Vol.3 ターニングポイント
―ターニングポイント―
【聞き手】
振り返ってみてとても苦しかった事はありますか?ここはよく乗り越えたなという事はありましたか?
【川崎】
カキフライも含め冷凍品の扱う量が多くなり自社で冷蔵庫を所有した方が管理がしやすいと考え、6000トンの倉庫を作ったのですが、過剰投資になってしまいました。事業が赤字に転落し心労で父親が倒れてしまったんですね。ある人が父のお見舞いの後に、寄って頂いて「川崎さん大変ですね。これからどうやって現状打破して、明かりを見つけていくんですか」と聞かれました。過剰投資という状態で、足を引っ張っている商品や、季節の中でもこの月はマイナス、この月はプラスになっていると。私としては赤字の現状を打破するためにマイナスの部分をプラスに変えていこうとしたわけです。その方が「短期間でV字回復するためには「1点集中主義」の方が絶対に効果がありますよ」と言っていただいた。色々分析した結果、生ガキが利益が出ていたわけです。
その当時全国の得意先はすべて市場だったのですが、スーパーの進出で得意先であった市場の機能が衰えてきた。それにより損することが多くなった時に将来の発展に繋がらないのではないかと思いました。一番の得意先にスーパーを紹介してくれないかと何度も頼んだが断られたので市場相手では将来がないだろうと思い29才か30才の時に得意先に啖呵をきってこれからはスーパーや生協の時代であると話して、自社商品を直接販売をすることを伝えました。それから5~6年かけてすべての得意先を産直に変えていった。それが私がやってきた中でクニヒロに一番貢献できたことであり、転換期だったと思います。
経営者プロフィール
氏名 | 川﨑 育造 |
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役職 | 元代表取締役社長 |
会社概要
社名 | クニヒロ株式会社 |
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本社所在地 | 広島県尾道市東尾道15-13 |
設立 | 1957 |
業種分類 | 食料品・飲料製造業 |
代表者名 |
川﨑 育造
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従業員数 | 339名 |
WEBサイト | http://www.kunihiro-jp.com/index.html |
事業概要 | 1.生かきをはじめとする生鮮魚介類の加工販売 2.冷凍食品及びチルド食品の製造・販売 |