際コーポレーション株式会社 店舗再生・プロデュース事業が主軸。90の業態で約300超の店舗を運営 際コーポレーション株式会社 代表取締役 中島 武　 (2013年3月取材)

歴史

【中島】

大学は東京の拓殖大学で、学生時代、応援団にいたので社会に出た時のギャップがかなり厳しかったですね。

なぜかというと、ある意味でそこでリーダーだったのが、社会人1年生から始めるし、大学の頃のほうがスケール感が大きくて、社会のほうがスケール感が小さいというかね。

そんな感じだったので、大手企業さんに入ったんですけど、ものの1カ月くらいで辞めてしまって。そこから転々と職を変えながら何かしなくてはいけないと模索しながら。

20代の頃に起業して、30代は自分で青年実業家みたいな気分になっていました。

バブルと同時にお金の締め付けで厳しい状態になってきて。
別に会社が倒産したわけではないんですが、100人、もう少しいましたね。

いた人間もみんな一回さよならして別れて。ですから、また1人で飲食店を作り出したんです。

本当に飲食店を僕は知らなかったんです、勤めたこともないし。

僕はこういう店に行きたいんだと、それは日本人が海外に行った時に何か感動を覚えること。なかではすごく高級なレストランで感動を受ける人もいるし、町場のレストランで感動を受ける人もいるし。

僕はどちらかというと、町場のレストランで感動を受けて、町場のレストランを作りたいなと思いました。僕はイタリア料理が一番最初なんです。

自分たちが描いているイタリア料理というのと、今度は職人さんが料理を作る時に日本のイタリアンになってしまうんですね。向こうのイタリア料理はこうとか、ああでもない、こうでもないと。

今度はそれが中華料理だっていったら、もうまるっきり日本の中華と現地の中国料理は違うので、では、現地っぽい物を作れば売れるのかと。

韮菜万頭というお店を出した時に、チラシを出して、オープン告知をして、朝行ったら50人ぐらい並んでるんですよね。準備不足で、オープンして何もやってないんですから、その日はまあ地獄のようでしたね。

料理は出ないは、お客様は怒るは。試食だからタダなんですね、韮菜万頭は。その韮菜万頭自体、メインの商品は美味しくなくて、散々で。

それを3日間やって、3日間行列ができてたんですよ。
4日目から普通に営業したら、本当に誰も来ないんです、お客さん。これは僕は本当にいい経験をして、絶対に慣れないうちにオープンだなんて。知ってる人を呼んだりする人たちがよくいるんですが、それもしませんよ、僕は。

オープンしてから1週間、10日、どこに何があるか慣れてからやっていくようになりましたけどね。そんなのが一番大変でしたね。

あとは急激に会社が大きくなっていって、店舗も出店数も。コックさんを自分たちの所で育てて、何年もかけて育てたコックさんではないですから、これは大変でした。

コミュニケーションをとっていくのも。コックさんたちをどんどんうちの会社に集められるほど、知名度が高いわけではない。
そんなことを思っていた時に、僕は海外からアンティークなんかを輸入していたんですね。

「そうだ」と言って、それから中国のコックさんをどんどん招聘していって、 一時は4〜500人、中国の人たちを招聘して。
そのコックさんたちの料理を作る技術と、僕たちの考えと一緒にやりながら成長していったんですよね。

言葉は分からないし、その人たちと一緒に仕事をするのは本当に大変だったんです。それをやりながら国際部というものを立ち上げて、これは俺たちでは無理だと思いました。

彼らと僕たちのコミュニケーションをちゃんと手伝ってくれて、それから彼らの生活の管理とか衛生管理とか、物事に対する、サービスに対する管理とか、そういう指導も国際部にお願いしてやっていくようになったので。

そういうものがなかったら今日が成り立たかなったのではないかと思います。

西洋と東洋の「際」というものが日本であって、そこに東京があって、東洋と西洋の際に生まれる文化が新しい文化なんだよと。ちょっとしたミックスなんですけどね。

日本古来の伝統文化を持ちながら、そこに新たな欧米の文化が入ってきている、そういう意味での「際」で。
「際」というのは国際の「際」という意味なので、「際コーポレーション」という名前を付けてやっています。