燦ホールディングス株式会社 業界トップシェア。遺族をトータルにサポートする総合葬祭サービス企業 燦ホールディングス株式会社 元代表取締役社長 古内 耕太郎　 (2014年6月取材)

―商品への拘り―

【古内】

ご葬儀のサービスですので、当然ご家族が亡くなったときに、お通夜或いは葬儀式、告別式、それからその後の対応という部分についてトータルにご支援をしていくというのが私達のサービスの基本でありますが最近では亡くなってからではなく、亡くなる前から事前にご相談される方が多くいらっしゃいます。そういう意味では非常に長いスパンでお客様のご支援をしていくというのが私達の仕事であります。

大切なことは、ご葬儀というものは何かのパッケージ的に一様に提供できるものではなく、それぞれのご家庭の事情や亡くなった方の亡くなり方、色々なケースに応じてハンドメイドに、ご支援をしていくというのが非常に大事なサービスですから現場の社員の皆さんの対応力がサービスの中で非常に重要な位置づけになる仕事だと思います。私たちは経営理念に基づいて、葬儀というサービスを行っていますので、まずサービスを提供する上でお客様にどういう付加価値をご提供しなくてはいけないかという事を常々社員の皆さんと共有しておりますが、大切なことは亡くなった方を尊厳をもってお送りをすること、そして残されたご遺族や亡くなった故人の方とかかわりのある方の心のケア、これが実施できないサービスであったなら何の意味もないと思っていますので、やはり現場の社員の皆さんが一つ一つのご葬儀に対して真剣に取り組んで、どのようにしたら故人の尊厳が守れるのか、或いは遺族の心のケアができるのかという事を考えながら一つ一つのご葬儀をご支援しているという所が当社の強みだと思います。単にイベントのように葬儀をご支援するだけではなく付加価値がきちんと享受されるような葬儀を一件一件丁寧にご提供するということが当社ではないと出来ない葬儀だと思っています。

特にそういった人的なサービスだけではなく、最新の科学的な処置というものも当社の強みです。例えばエンバーミングという科学的な処置ができるのも他社ではなかなかできない処置です。また最近は殆どの方が病院で亡くなりますが、闘病生活が長いと痩せられて元気だった頃とは全く違ったようなお顔になってしまうケースが多いです。そうなりますと葬儀に来られた方がお顔を見ますと、元気だった頃のお顔と全く違ってしまい更に心が寂しくなるようなマイナスの影響を及ぼしてしまうようなこともある訳です。ですからエンバーミングをすることによって、元気だった頃のお顔、お姿に最大限近づけることができあたかも眠っているようなお姿の故人とお会いしてお別れをするのは心のケアの為にも非常に役立っているものであります。こういった技術により心のケアというものが更にできるのではないかと思っています。大切な強みではないかと思っています。

品質という意味では、私達はサービス業ですので、その中で大切にしている考え方は、通常のサービスではなくホスピタリティサービスというレベルでサービスを提供することを大切に考えています。このホスピタリティサービスと一般のサービスの違いは何かと言いますと、一般のサービスはお客様はどういうお客様であってもある意味では定型的な丁寧なサービスを提供するというのは一つのサービスの考え方かと思いますが、ホスピタリティサービスというのは、お年寄りにはお年寄りなりに、若い方には若い方なりに、男性には男性なりに、女性には女性なり、大阪の方には大阪なりに、東京の方には東京なりにといったように相手に応じてサービスの形をカスタマイズして、お一人、お一人に合った形でサービスを提供する。こういったサービスのスタイルをホスピタリティサービスだと思っております。そういった形でのサービスの在り方と当社は提供することを心掛けています。これが当社のサービスの品質だと思っております。

これは個人的なことですが、当社に入社して実際に私が現場で仕事をすることはないのですが、私の義父が5年前に亡くなりまして当社で葬儀をさせていただいたのですが、その時は私が一顧客という立場になって会社の社員からサービスを受けて一連の葬儀のサービスを受けた中で、葬儀の始まりから終わりまでを消費者の視点で体験をさせて頂いたという意味では、義父にもらった大切な仕事の研修だった様な気がしています。これによって更に自社のサービスの在り方についての考え方が強まったきっかけになったと思います。そういった状態の時に、どういう声のかけられ方が良いのかや、どういった間のとり方が心地よいのかという事も非常に感じられましたし、どういった支援のされ方が心地好くて感謝されるのかなという事も自分では体験できました。そういった意味では非常に良かったと思います。