株式会社リアルワールド ~22歳で2億円の負債を抱えた男の起死回生ビジネスの全貌~

Vol.2 一か八かの挑戦と大きな学び

株式会社リアルワールド 代表取締役社長 菊池 誠晃 

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―一か八かの挑戦と大きな学び―

【菊池】

当時はとても順調にいって、いろいろな受注をいただいて好調にやっていたのですが、一つのプロジェクトで300ページや500ページの規模のホームページを2、3ヵ月作って納品というのを次々とやっていたのです。数百ページ受注して作って納品して終わって、また次を営業して取って作って納品して、これをいつまで続けるのかと。より大きく成長しようとしたときに、人を増やして受注量を増やすということしかなかったのです。受託というものがある意味限界というか、そこにビジョンがあまり感じられませんでした。

もう一つは最終的に使うユーザーの方々に対して自ら仕事をしたということ。受託だと結局、私とってのお客様はクライアントなのです。クライアントが満足するものを作ります。そのクライアントの先のユーザーさんの満足するものを作るのではなく、クライアントさんなのです。そのため受託ではなく、自ら事業を営みたいと思いました。

大学卒業とともに一度(会社を)締めて案件は全部後輩に譲っていきました。いい意味でも悪い意味でも、自分は即戦力になる、普通の新卒とは違うんだという意識が強かったので、新卒としてのいわゆる就活はしませんでした。代わりに中途採用の枠組みで動いていたのですが、全部しっくりこなくて、自分が組織の一部分に入って働ける気がしませんでした。結局、地元のある会社のオーナーにIT起業を立ち上げるから手伝ってくれと言われて、そちらを立ち上げに入ることになって。それが卒業して実質の就職にあたる部分です。

結局1年半、同じオーナーのもとにいました。半年でその愛媛の会社を立ち上げたのですが、同じオーナーの会社で香川にもう一つ会社があって、こちらの方の立て直しを手伝ってくれと言われて、半年後に香川の会社に移りました。

移るとそこの役員陣は次々いなくなり、気が付いたら私が一番上になっていました。オーナーにある時呼び出され、「その前の経営陣がもう2億使い込んでいる、お前が借用書に(判を)押せ」と突然言われました。さすがにびっくりです。実際はオーナーは本当に印鑑を押させたいということではなくて、私に喝を入れるためにそうされたのですが、当時22歳の私にとっては、初めて2億というものに向き合ったのです。それまでやっていた仕事はせいぜい1つ2、3000万くらいのプロジェクトです。2億をどうやって稼ぐのか、しかも売り上げじゃなくて利益として回収しなくてはいけません。それを考えたときに、今の自分ではギャップがありました。やり方もすごく考えなくてはいけないし、やはりもっと違う挑戦をしなくてはいけないと思わされました。そこからいろいろなアクションを変えて、地元でいかにそこ(2億の利益)を到達できるかと考え、視座を高めて行き始めたタイミングですね。

その時にテレビである人を見ました。それがサイバーエージェントの藤田社長です。当時26歳でしょうか。インターネットの市場がまだ100億もないくらいのときに、1000億円の会社にする、そして上場するんだと言っていて、何だ、この人はと。3、4歳上で私と大して年齢も変わらないのに、どうなっているんだと。私の視座が高まっている中、そのやり方を学びたい、そしてそこを本当にやろうとやっている人がいるという点で、とにかく行って話を聞いてみようと、サイバーエージェントに飛び込みで話を聞きに行きました。実際に会うと皆さんやっぱり目線が大きく、いかにして1000億でやるかと話されていて、これでは完全に置いて行かれるとすぐ上京を決めて、サイバーエージェントに入ることにしました。2001年の夏です。

私は新規事業プロジェクト事業部に入りました。その事業自体は1年くらい前から準備をしていたのですが、入った直後、会員が1万人になった瞬間にサーバーが落ち始めたんです。結論からいうとシステムの問題でした。1年かけてその状態なので、そのプロジェクト自体も駄目になる可能性がありました。結構な金額を投じて作ったものでもあったので、さあどうするという状態です。

結論からいうと、私が1人で半年かけて、ほぼ毎日徹夜で作り変えました。これは自分しかできない、どうせこの事業がこのままで駄目になるのだったら、一か八か自分が立て直してみよう、駄目になってももともと駄目、でもこれは機会だと思って飛び込みました。それがやはり、上京してずっと躊躇していた自分が、その躊躇を取り除いた瞬間だったと思います。

何を学ぶかは自ら学んでいけばいい話で、学ぶ機会をいただいたことが一番大きいですね。事業ノウハウというものはいつでもどこでも学べることですし、IT業界は次々変わっていくので、そこを得たとしても1年後には使えないものになっていきます。それ自体は確かに大切だったのですが、そこまで重要なことではない。私が一番感謝しているのは、むしろたくさんの人を任せていただいて、マネジメントの勉強をさせていただいたことですね。創業してここで失敗する方々がやはり多いと思います。今の素晴らしい組織に成長する過程が2000年から2006年の間だったので、いかに一緒に働く人たちのモチベーションを高めて結果を出していくのかという、その過程を見られ、自分もその中でマネジメントの勉強ができたことは非常に大きかったです。

社長プロフィール

President's profile
氏名 菊池 誠晃
役職 代表取締役社長

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