クニヒロ株式会社 年間5,000トン。カキ取扱量日本一の水産商社 クニヒロ株式会社 元代表取締役社長 川﨑 育造　 (2014年12月取材)

―入社当時のエピソード―

【聞き手】

入社時はどのようなお仕事でしたか？

【川崎】

昭和49年に冷凍工場をつくると同時にかきフライはにっすいの製造・加工を発注していたが、初めに頂いたオーダーが30トンしかなく1週間で製造が終わってしまい、あと360日は仕事がない状態でした。仕入れ・製造・営業・運送を自ら行うことで基礎的な部分を経験することができました。

【聞き手】

お父様から言われた言葉で強く残っている言葉があるそうですが。

【川崎】

かきだけでなくあさりやしじみの事業を父親には相談せず始めたんです。1年後にはあさりの事業は赤字になり父親からあさりの事業をすぐにやめろと言われました。父親からあさりの事業を続けるのであれば「お前があさりになれ」と言われた。水槽の横に小屋を作りそこで24時間あさりと生活を共にしろと、あさりの状態を見極めない限り事業はうまくいかないと言われた。

【聞き手】

あさりになれ。は名言ですね。

【川崎】

生き物を扱う上でも一つの事業を行う上でも中途半端では絶対に商売には結びつけられない、そこに力を注ぎこんではじめて商売・利益になるという教訓になりました。