Vol.5 プライベート
プライベート
【大久保】
人はいつ死んでもおかしくないと思うんだね。人はいつ死んでもおかしくない。普通の人は、死というと遠いものだと思っているんだよね。あなたもそうだし、うちの連中もね。僕は余命3ヶ月からものを考えるいうけどね、みんなピンとこないね。余命3ヶ月?ピンとこないな、という感じでね。人間は誰しも病気になると思っていないし、誰しも死ぬと思っていないんだよね。人間というのは。死と遠いものだと思っているわけだ。なんかの瞬間、医者に行ったときに、余命3ヶ月と言われてパニックになるんだ、みんな。僕の身内に医者がいるんだけど、ガン専門医なんだけど、99.9%そうなんだって。来た時にガンと思っていないんだって。と同時に、あと余命3ヶ月だと言われてみんな信じないんだって。自分のこと。「えー!」みたいな感じで。それぐらい人間というのはおめでたく出来ている。
でも死は突然来るのだという事をよく言っているんだけどね、僕は5歳でそれを味わったわけですよ。医者は絶対に助からないと言われた。親には即死だと言ってきた。しかもその後、私は5年も6年間も尋常ではない苦痛を味わって生きたわけですよね。ようするに歩く事も立つ事も出来ない。そのときに本当に死ってあるんだなということを、いつもいつも感じながら、でも負けてたまるかという気持ちで生きてきたので、生きるという事の大切さ、一日一日の大切さ、いつ死んでも人間っておかしくないんだということがね、ずっと僕は小さな時から体で覚えているわけですね。
同時にお袋がいつも言った事が、あなたは一回死んだ体なんだと。神様が特別に命をくれたんだと、残った命は人のために尽くしなさいということをまるで宗教の教祖が私を洗脳するように、お袋はいつもいつも、人のため、人のためと言い続けていたわけ。変な正義感がついたの、変な正義感が。ですから非常に喧嘩っ早いし、頭にくる、カッカするし、僕はね。要するに変な妥協が駄目なんですよ、僕は。人にこびるとか、妥協するとか、許すとかできないんだね。
【大久保】
僕は一生懸命生きますよ。もの凄い勢いで。毎日毎日をね。ダラダラが嫌いなので、会社に来ていても詰めてくれと。スケジュールをダーッと詰めろと。中途半端が一番嫌なのよ。だからどちらかというと時間を凝縮して、なるべく無駄な空間を作りたくないんだよね。ある一定の間が空いたらジムへ行って、体を鍛えようとかね。ある時間があれば本屋行って本を買って読もうとかね。自分でカテゴリーを作って、とにかく1日という時間を無駄にしたくない。結構起きた瞬間からパワー全開でテンション高いんです、毎日毎日。孫も逃げていますよ。じぃじテンション高い、みたいな感じでね。おはよー!という感じでやるから、向こうはオォ!。ビックリしてしまうんだろうね。一番のテンションは起きた瞬間からだよ、僕。寝る瞬間までテンション高いんだからずっと。で、ポコッと寝るんだけどね。
だからそういう感じでね、時間に対してすごく一生懸命にやっているかもしれませんね。そういう死生観があったからかもしれない。もったいないじゃん。確実に人間は死んでいくので、生きているうちにしかできないじゃない。だって一日一日もったいないよね。もしあなたが、あと3ヶ月で死んじゃうと分かったら、一日一日を大事すると思うよ。だって今日は寝ていようかなと思うと、それで一日終わっちゃうんだよ。90分の1終わってしまうのだから。それが50年ぐらい通して(どのくらい)無駄になるかは分からないけど、一日一日生きている人はいつ天命が下っても、まあいいかと、もうちょっと生きたかったけど、という気持ちで諦めがつくじゃない。これだけして生きたのだからまあいいかみたいなね。そういう人生がいいよね。ドタバタになってからもっと一生懸命に生きればよかったなと思っても後の祭りだもん。
だから思いっきり仕事をして、思いっきり恋をして、思いっきりお酒を飲んで、思いっきりスポーツをして、思いっきり映画を見てと、とにかく欲張りになって、思いっきり一日一日をエンジョイする事が、お母さんに対する恩返しですよ。大変な苦痛な思いをしてみんな生まれてきたわけだから、お母さんのお腹から。だったらね、その恩に対してお母さんありがとう、思いっきり生きるよ、少し世の中のためになる事をして、思いっきり元気よく楽しく生きていく事が親孝行よ。だから僕の座右の銘は「親孝行」なの。
【大久保】
一回親に死んだと言われて、どのくらい親が悲しいと思う?あなたが、あなたのお母さんにお子さん即死ですと言われたら、あなたのお母さん、心臓が止まるかもしれない、下手すると。そういう思いを僕はさせたんだよ、実際。息子さんは即死ですって。そのときのショックというのはきっと一日で真っ白な白髪になるぐらいのショックだったと思うね。そういう悲しい思いをさせてしまったんだ、僕は親に対してね。だからこそ、生きたのだから絶対に悲しい思いをさせたくないということでね、僕がいつも元気で、いつも世の中のために、人のために、なんとか頑張っている姿を見ると、おふくろはこの子を産んで良かった、あのとき生きていて良かった、と言う気持ちになるでしょ?これが一番の親孝行だよ。
よく親のために僕はあとを継ぐんですとかね、親といるとか、馬鹿かと。親はそんなこと求めていないわな。親は自分の子が一番、のびのびと元気で楽しく生きている姿を求めているんだよね。本当の親孝行というのはいつもにこにこして、はつらつと生きている姿を見せる事が一番の親孝行だって。自分の人生を捨てたり、嫌な人と結婚したり、嫌な仕事をしたり、家を継いだりするのは偽善ですよ、そんなものは。だから絶対素直に生きなくてはだめ、人間というのは。その笑顔だよ。その笑顔で楽しく生きて下さい。ね。
経営者プロフィール
氏名 | 大久保 秀夫 |
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役職 | 代表取締役会長 |
生年月日 | 1954年10月2日 |
座右の銘 | 「親孝行」 両親がいなければ、今の自分は存在しないから |
愛読書 | ビジョナリーカンパニーⅡ |
会社概要
社名 | 株式会社フォーバル |
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本社所在地 | 東京都渋谷区神宮前五丁目52番2号 青山オーバルビル14階 |
設立 | 1980 |
業種分類 | 卸売業 |
代表者名 |
大久保 秀夫
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従業員数 | 2,367人 |
WEBサイト | https://www.forval.co.jp/ |
事業概要 | IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などを含む情報通信コンサルティング事業と、総合コンサルティング、海外進出、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティング事業 |