際コーポレーション株式会社 店舗再生・プロデュース事業が主軸。90の業態で約300超の店舗を運営 際コーポレーション株式会社 代表取締役 中島 武　 (2013年3月取材)

プライベート

【中島】

どちらかというと、文学小説とか恋愛小説を読んでいるのが好きで、別に経済書はあんまり得意ではないです。
ちょっとロマンチストに本を読んでるのが好きです。

谷崎潤一郎さんの「痴人の愛」とか。
もう少しとんがると、自殺しちゃった太宰治の本で「きりぎりす」という短編があるんですよね。

あんなのが好きで、成功しようが成功しまいが、成功しなかった時のほうが美しかったと、奥さんが。貧乏な時のが楽しかったと、質屋通いも楽しかったと。

あなたがお金持ちになったら、どんどんいやらしい絵描きになっていって、何か本当にいやらしくなっていったような物語なんですが。

人間って時々、権力とか名誉とか経済力というものが、生きるセンスにとってはマイナスになる時がありますから。かっこ悪い時がありますから、それは言い聞かせていますよ、僕。

大学時代に僕は応援団にいて、応援していても、本当に応援団って面白くて、どちらかというと自己陶酔の世界で、応援しながら自分に酔っているんですよ。

本当にあれはきついんですよ、応援してるのは。こんな事言ってはいけないんですが、早く終わらないかなと思ってしまう時があるんですね、応援しながら、暑いですし。

僕の大学は空手部が強くて、でも不祥事を起こしたんです。不祥事を起こして、何年か出場停止なってたんですよ。

僕が1年生の時かな。出場停止が解除されて、拓大の空手部が全日本の選手権大会に出ていて、武道館で試合をする時に僕たちも応援に行きました。

ずっと大学では練習ができないので、護国寺の境内で空手部たちがこっそり集まって、稽古してたのを知っていたんですよ。町の道場で稽古してたんです。

まるで忠臣蔵の赤穂浪士みたいなものですよね、みんなで集まって。
それが解除になって、選手権に出てきたんです。

普通は何年間のブランクがあるから勝てないでしょう。それが勝ってきたんです。本当に勝ってきた時に、なんだか鳥肌が立つようになってきて、拓大空手部が決勝戦に出てきたんです。

相手はどこの学校か忘れましたけど。すごいな、拓大空手部ってね。出場停止が解除されて、もう決勝戦で最後の試合という時に、僕はその時勝たせてあげたいなと、1年生ですけどね。

本当に鳥肌が立つくらいに、一生懸命涙を流しながら応援していましたよ。

空手って5人でやるんですけど、先鋒は今でも僕が覚えているアサイ先輩で、僕なんかのことを「たけしたけし」と言って、可愛がってくれた先輩がいて。

ばーっと出て行って、ピーっと笛を吹いた途端にバーンと相手を一撃で倒したんです。
拓大空手部は強いなと思ったら、旗が向こうに上がったんです。

何だろうと思ったら、反則一本だったんです。負けてバカだな、あの先輩。
次鋒の方が出てきて、またばーっと行って、バーンとやったらまた倒したんです。

また負けちゃったんですよ。留めなくちゃいけないんですよ。それを突いちゃうから倒れてしまう。
2人負けちゃって、 5人のうち2人負けちゃって、もう拓大空手部バカだなと思いながら、もう1人負けたら終わりですよ。

中堅がまたバーンとやるのかと思ったら、普通に戦って一本で勝ったんです。副将戦、それも勝ったんです。大将戦で勝って、全日本で優勝ですよ。

この時はさすがにすごいなと思いました。こんなことって、ドラマってあるのかなと思いながら、僕なんかは応援していましたよ。

スポーツとか、人間が生きているとドラマティックなことって、やっぱりあるななんて思いながら、時々哀しかったり苦しかったりすると思い出しています。

座右の銘というのは、そんな難しい言葉ではないけど「全ての責任は自分にある」とそうやって思って生きていますから。
とにかく何が悪くても誰のせいでもないし、それをジャッジしたのは僕なんですから、こうやって生きてるのも僕なんですから。

全ての責任は己にあると、こういうのが僕の考え方です。