株式会社まんだらけ マンガ専門古書店の最大手企業。経常利益率10%超の高収益企業 株式会社まんだらけ 代表取締役会長 古川 益蔵  (2012年9月取材)

Vol.2 価値観

インタビュー内容

価値観

【古川】

日本の中古市場というのはまだまだ未熟。成熟していない。漫画家の原稿を売ったら「何でそんなことをするのか」。色紙を売ったら「作家が読者に書いたものだからそれを売ること自体おかしい」。その考え方がおかしい。海外だとウォルトディズニーのセル画が1000万円、2000万円が当たり前。日本では手塚治虫先生や宮崎駿先生のセル画は、最高でも100万円、200万円、300万円になったものもあるが、最高でもその程度。世界的な人気で見たら、宮崎駿先生がトップ、ディズニーは足元にも及ばない。それなのに日本人の認識が薄い。いいものはみんな海外が買っていく。手塚先生の私家本、手書きの肉筆本が出てきた。誰も知らなかったもの、それがオークションに出たときに、日本人も競ったが、結局買ったのは、博物館。昔、明治時代に日本の浮世絵がどんどん海外に出て行ってしまった。そのような状況が、日本のセル画や漫画の原画。みんな日本のものを買い漁っている。いいと認めている。売れるのはいくらでもあるが、自分たちが認めていない。そういうのは僕らが、値段をつけることによって評価する。そういうのを僕らが、値段をつけることによって評価する。「いいですよ、いいですよ」といってもわからない、値段をつけたらみんなびっくりして「こんな価値があるのか」とわかる。そこを出していきたい。

【古川】

私自身の考えですが、作品はどこで完成するかというと、作者が創ったときが完成ではなく、例えば、ゴッホが絵を描く。描いて完成かというとそうではない。その絵を画商に持っていっても売れなかった。仕方がないから物置に置いておいた。弟がお金をあげて、パンを食べて暮らしていた。それが世に流れて、でもまだまだ値段はつかなくて、やっと世に出て値段がついて、今でこそ何十億円と値が付く。世界が受け入れたときに、ゴッホの作品が完成したと思う。漫画もアニメも同じだと思っている。今、大量のアニメや漫画が世界中、日本中に出ている。僕でもOVAなど、知らないものがたくさんある。世の中にせっかくいいものが、出てきても埋もれてしまうものもあれば、ブームに乗ってワンピースみたいにうくらでも売れるものがある。でも今出ているOVAでも、一般の人が知らなくても、10年後、20年後にいい作品だったといわれるものがあるかもしれない。それを掘り出していくのが僕らの仕事。新しいものでなくても、10年前、20年前にあったものまで、これは本当にいいものではないか。「値段これだけ付けます」「買ってみて」と出してみて、それが買われたとき、買った人もいいものだと買っていく。それはすばらしいこと。先ほどの手塚先生の私家本でも、それが何百万円も値が付いて博物館に売れたら「日本人すごいな」と思われる。そういうのが仕事だと思っている。そういうのがわかる感性を持った人。せっかく来てくれた方は大事にしていきたい。


経営者プロフィール

氏名 古川 益蔵
役職 代表取締役会長
生年月日 1950年10月21日

会社概要

社名 株式会社まんだらけ
本社所在地 東京都中野区中野5-52-15
設立 1987
業種分類 小売業
代表者名 古川 益蔵
従業員数 364 名
WEBサイト http://www.mandarake.co.jp/company/
事業概要 マンガ専門古書店の最大手。アニメ原画・玩具販売も。独自の値付け・鑑定で市場影響力大
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