Tranzax株式会社 ~事業の縮小、中断。困難を乗り越え手繰り寄せた逆転劇~

Vol.4 苦境を乗り越え続けた7年間

Tranzax株式会社 代表取締役社長 小倉 隆志 (2017年10月取材)

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―苦境を乗り越え続けた7年間―

【ナレーター】

紆余曲折を経て2009年、電子債権記録を取り扱うTranzaxを設立。北海道庁と協力してのスタートとなったわけだが、その道のりも容易ではなかった。

【小倉】

最初は北海道の札幌で、北海道庁と、国土交通省の北海道開発局、それから北洋銀行と私どもで「電子記録債権の地方での使い方」ということで協議会を立ち上げました。その事務局をやるということで、そのための会社をつくったようなものだったのですが、北海道庁が財政再建団体1歩手前くらいまで財務状態が悪化し、「北海道庁は1銭も出しません」となってしまったのです。

そうするとみなさん手のひらひっくり返すわけですよ。ということで結局、協議会のレポートを最後取りまとめて提出して終わりだったんです。それで札幌に電子記録債権の協議会をつくるという構想がなくなってしまい、そこでもう「仕方がない。一応研究会をまとめてレポートも出したし、店じまいするかな」というところまで(考えました)。なにせ収入もありませんし、貯金も使い果たした状態だったんです。

【ナレーター】

収入も貯蓄もない危機的状況の中、手を差し伸べてくれたのが大手証券会社時代の上司だった。

【小倉】

当時、子会社の社長をされていた方ですが、その方に「お金もないし、そろそろ店じまいしなきゃいけないですかね」と相談したら、「がんばるんだ!少しは出してやるから」と、100万円だけ出資してくださったんです。そうするとやめられなくなってしまうわけですよ。ただ、最低資本金が5億円ないとスタートできない事業です。そこからは大変でしたが、とにかく出してくださった方がいらっしゃるので、やはりきちんとやらなければならない。「とにかく何とか頑張るんだ」ということで、ひたすらそこら中を駆けずり回り、支援を求め、それで結局色々な方がお金を出してくださったので、5億円集まりました。

【ナレーター】

審査を目前に控えたその時、他の電子債権記録機関が同時期に立ち上がった影響で、再出発を余儀なくされることとなる。

【小倉】

「これがどうなるか見極めてからでないと、次の機関の審査なんかできない」と、全く受け付けてもらえなかったのです。仕方がないので、1回全部リストラして、事務所も閉鎖し、一番大株主のNCSさん、大阪のシステム開発会社さんですが、そこの東京オフィスのプロジェクトルームをタダに近い値段で貸していただいて、そこで僕と今いる副社長の深澤と2人だけでほそぼそとコンサルティングなどをしながら(会社の運営を続けていきました)。

それでも大赤字なので、NCSさんが有難いことにお金を貸してくれました。要するに金融庁の方針が変わらない限りはスタートの目途が付かないという状況を説明してあったんですけど。ですので全部コストカットして、お金がかからない状態にして、もちろん我々も給料はあまり取ってませんが、援助をしていただいたので、それで2年間くらい過ごしたのかな(と思います)。

【ナレーター】

様々な苦境を乗り越え、2016年7月、ベンチャー企業として初の電子債権記録機関の指定を国から受ける。

【小倉】

5億円の資本金を集めるのに3年くらいかかり、そこから2年間、中断させられ、そこから更に審査に2年少しかかってしまいました。ですので、大変な目にあいましたけども、会社をつくってからちょうど丸7年経った時に、国からやっと電子債券の記録機関の指定を去年の7月にもらうことができました。そして、順調にいくと来月は黒字になるというところまで漕ぎつけてきたので、やれやれということですけども、長かったですね。

社長プロフィール

President's profile
氏名 小倉 隆志
役職 代表取締役社長

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