローン評価も取得。
会社概要
社名 | 株式会社NEXYZ.Group |
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本社所在地 | 東京都渋谷区桜丘町20-4 ネクシーズ スクエアビル |
設立 | 1990 |
業種分類 | その他金融業 |
代表者名 |
近藤 太香巳
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従業員数 | 1,171名 |
WEBサイト | https://www.nexyzgroup.jp/ |
事業概要 | エンベデッド・ファイナンス事業である初期投資0円の設備導入支援サービス「ネクシーズZERO」がCO₂排出削減に取組むとし、2020年環境大臣から「エコ・ファースト企業」の認定を受ける。電子雑誌やタレントプロモーション事業なども。 |