株式会社リエイ 36年連続増収！“日本式”介護事業でアジア圏を攻める企業が明かす、安定成長の秘密 株式会社リエイ 代表取締役社長兼会長 椛澤 一　 (2016年11月取材)

―従業員とのコミュニケーション―

【聞き手】

受付にもたくさん置かれてありましたが、こうした社内報もつくられ、ここに必ず社長からのメッセージを入れてらっしゃるということで、やはりこのような形で社員の方々にお考えを発信するということをされているのでしょうか？

【椛澤】

そうですね、及ばずながらやらないとならないと思います。色々な形を使って、広報などもそうした部分に力を入れてくれています。あとは年に1度パーティーを催したり、4月のキックオフで集まって「こうしよう」と（方針を話したりなど）、できることをしていますが、パートさんに至るまで、全員に対してメッセージを書いています。入社月に送るように書いています。どうしても残念ながら面識のない人も出てくるので、せめて自分で書いた字で「頑張ってください」ということを伝えるのも、私なりの現場巡回ですね。

【聞き手】

介護の現場というのは、なかなか担い手が不足していると言われていますが、ここに関して御社ではどのような対策をされていますか？

【椛澤】

今は技能実習制度という、国が外国から（人を）呼ぶことができるという方向に向かっているので、それが1つの解決策になります。また、ロボット等もだいぶ進んできましたのでそのあたりに期待します。それから同時に日本人の感性で日本の人を看るというのがとても大切なので、ここは我々1企業だけで出来る問題ではなく、国がどう対応してくれるかということもあります。ただ、全体から見れば財源にしても限界があります。結局、会社全体として介護だけで自立するというよりは、例えば保険の中で行う事業と保険外で収益を上げるということ、そして介護外で収益を上げて高齢者に対して良いクオリティを維持するという構図になっていくのではないかと思います。ですから、我々も介護だけでやっている会社ではないので、そういう意味では様々な形で対策を講じられるのではないかと思います。例えば、親の介護のために介護離職が発生した場合、経済的にも物理的にも色々な問題が出てきます。当社は独身寮もありますし、介護事業も行っていますので、社員の福利厚生の受け皿としてその施設を持つことができるわけです。当社が福利厚生として「あなたの親御さんを受け入れて通常のコストよりも安い価格で（介護サービスを受けることが）出来ますよ」ということを今も行っています。もう1つの事業があるからこそできると思っていますし、その他も今後広がる中で、トータルで介護を含めて事業が成立するようにしていきたいと思っています。